こんにちは。李哲です。
今日はアメリカの開業医(中医師):鄭智城先生の記事を翻訳しました。
もとの中国語本文のリンク先は、
翻訳文
ある日、ロシア人夫婦が故郷が同じの人を連れて来ました。
連れられて来たロシア人男性は、皮膚が白くて痩せ型。はきがない。
彼の陳述は、長期的な偏頭痛。頭が重い。特に頭を振ると頭痛が増える。
彼は長い間この症状に困って、最近はMRIなどの検査を受けるつもりだそうです。ただし、彼の医療保険にはMRI検査項目がないので、自費で1千ドルも払うのが気になる。
彼の友人は彼の悩み事を聞いてから、「悩まないで。先に私の中医学の先生に行ってみよう」と薦めて来たのです。
脈診では、沈微。
左関は少し弦脈。
舌苔を見たら淡。著しい腻沫苔。
心の中ではだいたい分かりました。
以下は彼への問診。
「めまいはしますか?」
「します、します」
「便通は悪いでしょう?」
「そうです」
「食欲不振でしょう?」
「そうです」
処方は白朮、蒼朮、ヨクイニン、半夏、ダクシャ、茯苓、陳皮、黄連、藿香(かっこう)、厚朴。6日分。
3週間後、彼の奥さんと娘さんが来ました。
奥さんはすごく綺麗な方。英語にはロシア語のクセが強い。
娘さんは13歳。
皮膚がおかしいくらい白かったです。
私は先に奥さんに聞きました。
「ご主人はどうですか?」
「とても喜んでいます。半分も飲んでないのに治りました。これはマジックですね!おかげで、彼は1千ドルも節約できましたよ」
私:「1千ドルだけではないかも知れません」
奥さん:「そうですね。このMRI検査をしても、また原因不明だと言われて、続けて検査をするかも知れません」
ご主人の病気の原因は痰と湿気。
証拠は脈診で脈が非常に沈。
舌は腻沫。
それ以外に胃の不調とめまい。
痰・湿気は、西洋医学の検査で出るワケがない。
100回のMRI検査をしても無駄です。
西洋医学の先生の収入が増える以外、私たちの税金を浪費する以外、何の役にも立たない。
アメリカのお金は、こんな役に立たないゴミテクノロジーに使われています。
この発言に、貴方はきっと反対するでしょう。
MRIがなかったら、腫瘍が見つからないじゃないか?
私は逆に質問したいです。
「腫瘍が見つかったら、あなたは治せますか?」
彼女の娘さん、13歳。
フィギュアスケート選手として素晴らしい。最近は中国の選手と会ったらしいです。
娘さんの病気は、伝染性単核球症(でんせんせいたんかくきゅうしょう、MONO病)だと診断されたそうです。
この病気は私も知っています。
アメリカのテニス選手:アンディ・ロディックもこの病気になったことがあります。これは以前の記事で書きました。
今この娘さんの症状はめまい、気持ち悪い、疲労感が強い、生理不順、頻尿若しくは尿が出ない、頭痛。
脈診では沈微、左関は弦細。
舌は赤くて潤いがある、舌苔は少ない。
解決策は簡単です。
当帰芍薬散+五苓散。
そして親子を慰めて、病気の原因を説明し日光浴をよく浴びる事を薦めました。
処方は6日分。
二人は喜んで帰りました。
李哲の感想:
頭を振ると頭痛が増える。
これは中焦(胃腸)に湿気が溜まっているからです。
偏頭痛は胆のうの経絡の問題。
経絡に詰まっているのは痰・湿気などの老廃物。詰まっているから痛い、渋滞がなければ痛みもない。中医学では『通則不痛、痛則不通』と言います。
「痰」、「湿気」は中医学でよく話す言葉。
簡単に解釈すると、痰になる前は湿気です。湿気が長い間そのままになると、練って痰になる。
痰は皆さんも知っているように、口から出るものです。痰は体内には確実に存在するもの。
しかし、レントゲン・MRIでは痰・湿気が見えません。どのくらいの量があるのか、どこに貯まっているのか分からない。
中医学は脈診、舌診などで分かる。そして、関連の治療もできます。
治療効果があるかないかは、患者さん本人が一番分かります。機械で検査する必要もない。
上記の患者さんは、症状が複雑ですね。
鍼治療の場合は、とりあえず1回目は全体的にメンテナンスを行い、2回目からはつらい症状が更に減って分析しやすいです。
私がよく使うツボは合谷、太衝。
この2つは、『開四関』と言います。
気と血、両方コントロールするので、全体的に治療ができる。
ほかにあるのは公孫、内関、中脘、関元。
公孫と内関は八会穴で、一つのセットになっている。胃、心臓、胸のすべての病気に効きます。
中脘は五臓六腑の『六腑』を統括する。関元は気力のもとなので、全体的の免疫力を強化。
三陰交、足三里、内関、合谷など、ほかにも大事なツボがたくさんあります。
ツボの選択肢はいろいろあるので、その時の状況を見て決めます。臨機応変は鍼灸の特徴ですね。