【※本記事は2019-09-13更新しました】
こんにちは。李哲です。
コレラだと皆さんは恐ろしい伝染病を思い出すでしょう。
有効な治療法がなくて、たくさんの死人が出る怖い病気…
昔の中医学には、有効な治療例がないのか?
『古今医案按』(兪 震 著)には、コレラの治療例があったのでご紹介します。
以下の図は、中国語の原文をスキャンしたもの。
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これを見ると、喉がとても渇く時に五苓散を処方し、その後はほかの生薬を追加したり、全然違う処方箋を使ったりしています。
途中で丹田(つまり気海穴)にお灸をたくさんしたら、縮まった陰のうが少し戻り、冷たくなった手足が少し暖かくなった。
その後は附子理中湯。
その後は、喉が熱くてたまに昏睡状態だったので、竹葉石膏湯で完治。
この治療例は、漢方薬とお灸の併用で、コレラを治した例です。
附子理中湯の使用例は以下の記事もあるので、どうぞご参考にして下さい。
コレラは昔からある伝染病で、現代のものではない。
『黄帝内経』にはすでに「霍乱」(現代でいうコレラに近い)が書いてあったので、コレラはおそらくもっと昔からあったと思います。
中国の昔は、コレラで死んだ人はもちろんたくさんいます。
理由の一つは、飲用水の汚染(不衛生)。
もう一つは、治療ができる漢方医が少なくて。
中国でたくさん死人がいるから、中医学で治療ができないことではない。
昔は情報伝達が乏しかったので、治せる方法を知らなかっただけです。
他の例をあげますが、狂犬病だと発作したら100%死亡だと言います。
しかし、中医学の漢方薬・鍼灸は治せるのです。
今はコレラと言われたら、すぐ隔離されて西洋医学の治療を始めます。中医学の治療を求める患者さんは、おそらくいないでしょう。
私はコレラ患者さんを治療した事がありません。
しかし、治療する場合は、以下のツボを考えます。
足三里。上巨虚。内関。天枢。関元。公孫など。
特に公孫と内関の組み合わせは、激しい嘔吐.吐き気などにとても有効です。
お灸はもっと強力なパワーがあるので、鍼をする同時にお灸をします。
お灸の場所は、へそ。
へそに塩を埋めて、その上で大きなもぐさを置いて、連続でお灸します。
コレラの主な症状は、猛烈な嘔吐と下痢で、最後は脱水状態になって死にます。
へそにお灸をすれば身体が全体的に暖かくなり、下痢が止まります。
鍼をすると吐き気と嘔吐が治り、腸の働きも良くなってくる。
漢方薬があれば更に良いですが、鍼灸しかない場合は、以上の方法で対策になると思います。
漢方薬で激しい嘔吐を治した例が1つあるので、どうぞご参考にして下さい。
最近ネットで見たニュース。
イエメンではコレラで1000人以上の人が死んでいる。その半分以上が子供。
本当にお気の毒です。
早く収まる事を祈ります。