鍼灸・漢方薬への不信感・絶望から堅実な擁護者へ:中医学の信者の道

【※本記事は2019-09-26修正しました】

 

こんにちは。李哲です。

このブログで中医学の話をいっぱいしました。

 

世の中は西洋医学の世界で、西洋医学こそ科学的根拠に基づいた医学なのに、なぜうさんくさい中医学(東洋医学)を擁護しているのか?

 

私の今までの経歴で、説明させていただきたいと思います。

 

 

鍼灸と漢方薬に憧れて中医学大学に入ったのに、最終的には絶望

 
10何年前、私は中医学の神秘な力に憧れて中医薬大学に入学しました。そして、古文からはじめ中医学の理論、西洋医学の解剖学.薬理学などを勉強。

 

もちろん、中医学の大学なので中医学がメインです。


5年の勉強と研修で、理論知識はいっぱいつけました。

しかし、臨床で気づいたのが、中医学(針灸.生薬)の治療効果が見えなかったです。


臨床では漢方を使うところか、ほとんど西洋薬が先に使われている。

西洋薬がダメだったら、漢方を使うパタンが多いです

特に緊急救命のときは、漢方使うのを見たことがないくらい。

 

つまり、優先順位があるのです。

西洋薬が優位。

漢方はただの候補者。


西洋薬もダメで、患者はもう死ぬしかない。

でも、漢方でひょっとしたら生きるかも?という考え方で、漢方が使われるわけです。

 


 

中国の一般の庶民には、こんなうわさまであります。
「漢方は普段の養生には良い。

病気を治すなら、西洋薬のほうが速く効く。」

 

言い換えると、薬膳料理.精力剤などは漢方の強いところ。病気の治療には、漢方の効き目が遅い。

 

針灸の効き目がどのくらい遅いか、今も覚えている事例があります。

 

大学付属病院で一人の男性の患者を見ました。

彼はバスに乗ったとき、足を組んで座って、太ももの上に彼女を乗せたのです。そして30分後、バスを降りたら彼は歩けなくなりました。

 

普通の痺れだと思って、1時間くらい休んでも痺れが取れません。そして、病院に来たのです。

 

針灸と推拿(中国では整体とは言わないで、推拿と呼ぶ)を行って、全治まで3ヶ月もかかりました。

 

私が病院で1年研修している間、漢方をメインにして病気を治す先生を見たことがありません。

 

先生たちが言うのは:

「急性.重病の患者は西洋薬を先に使うべき。落ち着いたら、漢方で養うほうが良い」

 

自分が憧れていた中医学(漢方薬.針灸)って、こんな弱いもの?病気も治せない医学だったのか?

 

不安と疑いが、どんどん膨らんできました。

 

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中医学の神秘な力(生薬、針灸)で難病でも治す。これを見たくて勉強し始めたけど、大学に通っている5年間、見たことがありません。

 

針灸は大したものではない。

治せる痛みは少数。

漢方は3~4ヶ月飲まないと効かないもの。

 

こんなイメージを持っている人。

私だけではなかったです。

 

中医薬大学の卒業生、こう思う人は多いです。

彼らは卒業してから、西洋医学の外科医(給料が高いから、奪い合う職業)になる人もいるし、別の業界に転職する人もいます。

 

専門知識を勉強した人すら針灸・漢方薬の効き目を認めない。ほかの普通の庶民たちは、どう思うでしょう?

 

憧れて5年も勉強。

しかし、最後分かったのが、自分が勉強したのは『役に立たない学問』

 

そのむなしさは、言葉で表現できないくらいでした…

 

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ツボと漢方薬の威力を実感して感動、もう一度中医学の勉強をし直した

 

整体の効き目に気づいたのは、日本に来てからです。

 

当時、アルバイトで学費・家賃を稼がないといけない状況で、たくさん働いて稼ぐしかなかったです。

 

留学生にとって報酬が高いバイトは、整体院。ただの料理屋で働くより給料が高い。整体とつぼは大学で勉強したから、バイトは探しやすかったです。

 

そして、数々の実践で分かったのが:「つぼはとても効く!」

特に足つぼ反射区療法は、驚くほどの効き目がある。

 

胃が痛い人、その場で胃痛がなくなった。

腰椎ヘルニアで歩けない人が、再びスポーツを始めた。

生理が止まった人、生理がまた来た。

… …


目の前の患者が教えてくれなかったら、私も信じてなかったかも知れません。

 

▼以下は足ツボで激しい胃痛をその場で治した例です。参考にして下さい。

 

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何だよ!

勉強したのが役に立っているじゃん!

 

中医学をバカにした自分がいけなかったです。

初めて勉強したものが役に立つのを実感して、本当に嬉しくて涙が出そうになりました。

 

私も役に立つ人間になった!

まあ、こんな感じですね(笑)

 

そして、思い出したのは前回書いたあの男性。

なぜ針灸までして、3ヶ月もかかったか?

 

大学での勉強、

いったいどこが間違っていたかを考え始めました。

 

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倪海厦(ニハイシャ)先生のHPに出会ってから、中医学に対する考え方が変わった

 

3年前に縁があって、ニハイシャ先生のHPと出会い。

そして、全部の文章を1年くらいかけて隅々まで何回も読み。

 

今までの疑問、すべて解けるようになったのです。

私が大学で勉強したのは、間違った中医学の知識で、本物ではなかった!

 

だから、漢方で病気を治す先生を見たこともないし、針灸で一発で痛みを治すのを見たこともない。

 

勉強した知識が間違っているから、10年勉強しても30年勉強しても病気を治せません。

 

以下の記事で患者さんは言ってますが、「あなたがあと100年医師の仕事をしても、分からないのは分からない!」

 

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これは、また新しいショックでした。

あんなに高い学費を払って勉強したものが、間違った知識というのは、どういうこと?バカバカしくてしょうがなかったです。

 

気づいてショックしたけど、逆に安心感もありました。

針灸が効きない原因.漢方が効かない原因.緊急救命で漢方が効かない原因が分かったから。

 

5年の大学勉強は無駄になったような気もしたけど、今はそう思いません。気づいてよかったです。今からでも遅くないので、もう1回勉強すれば大丈夫。

 

鍼灸の緊急救命症例は、以下の記事が参考になります。

 

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漢方薬の「すさまじい効き目」を目の当たりにした例

 

本来の漢方の力はどんなに強いか?

ニハイシャ先生のHPから勉強して実践したのを書くので、見れば分かると思います。

 

「葛根湯」を飲んで30分後、鼻水・高熱・喉の痛みが消えた

横浜の関内で足つぼ整体院をやったとき、スタッフの女性が風邪を引きました。

次の日に、たくさんの予約が入っているのに、風邪のままだと仕事できない。彼女も少し焦ってました。

 

当時、彼女の症状は、

すごい鼻水とくしゃみ.高熱.のどの痛み。

 

お店の近くに漢方薬局があったので、生薬を買ってきて煎じました。生薬は葛根湯の成分。

 

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【▲ 葛根湯の主力:葛根の画像 】

 

彼女はいやな顔で漢方を飲みました。

そして30分後。彼女は不思議な顔で言うのが、“鼻水が止まり、熱も下がった。のどもそんなに痛くない。”

 

寝る前に、2杯目を飲み。

そして、次の朝はすっきりして、仕事もできるようになりました。

使った葛根湯は1日分で、2杯しか飲んでないです。

 

葛根湯が風邪を治す仕組みは、以下の記事で詳しく説明しているので、どうぞご覧ください。

 

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「大青竜湯」を飲んで、翌朝に治ったインフルエンザ

 

もう一人、男性の従業員も病気になったことがあります。

その時は、ちょうどインフルエンザが流行る時期でした。

 

彼の症状は普通の風邪と違う。手元には葛根湯しかなくて煎じてあげたけど、次の朝になってもぜんぜん軽くならない。

 

最初の診断が間違って、これはインフルエンザだと確信しました。そして、インフルエンザの特効薬:大青龍湯を煎じ。

 

仕事が忙しくて3日後に彼の症状を思い出して、聞いてみたら、“新しい漢方を飲んで、次の朝には治りました。”

 

彼が飲んだ大青龍湯も1日分、2杯だけです。

 

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【▲ 大青竜湯の中の生薬:石膏(せっこう)】

 

「大青龍湯」でインフルエンザを治した男性の症例もあるので、これも参考にしてください。

 

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1ヶ月も続く咳、小青竜湯で一晩で治った

 

一人の知り合い。

咳が1ヶ月も続いているそうです。

 

「なんかいい漢方がないかな?」と頼まれて、簡単な問診をしてから、小青龍湯をあげました。その知り合いは、一気で飲んでしまったそうです。そして、次の日にメールがきたのが、「もう治った。昨日の漢方ありがとう」

 

彼女が飲んだのも1日分。2杯だけ。

不思議なのは、ほかの人はみんな漢方がまずいというのに、彼女だけはすごく美味しいと言ってました(笑)

 

基本的に漢方はまずいですが、症状と合う漢方は、患者にとって美味しく感じるときもあるわけです。

 

小青竜湯の症例は、以下の記事もあるので、どうぞご参考に。

 

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半年も続く咳、「小青竜湯」を飲んで一晩で治った

 

一人の知り合い。

中国旅行から戻ってきて、風邪っぽくなって咳がよく出る。

病院の咳きとめ薬を飲んだけど、咳はとまらないそうです。

 

咳は半年以上も続いて、彼女は相当やつれてしまいました。

病院の先生も最後の武器:一番強い抗生物質を出す準備をしたのです。

 

このままだと危ないので、詳しい症状を聞いてから小青龍湯をすすめました。彼女はそっこう近くの漢方薬局で、生薬(1日分.2杯だけ)を買って家に帰りました。

 

1週間後に彼女に会いましたが、彼女はニコニコ笑いながら話しました。

あの漢方すごいですね~次の朝、咳が止まりましたよ。今はもう咳はしないです。」

 

小青竜湯の症例は、ほかにもあるので、以下の記事どうぞご参考に。

 

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彼女はもう一つの悩みを言いました。

「喉にいつも何がつまってる感じだけど、これは何が原因ですか?」

 

これは女性がずっと家にいて、外にあまり行かない。楽しい思いも少ない。悩みを聞いてくれる旦那(友達)もいない。考えること(無意味な心配)が多すぎ。そして、少しうつっぽくなり、のどに気が詰まったのが原因です。

 

ちょうど勉強したのがあったので、半夏厚朴湯 を紙に書いてあげました。1日分。茶碗2杯分です。

 

1週間後に彼女から報告があったけど、「飲んで次の朝には、のどのつまりがなくなりました。」

 

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【▲ 厚朴(こうぼく)の画像 】

 

半夏厚朴湯の使用例は、以下の記事でも出現しているので、どうぞご参考に。

 

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漢方薬・鍼灸が効かないのは、先生の問題であり漢方薬・鍼灸が効かないわけではない!

 

以上で書いた全部の漢方。

一日分だと700円くらいです。

 

抗生物質は700円で治りますか?

手術は700円で治りますか?

 

ここまで書くと、

「うそつくな!」

「漢方がそんなに速く効くわけがない!」と疑う方が多いでしょう。

 

その気持ち、よく分かります。

私も昔、漢方薬と鍼灸を信じてなかったから!

 

目の前の真実を見なかったら、

私も「漢方って効くんだ!」と思いません。

 

科学的な理論が見つからない。

だから、標準医療(西洋医学)を信頼するべきだ。

 

こんな理由で、中医学(生薬.針灸)を反対する人。

愚痴なあなたとは話が通じません。

 

臨床では効果が全て。

何回も同じ効果を再現できるのが、本当の医学です。

 

「なぜ、私が飲んでいる漢方は効かないか?」

これは、漢方が悪いのではなくて、漢方を処方した先生の勉強不足です。

 

先生を変えてください。

漢方というのは、組み合わせと使用量が間違えると、飲んでもあまり効きません。

 

いい先生をどう見つかるかは、皆さんのご縁ですね。

縁があれば出会えます。

 

以下の患者さんは、たくさんの治療院でも治らなくて、整体を1回受けただけで良くなりました。本当に、縁がある方としか思えません。

 

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ちなみに、こちらは足つぼ.整体のお店で、漢方薬局ではありません。漢方相談などは受付しないので、ご了承ください。

 

針灸に関しては、以下のビデオを参考にしてください。

ハイチ地震救援に行ったアメリカボランティア医師の撮影なので、うそではありません。

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li-hari.hatenablog.com

 

検証を繰り返して、もっとも漢方薬・鍼灸を擁護する者になった

 

最初の憧れ.信頼⇒夢の破滅.自信がなくなり⇒再び自信を持ち.信頼。今は最も堅実な擁護者になっている。

 

これが今までの心境の変化です。

 

波乱万丈な10年だったけど、気づいた自分は幸運だと思いました。

「今はまだ未熟で、いろんな病気を診るとこができないけど、いつかは!!!」と頑張っています。


世の中の病気。

もちろん、中医学だけで治せるとは限りません。

 

ほかの流派もあると思います。

仏教.キリスト教.神道など共存してるように。

 

治せばいい!

患者の命を救えば、その価値があるのです。

 

ニハイシャ先生は言いますが:患者の為になるやり方であれば、西洋医学か中医学か関係なしで、全て賛成すべき。逆に患者に害を与えるやり方は全て反対!


流派.やり方などと関係ない。

患者の為になるのが王道。

 

最後に『医者が患者を騙すとき』(作者:ロバート.メンデルソン)の本を紹介します。

 

私と逆の感想が書かれています。

西洋医学に対する疑問があふれる、良心的なお医者さんの著作、アメリカではベストセラーだそうです。

 

皆さんもぜひ1回読んでみてください。

 

 

(おわり)