全身性エリテマトーデス(SLE)を完治し、全身の紅斑が消えて睡眠の質・食欲が良くなり、体力が回復した漢方薬症例

【※本記事は2020-03-14更新しました】

 

こんにちは。李哲です。
倪海夏(ニハイシャ)先生の治療日記を翻訳しました。

中国語本文のリンク先は、紅斑性狼瘡案例

 

全身性エリテマトーデス(SLE)は漢方薬で完治できるので、漢方薬治療を希望する方は台湾の中医学診療所を薦めます。私が研修に行ったことがある病院で、信頼できる先生たちです。電話番号などの情報は以下の記事をご覧ください。

 

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全身性エリテマトーデス患者の症状と病気の原因

 

08/31/2007。
初診。

患者さんは白人女性、67歳。

地元の病院で、「全身性エリテマトーデス(SLE)」だと診断されました。

彼女はSLEだと診断されて、すぐ取った行動はこちらにきたこと。なので、彼女は西洋医学の治療をいっさい受けていません。

彼女の主訴は以下の通り。

  • 体重は5kg減少した
  • 全身に紅斑が広がり、正常な皮膚はないくらい
  • 3か月続いて、髪の毛が抜けている
  • 唇周りは乾燥して赤くなり、熱くて痛い
  • 耳の中は非常に乾燥して熱い


ほかに問診で分かったのは、

  • ひどい不眠症
  • 口中は乾燥している
  • 便通は良い
  • 冷たいものを飲みたがる
  • 両脚は氷みたいに冷たい
  • 食欲は良い
  • 不思議なのは、お腹空いたときに何かをすぐ食べないと必ず頭痛になる


脈診では数、大。
舌診では中黄湿。周りは濃い赤色。
督脈を押してみると、第五番下に圧痛点がある。

私の診断は、寒熱が混ざっているタイプ。
眼診から分かるのは、肝臓の毒素が多い

肝臓に毒素が溜まって、体内に余分の母乳が溜まっている。そして、心臓が弱くなり、毒素と母乳が逆流して心臓に入ったのが、彼女の全身性エリテマトーデス(SLE)の原因です。

 

1回目の処方箋と説明

 

肝臓病を治すとき、患者さんは全身に赤い発疹が出ます。これは肝臓の毒素が、体内から出てくるから現れる現象。逆にこの症状を根拠にして、処方箋が書けます。


私の処方箋には、柴胡、ウコン、オウゴン、竜胆草、茵陳、梔子で肝臓の毒素を解毒。

 

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【▲ 黄芩(おうごん)の画像 】

 

山薬、ヨクイニン、茵陳、芡実で脾臓を強化し、唇周りの乾燥を治して陽気を強化できる。

 

連きょう、銀花、蝉の抜け殻、蛇の抜け殻、杏仁で皮膚のかゆみと固くなっている皮膚を治す。

酸棗仁、牡丹皮、芍薬で、きれいな血液を肝臓に戻して、不眠症を治すことができる。

 

上記の処方箋を2週間分出しました。

 

▼李哲の説明:不眠症に関して、鍼治療の効果も良いです。以下は疲れているのに眠れない女性。鍼した夜から寝られるようになりました。

 

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2週間後は体の紅斑が半分減って、睡眠は良くなった

 

09/12/2007。
彼女の報告: 

  • 赤い皮疹は、半分くらい減りました
  • 髪の抜け毛は変化ない
  • 睡眠は良くなった
  • お腹が空くと頭が痛いのはまだある
  • 唇周りはまだ乾燥している


診断から分かりますが、進歩はしています。
ただし、体内の冷えはまだまだある。

 

追加した生薬は、生のトリカブト3銭、呉茱萸3銭、乾姜2銭、当帰3銭、側柏葉5銭。また2週間分を処方しました。

 

▼李哲の説明:臨床ではコーヒーを止めただけで、睡眠の質が変わります。すでに検証した女性がいるので、どうぞ以下の記事をご覧ください。

 

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4週間後は食欲、睡眠は良くなり、足が熱くなるときがある

 

09/27/2007。
前回の漢方薬を飲んでから、

  • 胸がたまに苦しくなる
  • 食欲と睡眠は良くなった
  • 髪の毛が抜けるのは、まだある
  • 耳中の圧力は、まだ大きい
  • たまにドキドキする
  • 両足はまだ氷みたいに冷たい。でも、たまにすごく熱く感じる


私が追加した生薬は、半夏4銭、代赭石三銭、熟地黄3銭、桂枝4銭、天南星4銭。2週間分を処方しました。

 

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地黄(じおう)の画像

 
8週間後、体の紅斑は全部消えて、体力はだいぶ戻ってきた

 

10/23/2007
彼女はお金がなくて、診察に来れなかったそうです。

今日来て話したのは、

  • 体力はだいぶ戻った
  • 睡眠は良い
  • 両足はまだ冷たい
  • 胸はたまに苦しくなる
  • 左の偏頭痛と目が痛い
  • ドキドキするのはまだある


でも、全身の紅斑は、全部消えています。
第五番胸椎下の圧痛もなくなりました。

もしこの時、西洋医学の診断を受けたら、全身性エリテマトーデス(SLE)はもう治っているはず。

しかし、中医学の基準から見ると、彼女の回復はまだ時間が必要です。なぜなら、両足がまだ冷たいからです。

 

▼李哲の説明:足が冷たいと健康状態が宜しくないです。ほかにもチェック項目があるので、どうぞ以下の記事をご覧ください

 

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中医学の健康に対する基準は、西洋医学よりも厳しい

 

我々は患者さんの両足が温かくなるまで、治療しないとダメです。そうじゃないと、病気の根本を切ることができません。

彼女の回復が早かったのは、病院の薬を飲んでないのが主な原因です。

一般的に西洋医学はSLEを治すとき、ステロイド剤でコントロール。

ステロイド剤は一時的に効果はあります。
でも、後々で中医学治療の邪魔になる。中医師の難治度が上がって、不治になるケースもあります。

西洋医学の先生たち、もしSLEの患者さんを見たら、直接中医学の治療に任せて下さい。治療の難治度も上がらないし、治療のタイミングを逃さない。患者さんの救いになります。

(生徒さんへ託す言葉は省略)

李哲の感想

 

臨床で私も膠原病、全身性エリテマトーデスを診たことがあります。
足つぼ.整体で治すまでは行かなかったけど、症状を緩和して楽にさせることはできました。ただし、効果は期待したほど著しくない。

患者さんは薬を止めるのが怖くて、完全に止めてないから。なにかちょっと不調が出ると、すぐ西洋薬に手を出したがる。

もちろん、足ツボ.整体の効力が鍼灸.漢方薬より弱いのも関係があります。

ツボを知っているのに、鍼灸が使えない!
悔しいのもありますが、来年卒業して鍼灸院になった時、今より治療効果が出るように頑張りたいと思います。