大気圧はかなり強力ですが、皮膚の穴が
開いてくれないと、 中の物を吸い上げる
力は果たせません。
皮膚の穴は、力が通るルートなので、この道が
封鎖されて開かなかったら 何の意味も
ないのです。
つまり、環境によって皮膚の穴が自由に開い
たり閉じたりする機能が 弱くなっている人は、
吸玉(火罐)療法の効果が出にくいわけです。
今まで吸玉(火罐)療法の効果がまったく
なかった人の体質や 生活習慣を見ると、
いくつかの共通点があります。
一つは薬の使い方です。サプリメント、栄養剤も含めて。
(サプリメントと栄養剤に関しては、また詳しく別の章で説明します。)
薬の使いすぎで体の免疫力が低くなり、
体の一番外側の防衛線
(皮膚の穴を開けたり閉めたりする機能)が弱くなります。
とくにステロイド類の氾濫使用は
もっともよくないです。
自分の施術経験から見ると、長期間鎮痛剤や抗生物質、ステロイドなどを使用していた人は、ほとんど汗をかきません。
つまり、皮膚の穴は閉じたまま、老廃物を
汗によって出す機能が 低下してしまった
ということです。
これは体にそうとうよくない状態ですので
気をつけたほうがいいです。
二つはエアコン、とくに冷房の効きすぎです。
日本はいろんなところで便利ですが、
夏の冷房はちょっと効き過ぎではないかな
と思います。
体が熱くなって汗をかこうとした時、
強い冷房の寒気が当たって 、
発汗機能がシャットダウンします。
長い期間この状態が続くと、皮膚の老廃物排出機能が弱くなるわけです。
冷房の普及と、近年、発汗機能が弱く熱中症にかかる人が増えたのとは 関係があります。
冷房のもっとよくないところは、
体が汗をかこうとしたときに無理やり
止められると、 汗は行く場所がなくなり、
皮膚と内臓器官の間に残ります。
つまり、体にいらない廃水になります。
廃水が溜まって淀んでいる場所は、生き物がどうなっているか、 周りの環境を見れば皆さんもよく分かると思います。
人間の体は、自然環境と同じです。
「廃水がたまってもいい、今だけ涼しくしてくれ!」と考える方もいるでしょう。
自己責任ですから、それはそれでいいと思いますが・・・
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