【※本記事は2021-06-25更新しました】
こんにちは、李哲です。
何回か質問を受けたことがあります。
「食べ物に気を付けているし、運動もしている。こんなに気を使っているのに、なぜ五臓六腑がダメになったでしょうか?」
身体は複雑なシステムなので、健康に良い食べ物を取れば健康になるとは限らない。病気で早死になったスポーツ選手も多いです。
健康を守るためには、様々な要素があり、1種類だけではない。どんな要素を守れば、健康な状態をキープできるか?そのためには、人間はなぜ病気になるのか?を分析しないといけません。
今日は中医学の理論で、病気の原因に関して述べました。重点は、喜怒哀楽(ストレス)と病気の関連性です。
体調不良(病気)になる3つの原因
中医学の理論では、病気の原因は以下のようなものがあります。
1.内因性:
七情、飲食、房室労傷が含まれる。
2.外因性:
六淫、疫気が含まれる。
3.不内外因性:
内因性でも外因性でもないもの。
以下は1個ずつ説明していきます。
内因性
内因性には七情、飲食、房室労傷、この3つがあります。先に、飲食と房室労傷を解釈して、七情は後ほど詳しく説明します。
房室傷、労傷(性行為のやりすぎ、過労)
「労傷=過労」
過労は、もちろん五臓六腑を壊します。昔の金持ちは、運動不足で体がさびて病気になっていました。人間は動物なので、適当な運動が必要です。(過度ではなくて、適当な運動)
中医学のオススメの運動は、なるべく歩く。
年をとると、いろんな運動ができなくなります。サッカー.バレボール.バトミントンなど。しかし、歩くのは何歳になってもできる。そして、負荷が一番少ない。
もちろん歩くだけで、健康になるとは限らない。
運動の中でオススメとして、歩くのが一番良いと言うだけです。
「房室傷」というのは、性行為のやり過ぎ。
簡単に説明すると、男性の精子というのは、腎臓エネルギーの精華です。たくさん使うと腎臓が早めに枯れて、寿命も縮まる。早い段階で、様々な不調が出て悲惨な晩年を過ごす。(中医学では、腎臓が強ければ長生きすると言います。)
性行為の回数に関しては、4文字でまとめることができます:ほどほど。病気治療中、性行為を節する必要性に関しては、以下の記事で詳しく書いてあります。
飲食
口に入れる食べ物は、直接内臓に入るので、質が悪い食べ物だと病気の元になります。
プライブケア禁止物 をうるさく言うのも、食べ物が体に対しる害を最小限にする為です。
「人生短いし、好きな物をなんでも食べて死ぬんだ!」と主張するそこのあなた。
それはあなたが病気になってないから、
地獄級の苦しみを味わってないから言える事です。
そして、食べる量。
昔から伝わってきた「腹八分目」
これは何時の時代になっても正しい理論です。いくら健康に良いと言われるものでも、ほどほどにしてください。
腹八分目などに関しては、以下の記事でも討論しています。参考になると幸いです。
外因性
外因性には「六淫」と「疫気」、2つがあります。みんな患者本人がコントロールできない外部環境です。
六淫(外部気候)
詳しくいうと、風、寒、暑、湿、燥、熱の6個。外部環境(気候)の変化です。
例えば、寒い風に当たって風邪を引いた。
暑すぎて熱中症で倒れた。
湿気が多い環境で働いて、関節痛が生じた。
気候の変化で関節痛が生じるのは、漢方薬もしくは鍼灸で治ります。以下は一つの例、参考になると幸いです。
疫気(えきき)
これも外部の環境の変化から来るものです。主に大流行の伝染病を引き起こす気候。
例えば冬なのに暑い。
細菌・ウィルスなど活発になりやすいので、伝染病も流行る時期です。
豚インフルエンザ、SARS(重症急性呼吸器症候群)、インフルエンザなど、様々な伝染病が疫気に属してます。
一般人は鍼灸・漢方で伝染病が治る事を知らないです。報道するのがとても少ないから。実際に、鍼灸・漢方薬の効果は著しいです。以下は一つの例、参考にしてください。
不内外因性
毒蛇、毒虫に噛まれた。
車事故で内臓が破裂して大出血
スポーツ競技で靭帯損傷、骨折…など。
厳密にいうと、不内外因は病気ではなくて、「けが」です。けがは中医学でも治療できるけど、西洋医学がもっと得意かも知れません。
- 脱臼.骨折した時に形を復元する。
- 切れた血管をつなぐ。
- 虫歯で壊れた歯を新しく作って入れる。
- 事故で手足を失った時に義肢を作って入れる。
… …
こんな時は西洋医学が良いです。
テクノロジーだから。
ただし、一つ混同しないでほしいのは、
病気は内科のもの。
ケガは外科のもの。
2つは全然違う分野です。
具体的な形を修理する外科手術は、内科には適用しません。
なぜなら、西洋医学は内臓がどうやって一つのシステムになって、動いているかも分からないからです。
内臓の病気を西洋医学に治療してもらうと、つらい自覚症状がどんどん増えるだけ。
たとえば癌。
治療すればするほど悪化して、あの世行き。
例外がありません!
臨床で乳がんの治療比較があります。
漢方薬と病院の治療、どちらが良いかは皆さんの判断にお任せします。
体調不良と感情の乱れ(喜怒哀楽)との関係
七情!
これが一番話したいものです。一般的に言う七情は、喜、怒、哀、惧、愛、悪、欲。もっと簡単にいうと、七情は日常生活での「喜怒哀楽」です。
「怒る.悲しいと病気になる?」
「嬉しいのも病気になる?」
中医学を知らない方は、きっと不思議だと思うかも知れません。
喜怒哀楽は、五臓六腑があるから生まれる
次は理由を説明します。
中医学の理論では、喜怒哀楽は五臓六腑があるから生まれる感情です。
五臓六腑は感情が生まれる土台。変な意味でいうと、あなたがもし五臓六腑がなかったら、「喜怒哀楽」の気持ちもない。
五臓六腑と感情の具体的な対応表は、以下のとおりです。
- 肝臓があるから、怒りの気持ちが生じる
- 心臓があるから、嬉しい気持ちが生じる
- 肺があるから、悲しい気持ちが生じる
- 腎臓があるから、志があったり、恐怖心が生じる
- 脾臓があるから、誰かを思ったり、仕事するとき集中力がある
五臓六腑と気持ちは、お互いに影響する
臨床でいうと、
肝臓に問題がある時は、怒りやすくなる。
肺に問題がある時は、悲しくなりやすい。
… …
逆のパタンですが、
- たくさん怒ると、肝臓に悪い
- 悲しすぎるのは、肺に悪い
- 恐怖心は腎臓に傷つける
- 考え過ぎると脾臓に傷つける
- 嬉しすぎは心臓に悪い
ニハイシャの漢方薬症例には、気持ちが病状に対する影響を書かれています。以下の記事、参考にしてください。
乳がんを悪化させる過度な心配症、前立腺がんを作り出すビタミン剤。余命3ヶ月の肺がん+悪性脳腫瘍の女性は漢方薬を飲んで、いまだに生きている。
歴史上で有名な例え話をあげると、「一夜にして白髪になった」マリー・アントワネットのエピソードがあります。
ネットではあり得ないと言いますが、中医学の理論から見ると十分あり得る話。極度の恐怖は腎臓を壊すので、一晩でも白髪になります。
五臓六腑と感情は、お互いに影響があります。例えばよく怒ると肝臓がやられて、肝臓がやられたから更に怒りやすくなる。悪循環です。特に女性の生理とイライラ・怒りっぽいのは、肝臓との関連性が強い。
中国語は感情を表す時に、気とか臓器の名前をよく使います。例えば日本語でいう怒る→中国語では「生気」と言います。現代の言葉でいうと、エネルギーをたくさん消耗する。
怒鳴った後ぐったりなるのは、たくさんのエネルギーを消耗したから。
日本語の嬉しい→中国語では「開心」と言います。
日本語で勇敢な人→「胆大」。気配りが繊細な人→「心細」と言います。
日本語でいう悲しい→中国語では「傷心」と言います。心臓を傷つけるの意味。
臓器の働きは、西洋医学の理論でいうと自立神経の働きなので、自分の意識でコントロールするものではありません。自分の意志で心臓を止めたり、汗を出せたり、胃を動かしたりはできない。
しかし、我々は感情をコントロールすることで、内臓の状態を変えることができます。
気持ちを変えることで、五臓六腑の病気を治せる
気持ちの持ち方は養生にも関わるし、病気の治療にも使います。例えばイライラして肝臓がやられた人には、涙を流す感動の映画を見せれば、スッキリになる。
悲しくて泣くのは、肺の働きです。
肺は陰陽五行論でいうと「金」。
肝臓は「木」。
金は木に勝つ。
だから、スッキリなれる。
なぜストレスを溜め込んだとき、泣くとスッキリなるか?
泣くことで、金が木を伐採して、木(肝臓)が減るから身体はスッキリになるのです。
悲しいこともないのに、原因不明で泣くのは病態。漢方薬もしくは鍼治療を受けてください。
何でもかんでも「ストレス」にする西洋医学
現代人に多いと言われてるストレス。
今とても都合が良い言葉になっています。原因不明の病気だと昔は「遺伝ですね!」とか言ったけど、今はストレスが流行ってる。
原因不明の頭痛だったら、「ストレスが溜まっているでしょう。」
原因不明の肩こり.首痛だったら、「ストレスが原因でしょう。」
原因不明の倦怠感だったら、「ストレスが原因でしょう。」
その結果、抗うつ薬や抗不安薬が売り始め。精神科の薬が氾濫し、おかしくなる患者さんが更に増える。
中医学では、感情と五臓六腑の繋がりが明確なので、精神がおかしくなった患者さんは、どの臓器で起きたかがわかり、関連の治療をします。なんでもかんでも、ストレスが原因だと言いません。
恐怖・不安を煽る健康診断は要らない
病院のの健診を反対する理由の一つ。
健診は恐怖心を煽るだけで、何の役に立たないからです。
病気の名前を知って、嬉しいですか?楽しいですか?癌だと言われたその日の夜からは、恐怖心で眠れなくなる.ご飯が食べられない人もいます。
知らなければ、いつもの生活ができたのに。恐怖心で腎臓に傷つけるだけではなくて、心臓.脾臓なども壊す。
だから、健診はしない方がマシ。患者さんは自分の病名を知らないほうが長生きします。
健康診断の本質と、その必要性に対する疑問をぶつけたことがあります。質問は以下の記事で詳しく述べているので、参考になると幸いです。
食事・運動に気をつける以外、穏やかか気持ちを持つのも大事
上ではいろいろ書きましたが、要約すると以下のとおりです。健康を維持するのには、食べ物はもちろん運動も重要なポイントです。また、穏やかな気持ちを保つのも非常に大事。
日本でも「病は気から」と言いますが、深い意味があるのです。怒らない、悲しまない、怯えない…そうすると、より良い健康状態が維持できます。
上記のポイントを守ったけど、不幸にも病気になった時、慌てないで信頼できる鍼灸医・漢方医に治してもらってください。
中医学の鍼灸・漢方はあなたの自覚症状を読み取り、どの臓器・経絡に問題があるのかを判断し、相応の治療をします。結果的には副作用もなくて、あなたの自覚症状も治ります。
(おわり)