冷暖房について話したい(1)(2018-02-28修正)

日本に来てはじめてエアコンというものを知りました。
そのころまだ中国では、エアコンは普及していませんでしたから。

最初は、スイッチひとつで暑さ寒さをしのげるなんて、
先進的で、なんて便利なものかと思いましたが、
今はそうは思わなくなりました。

なぜなら、その利便性と弊害を考えるとき、
後者のほうが大きいことに気づいたからです。

 

ちょっと前までは、寒い冬も暑い夏もそれがあたりまえと思って
冷暖房などというものに頼らずに、
皆ふつうに生きていられたではありませんか?

それなのに今ではエアコンなしの生活は、
耐え難いほどまでに厳しいものになってしまいました。

原因のひとつは、地球環境が激変し、寒波や猛暑といった異常気象により
季節の運行が乱れ、気温差が激しくなってしまったこと。

そしてもうひとつは、エアコンが人間の体温調節機能を
決定的に弱くしてしまったことだと思います。

 

エアコンは体の体温調節に悪い

本来、人間の身体には、暑さ寒さに応じて
体温を自分で調節する機能がついています。

 

寒くなったら、皮膚が収縮し、体内の陽気を
外に逃がさないようにして内臓を温養していました。
また、暑くなったら、皮膚は拡張して余分な陽気を外に出して
身体を冷やしていました。

それがエアコンを使うことで、
陽気の自然な出入りがすっかり紊乱してしまったのです。

寒い冬には暖房をつけて室温を上昇させます。
身体があたたまるのは良いのですが、
あたたかすぎる温度により、空気中の水分(湿度)が
極端に少なくなり室内が乾燥します。

 

乾燥により、鼻腔や咽頭の粘膜が減少し、
邪気(ウイルスやホコリ・カビなど)が体内に侵入しやすくなります。
その結果、アレルギーやのどの痛み、咳などを誘発していしまいます。

東洋医学的に説明すると、「燥傷血」「燥傷陰」です。
血が薄くなりやすい、極端になれば「血燥生風」。

よくある症状はめまい、皮膚がかゆくなる、
目の乾燥感とかゆさ、怒りやすくなる。

 

長い冬の間中の暖房の使用で、春になって大量の花粉症患者が
出てくるのはただ花粉の飛散だけの問題ではないと思います。
(花粉症については、また別の章でお話しようと思います。)

「火が強くなりすぎて、水の働きを制する(水火不済)」
ということになるでしょう。
自然界でも、あまりにも乾燥が続くと、
森林から自然発火して大規模な山火事が起こったります。

これを防ぐため、加湿器を使用するということが考えられます。
しかし、タンク内に貯めた水を蒸気にして室内に噴霧すると、
長時間おいた水の中で繁殖した雑菌まで一緒に
空気中にばら撒かれてしまう危険性があります。

 

噴霧した蒸気が室内を均等に循環せず、
部屋の一部に滞って家具やカーテンなどに付着して
木材の変形やカビの原因になっているお宅を拝見したことがあります。

なかなか機械では、自然の働きのように
ちょうど良い気を、まんべんなく 全てに
ゆきわたらせるということはとても難しいようです。

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