右脇下から肩まで痛い男性、一日で治った。恐怖症・不安障害のお母さんと排尿痛がある娘さんは、同じ処方で治せる

【※本記事は2019-08-05更新しました】

 

こんにちは。李哲です。

今日は倪海夏(ニハイシャ)先生の治療日記の翻訳文です。

 

中国語本文のリンク先は、

母女同治與腹痛急診

 

 

恐怖症と不安障害のお母さんには、烏梅丸と四逆湯を処方

昨日の28/04/2006。

夫婦の二人が診察に来ました。

 

お父さんは昔からの患者さん。

どんな小さな不調でも、すぐ私を探しに来てます。

 

昨日は奥さんと娘さんを連れてきました。

お父さんに針を刺したあとの20分を利用して、奥さんの診察をしました。

 

奥さんはひどい恐怖症と不安障害があり、とても痩せていて顔色蒼白。両目は非常に緊張していて、何かを恐れている感じ。

 

呼吸は浅くて、左肩と左首が痛い。

押してみたら一番痛いツボは「膏肓」。

 


 

脈診は弦.無力。

問診で分かったのは、

  • 不眠症
  • 体力無い
  • 食欲はまだ良い
  • 体はよく寒くなる
  • 生理は2週間に1回
  • 一回だけ便の中に虫がいた
  • 両足は氷みたいに冷たい
  • 便通は一日3~4回、よく下痢をする

 

奥さんの職業は看護師、病院で働いています。

奥さんの病気は、パッと見ただけで「厥陰症」であることが分かります。

 

処方箋は「烏梅丸」。

他に煎じ薬は、四逆湯をアレンジしたもの。

細辛10g、生のトリカブト15g,炙甘草など。

 

f:id:li-hari:20180814224938j:plain

左の茶碗に入っているのが、烏梅丸で使う梅。一番酸っぱそうな梅を選んで、さらに3日間お酢につけてから使います。どのくらい酸っぱいか分かるでしょう。


背中の「膏肓」あたりの痛みは、治すのが簡単です。

私の鍼灸DVDを見た生徒さんは治療法が分かるはず。どんなに長年の痛みでも、1~2回で治ります。

 

排尿痛がある娘さん、西洋医学の先生は誰も原因が分からない

 

奥さんの診察を行う時、抱いている3歳の娘さんが気になりました。

 娘さんの両目下は赤色、赤色下は青黒い。

 

だから、私は奥さんに聞いてみました。

「娘さん、腎臓に問題があって、小便の時痛いでしょう?」

 

寝て針を受けてるお父さんが話しました。

「娘は小便の時に、ずっと痛がっています。

小児科の先生は、なぜ痛いかが分からないそうです。」

 

奥さんは娘にワクチンを一切受けさせてないそうです。確かにこの子はBlue card(ブルーカード。李哲の解釈:アメリカで申し込むと、ワクチン接種を拒否することができるカード)を持っていました。

 

奥さんは看護師。今までたくさんの人がワクチン接種をして、効果があるところか、逆に終身障害になったのを見てきてる。だから、奥さんはワクチン接種をさせてないでしょう。

 

しかし、娘が生まれてからの小便痛は、どうにもならない。

お医者さんたちは、みんな治療法が分からないそうです。

 


 

私「貴方の治療と一緒に治せますが、受けてみますか?」

奥さんは頷きました。

 

私「今回はナイスチャンスです。

何故かと言うと、貴方親子の処方はとても似てるから。煎じ薬は苦くてまずいけど、飲む時に子どもに見せながら美味しそうに飲んでほしいです。

 

子どもが飲みたい!飲みたい!と言ってもあげないで。

2回断ってから、3回目に飲みたい!と言った時に、2匙分を上げて下さい。

 

子どもは一気に飲み干すと思います。

この方法じゃないと、子供はきっと拒否して飲まないでしょう。」

 

このような先天不足からくる病気。中医学の治療では簡単です。

難しいのは、まずい漢方薬を子供が飲んでくれない。

 

この母子の治療には、必ず生のトリカブト(附子)が必要です。

 

f:id:li-hari:20180506172606j:plain

トリカブト(附子)の画像。重症の冷え症、癌などを治すときに必ず必要な生薬です。


この生薬は経方家にとって、日常茶飯事。

しかし、現代中医学の先生は死ぬ日までトリカブトを使ったことがない。子供に使うなんて、彼らには想像もできないこと。

 

怖がっていてすぐ病院に送りたがる。

病院側に「治せません!」と言われて来たのに。

 

私は奥さんの処方箋に2つの生薬を加えました。

奥さんには役に立つし、それより娘さんにとってはとても大事な生薬。

 

一石二鳥の処方箋です。

私の話を聞いたお父さんは、ベットで大笑いしてました。

 

(西洋医学の先生と製薬会社、あなたたちはできますか?

できないなら中医学を尊重して下さい。

 

人の命は千金でも買えません。

正しい医学を支持して下さい。)

 

右脇下から肩まで痛い男性、一日で治った

 

当日の午後。常連さんのアメリカ人が来ました。

右脇下がとても痛い。痛みは上の肩まで広がっているそうです。

 

私は冗談を言いました。

「なんで救急車で病院に行かないですか?」

 

彼は痛すぎて、声まで小さくなってました。

「死んでも行かない。行ったとしても何も変わらないでしょう。半殺しされるかも知れないです。痛みの原因も分からないし、どうせ鎮痛剤だけでしょう…」

 


 

以下の陳述。

人紀クラスの生徒さんのみ見てください。

 

彼を仰向けにさせて、左手の「肝関」を刺し、呼吸補瀉法を行ったけど痛みはすぐ変わってない。

 

針を出して、今度は左足の「胆石点」を刺した。

痛みは相変わらず消えない。

 

ここで私は確認しました。

彼は肋骨損傷も胆石症もない。

 

続いて痛いところを触ってみたら、熱くもない。

ここで判断できるのは、腹膜炎でもない。

続いてお腹を押してみたら、ぐるぐるの音が聞こえる。

 

ここで最後の結論が出ました。

 


 

彼はきっと急に驚かされて、上行結腸の大便が急に上がり、横行結腸との接続部位に挟まれてる。ちょうど「章門穴」辺である。

 

「章門穴」は脾の墓穴でもあり、臓の会穴でもあります。

脾は下腹部を管理し、湿気をコントロールし、土なので水もコントロールしてます。

 

彼は驚きで気がつまり、脾臓はちゃんと働けないから、大腸中の水と便が分離して水が腸間膜に染みこんで、腹腔の圧力が増えたから心臓の痛みなど出てるわけ。

 

これは、経方中の「己椒歴黄丸」で治せます。服用前、必ず5gの芒硝を溶かして、その水で丸薬を飲むこと。

 

f:id:li-hari:20180515160339j:plain

芒硝(ぼうしょう)の画像:見た目は塩に近い。

私は彼に2回分だけ渡して教えました。

「帰ったあとに1袋、寝る前に1袋の飲むと、最初はすごい下痢になり、その後普通に大便が出るはずです。便が出た後でも痛みがあったら、明日また来てください。

 

私は常に診療所にいるので、予約なしでそのまま入ってきても良いです。もし治ったら来なくていいです。」

 


 

今日の午前中、彼の姿が現れていません。

治療結果はどうなったか、皆さんは分かるでしょう。

 

このような治療例はたくさんあります。

 

鍼灸師は一つ分からないといけない。

正確なツボは大事。

ツボは診断に使えるし、治療にも使えます。

 

(西洋医学は炎症とがん細胞しか分からない。炎症もがん細胞もなかったら、彼らはなんにもできない。)

 

人紀クラスの生徒さん、上で話した「己椒歴黄丸」は経方家が使うもの。現代中医は芒硝を見ただけで怖がります。

 

上の診断は鍼灸の経絡と黄帝内経の理論を分かって、その後は経方(傷寒論の処方箋)で一発勝負の効果が出る境界に達します。