1週間の漢方薬で中耳炎は完治し、てんかん発作は1日80回から5回まで減った。激しい頭痛はモルヒネで治るところか、逆に不眠症・便秘の症状が増える。

【※本記事は2021-03-22更新しました】

 

こんにちは。李哲です。
倪海厦(ニハイシャ)先生の治療日記を翻訳しました。中国語本文のリンク先は、癲癇 (06/28/2006)

 

抗てんかん薬よりも漢方薬が効く。中耳炎・激しい頭痛にも西洋薬より漢方薬の効果が良いことを知ってください。てんかんの漢方薬治療を希望する方は、台北市内の中医学診療所がオススメ。以下の記事で詳しく説明しています。

 

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1週間の漢方薬で、1日のてんかん発作が80回から5回まで減った子供

06/28/2006、晴れ。

患者さんは2歳の白人子供。

 

お母さんの陳述によると、生まれてから癲癇(てんかん)だそうです。てんかんは1日80回くらい発作。カルテを見たら今飲んでいるのは、てんかん発作を抑えるLamictal (ラミクタール)。

 

先週は初診で、今日が2回目の診察。

初診の時、主な症状は

  • 便秘
  • 体は興奮状態になり顔は真っ赤
  • 両耳はずっと中耳炎、抗生物質を飲んでいるけど全然治らない

初診の時、私は「控涎丹」 を出しました。

中耳炎を治す外用薬は、耳に吹いて入れる粉薬。同時にすべての西洋薬を止めて、漢方だけ飲むように指示しました。

 

今日診察にきてお母さんが言うのは、「最初西洋薬を止めさせた時、とても怖かったです。てんかん発作がもっと酷くなるのではないかと心配してました。

 

漢方を飲ませたらたくさんの便が出て、同時に痰もたくさん出てきて、頻繁に起きたてんかん発作は少なくなりました。

 

以前は西洋薬を飲まないと、てんかんは1日80回以上発作。西洋薬を飲んでから、半分に減って1日40回くらい。西洋薬を止めて漢方だけ飲んだら、発作は5回くらいです。

 

お母さんは完全に安心してました。

漢方を飲んだほうが圧倒的に効果があるから。

 

▼李哲の説明:てんかんは漢方薬治療が多いですが、鍼灸でも治した例があります。以下の記事では、てんかんの原因も詳しく説明しているので、どうぞご参考に。

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今日、私は特別にお母さんに質問しました。

「てんかん発作の時、子供は前に曲がりますか、後ろに曲がりますか?」

 

お母さんの答えは、前に曲がる。

これは中医学の「柔痙」に属します。だから、処方箋は「括蔞桂枝湯(か ろうけいしとう)」 を出しました。

 

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【▲ 桂枝の画像】

 

傷寒雑病論』の処方箋は、とても効果が素早くて強いです。体に合っていれば、すぐ効果が分かります。

 

上記の「控涎丹」 、生薬に詳しくない人は勝手に使わないでください。なぜなら、生薬の組み合わせ・生薬の品質など関係して、子供と大人の使用量はまた違うからです。経験がある先生に診てもらってください。 

 

▼李哲の説明:「控涎丹」 の症例は、ほかにもあります。同じてんかんの子供。以下の記事、どうぞご覧ください。

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抗生物質でも治らなかった中耳炎、1週間の「麝香礬石散」で完治

 

お母さんは子供を連れて先日小児科で診察して来たけど、先生が言うのは「中耳炎も治っているから抗生物質も要りません。」

 

お母さんは、病院の先生の話を聞いて笑ったそうです。

漢方薬を飲み始めてから、抗生物質は一切使ってない。

小児科の先生は、彼女たちが抗生物質をやめた事も知らない。

 

中耳炎が治ったのは、完全に漢方薬のおかげです。これはまた、中医学が西洋薬を勝った事例。

 

中耳炎治療に使ったのは、当院の「麝香礬石散」。

この処方箋、中国ではすでに500年以上使われています。

 

麝香は香りがとても強くて、強力な生薬。皆さんは勝手に飲んだりしないでください。

もし中耳炎が治らなかったら、近くの漢方医に診てもらってください。それ以外だとアメリカに来てもらうこと。 

 

▼李哲の説明:中耳炎は漢方薬以外、鍼治療でも治せます。以下は私の症例、参考になると幸いです。

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激しい頭痛は、モルヒネで治ったところか、不眠症・便秘が増えて肝臓まで痛くなってきた

今日来た初診の白人女性、45歳。

主訴は激しい頭痛。

 

当院では毎日頭痛の患者さんを診ています。

しかし、彼女は一番ひどい。

 

彼女は頭痛を治めるために、2種類のモルヒネを使っていました。しかし、8割の頭痛しか抑えられなくて、残りの2割はどうしても治らない。

 

モルヒネは肝臓を壊すので、彼女は不眠症になり、睡眠導入薬も飲まざるをえない。また、モルヒネの副作用でひどい便秘になるので、毎日6錠以上の下剤を飲まないと、全然便が出ません。

 

▼李哲の説明:治療すればするほど病気が増える。これが西洋医学の特徴です。ニハイシャ先生は様々な症例で説明しました。以下がその一つ、参考になると幸いです。

 

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彼女は現在、頭痛以外に不眠症。

そして、右脇腹の肝臓のあたりがとても痛い。

 

私は検査したけど、胆のう点は圧痛がなかったです。なので、胆のう結石ではない。肝臓のあたりが痛いのは、きっと毎日モルヒネを飲んでいるから肝臓がやられて、肝臓のあたりが痛くなったのです。

 

つまり、頭痛のために飲んだ薬で肝臓がやられ、最後は肝臓がんもしくは肝硬変になります。

 

▼李哲の説明:鎮痛剤の乱用は、甚大なダメージを受けます。たとえば難病指定の全身性エリテマトーデス、鎮痛剤の飲みすぎが大きな原因。以下の記事で説明しているので、どうぞご覧ください。

 

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彼女は頭が全部痛い頭痛でした。

原因は体内がとても冷えているから。喉も渇かないし、身体が寒くて両足は氷みたいに冷たいのが名証です。

 

体内の冷えを取る漢方薬以外、また針を使いました。

  • 百会
  • 前頂
  • 涌泉

これは全部の頭が痛い時、一番有効なツボです。

 

(おわり)