果物.野菜ジュースを食べ過ぎると健康を損なう。癌を含む様々な病気を治すのは誇大宣伝。

【※本記事は2021-08-03更新しました】

 

こんにちは。李哲です。

果物、野菜ジュースブームがあり、〇〇病気も治るという説まであります。残念ながら、果物・野菜ジュースだけで病気は治りません。健康に良いのは確かだけど、これだけで病気(癌も含め)が治るというのは誇大宣伝。

 

今日は当院の女性患者さんから聞いた体験談を含め、果物.野菜ジュースに関して個人的の意見を述べます。

果物・野菜ジュースの生活をしてから、フラフラし始め階段を登るのもドキドキし始めた女性

この女性は、手術は要る?動悸、息切れを改善した鍼治療例 に書いた患者さんです。彼女はある癌だと診断されて、自然療法で癌を治すと宣伝したあるクリニックを尋ねました。本も出している結構有名なクリニック先生だそうです。そのクリニックの宗旨は、米.肉など食べないで、果物.野菜ジュースをメインにした食事療法で体を治す。

 

癌が治った患者さんも何人かいて、通っている癌の患者さんも多かったらしいです。

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この女性は通い始めてから、炭水化物.肉などなくしてジュースのみにしたそうです。しかし、1~2日経ったらふらふらし始める。階段を上がるのもドキドキする。当院にたどり着くのがやっとでした。

 

彼女は「どうしたら良いか?」と私に質問しました。

私は彼女に話しました。

「このままだと、あなたが先に倒れるかも知れません。その療法はちょっと止めましょう。癌の治療では魚.肉など必要です。摂り過ぎなければ大丈夫です。」

 

彼女は家に帰ってから、すぐ普通の食事に変えたそうです。2~3週間後に来た時は「心臓がドキドキする感とふらふらするのがなくなり、体調もだいぶ良い」と言ってました。

 

心臓のドキドキ、動悸、息切れなどは鍼灸もしくは漢方薬で完治できます。以下は一つの漢方薬症例。西洋医学では治療不可能な病気が漢方薬だけで改善され、西洋医学の先生も認めざるを得なかったのです。

 

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果物.野菜ジュースを食べ過ぎると健康を損なう根拠

果物.野菜ジュースを飲むのは、別に悪いことではないと思います。ただし、炭水化物.肉.魚などの一般食事を止めて、野菜ジュースの力で癌を治す。この理論には、いろいろ落とし穴があります。

栄養不足で著しい体力低下になる

上記の女性患者さんみたいに、栄養不足で患者さんには、著しい体力衰弱が現れる。

 

果物・野菜ジュース生活を続ければ、がん細胞が死ぬかも知れないけど、常識的に考えると患者さんが先に倒れて死にます。

 

アップル会社の創始者:スティーブ・ジョブズも果物・野菜ジュースだけで癌治療を行ったことがあったそうです。しかし、結果は。。。

 

体力増強につながるのは、果物・野菜ジュースよりも肉類が効果的です。焼き肉食べると元気になる人は多いと思いますが、野菜サラダを食べて元気モリモリになる人はどのくらいいるでしょうか?

 

どんな肉が健康に良いかは、また別の記事で詳しく説明します。

 

体力増強につながる肉類

果物.野菜ジュースを食べ過ぎると体内が冷える

中医学理論でいうと、果物.野菜ジュースは体を冷やす性質が多い。食べ過ぎると体内が冷えて、長年食べ続けるとがん細胞が好む環境になります。

 

以下は果物がきっかけで起きた心臓発作の治療例。果物は美味しいですが、食べ続けると胃腸が冷えて体調を崩すので、食べ過ぎには要注意です。

 

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正統派の漢方薬処方箋では、果物・野菜を使わない

中医学のがん治療には、果物・野菜を基づいた処方箋がない。日常生活で食べる野菜は、ほとんど生薬として扱われていません。

 

皆さんは葛根湯、麻黄湯など聞いたことがあるでしょう。

「白菜湯」、「玉ねぎ湯」、「みかん湯」、「りんご湯」は聞いたことがありますか?

 

病気治療には果物・野菜ではなくて、性質(陰陽)が極端な生薬を使うのです。

 

たとえば、トリカブトの中でもっとも毒が強烈な烏頭。正しい加工法と煎じ方をすれば、難病でも治せるのです。以下は一つの症例、参考になると幸いです。

 

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果物・野菜ジュースは、性質が陰(体を冷やす)のものが多い

中医学の定義で、果物.野菜は陰陽のバランス(性質)が陰のものが多い。つまり、体を冷やす作用がほとんどです。冷やすと言っても、ほんの少しだけなので、あまり気にしないで下さい。人間は動物、言い換えると動くものなので体内では常に熱を生じます。野菜・果物の微量の冷やす力は、ちょうどバランスを整えることができます。

 

体を温める果物・野菜類は生姜・にんにく・唐辛子くらいでしょう。

 

性質(陰陽)が偏っても少しだけで、味が美味しくて食べやすい、日常生活で体を養う分には良いです。もしくは、ちょっとした病気には有効。例えば、風邪をひいて頭痛・寒気がする時に黒糖と生姜を煮詰めた汁を飲めば、汗をかいて風邪が治ります。しかし、39度の高熱になって、咳が止まらないひどい症状には、上記の黒糖生姜湯では治りません。

 

風邪を一晩で治す漢方薬には、様々な処方箋があります。以下の記事では、細かい症状をもとにして分別しました。参考になると幸いです。

 

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漢方薬は性質(陰陽のバランス)が極端なものが多い

病気になった時は、生薬(漢方薬)を使います。

生薬は性質(陰陽)は中性ではなくて、極端に偏っているのが多いです。なぜかというと、人間が病気になった原因は、陰陽のバランスが極端に崩れたからです。

 

陰陽をプラス・マイナスに例えると以下の例ができます。

 

▼性質が熱い生薬の例

トリカブト(パワーはプラス100)

乾姜(パワーはプラス50)

細辛(パワーはプラス50)

 

▼性質が寒い生薬の例。

石膏(パワーはマイナス30)

黄芩(パワーはマイナス90)

黄連(パワーはマイナス90)

 

黄連、黄芩は漢方薬でよく同時に処方される生薬です。冷やす力・解毒作用と抗炎症作用がすごい強いので、人間にはもちろん動物にも効くのです。以下は一つの症例、参考になると幸いです。

 

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一つの例をあげると、陰陽のバランスが崩れて、体が今プラス90のところに倒れた。このときは、マイナス90の生薬を使わないと平衡点に戻すことができません。

 

果物・野菜は微量の陰性(体を冷やす)ものが多くて、バランスを調整できる力が弱いので、癌など重病治療には使えないのです。

癌の根本は冷え。だから、体を冷やす果物・野菜ジュースでは癌が治らない 

癌はもっとも冷えがひどい病気です。体内が熱すぎて癌になった人はいません。100%の癌患者は、体内が極端に冷えきっています。マイナス100のところまで陥ったのに、体を冷やす作用がある果物・野菜ジュースを大量に飲んで、健康に戻れると思いますか?

 

いくら微量の陰性(体を冷やす)果物・野菜ジュースだとはいえ、積み重ねると大変な事になるのです。

 

中医学が癌を治せる理由は、ニハイシャ先生の治療例で詳しく説明しています。どうぞご参考にしてください。

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生薬は味が極端なものばかりなので、普段の養生には使えません。漢方薬で作ったすごい苦くて酸っぱい料理、あなたは飲み込めますか?

 

だから、中医学では言いますが、まずいものは病気になったときに食べるもの。美味しいのは、病気になってないときに食べるもの

果物・野菜ジュースは普段の養生に良いけど、病気治療には漢方薬じゃないとダメ 

以上の理由で、一般食事を捨てて、果物.野菜ジュースだけで病気(がんなど)を治せないと断言します。

 

普段の生活で健康のために、わざと大量に果物・野菜ジュースを飲む必要がないです。果物は少なめ、もしくは食べなくても大丈夫。いわゆる果物100%の商品があるけど、信用してはいけません。果物はそのまま食べたほうが1番良い。野菜はなるべく火を通して食べる。上記の2つを守れば十分です。

 

うるさいと言われるかも知れませんが、もう一度復唱します。

果物・野菜ジュースは普段の養生には良い。しかし、病気になったときは、性質が極端な漢方薬じゃないと、極端に崩れたバランスを戻すことができません。