こんにちは。李哲です。
歴代の有名な鍼灸物語として、面白い話があります。
ツボはだいたい限られた効能がある。例えば肝経の経穴(ツボ)だったら、肝経の問題しか解決できない。一つのツボで、すべての病気に効くのはありません。
ただし、唯一の例外があります。
膏肓(こうこう)。
このツボは鍼を刺すより、お灸をする時が多い。
万病に効くということは、どんな病気でも治療ができるということ?
そうです。
「無所不療」(何でも治せるの意味)と書いています。
(現代でいう末期がんでも治せる意味ではないので、間違わないで下さい)
鍼灸医として、あれこれ刺しても効果がない時、膏肓を選んで集中的にお灸をします。
だいたい1回で500荘(個)くらいやります。
毎日やって、患者さんが元気になるまで続く。
お灸の熱気がお腹まで伝わるまで、たくさんお灸をします。
毎回500荘もやったら、そうとう時間がかかるし、火傷は避けられないでしょう。
あくまでも、これは最後の手段です。
病がここまでひどくなる前に、治せるツボはたくさんあるので、その前に治せば良いと思います。
万病に効くなら、ほかのツボを習う必要がないでしょう?と質問する人がいるかも知れません。
確かに。
理屈はそうです。
ただし、ツボにはその得意分野があります。何々を治すには、このツボが最強。ツボの効能は、歴代の名医たちが臨床経験でまとめています。
その中で有名なツボとしては、関元でしょうか。
膏肓穴はなんでも治せると書いてますが、ある病気を治すとき、最強ではありません。
膏肓穴よりもっと早く治せるツボはたくさんあるのです。
だから、鍼灸医は経絡とツボ。中医学の生理学と病理学などの勉強が必要です。
ちなみに、中医学では病が膏肓まで入ったら、医学の神様でも治せないと言います。