【※本記事は2019-06-16更新しました】
こんにちは。李哲です。
今日は孫培栄先生の鍼灸症例の翻訳文、最後には私の解釈があります。
症例1:16年の疾患、3回で完治
陳さん、女性、54歳。
江西浮梁県出身。
住所は台北市信義路3段。
喉に何か詰まって、胸に寒い気が詰まっている感じ。
年数が経ってから、よくむせたりゼーゼーしたりしました。
1967年1月6日に治療しに来ました。
病気のきっかけを聞いたら、彼女が言うのは、1951年風邪を引いたときにスイカを食べ、その後から喉に何か詰まる感じがして吐いても出ないし、飲み込んでも中に入らない。
胸が詰まる感じもして、時々呼吸が苦しくなり胸を叩きたくなる。叩くと少し呼吸が楽。発作してから今日まで、すでに16年経っています。
いろいろ病院に行って検査.治療したけど無効。
西洋薬も漢方も、いろいろ飲んだけど効かなかったです。
たくさんの名医に診てもらっても治らないから、私は「奇病」だと思いました。
刺したツボは上脘、中脘、公孫、内関、列缺、照海。
3回で16年の疾患が完治できました。
症例2:喉になにか詰まる症状、11回で完治
孫☓康、19歳。
山東省莱陽出身。
住所は台北市克難街。
喉に何か詰まる症状が、何年も続いています。
12月29日、お父さんの同伴で治療しに来て、11回で完治しました。
李哲の感想:喉がつまる自覚症状は、ストレスが大きな原因
喉のつかえ、違和感は中医学で「梅核気」だと言います。
日本語で以下の言葉の表現があります。
喉が詰まる、、ヒステリー球(梅核気)、咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)。
この病気は、喉に何か詰まる症状が特徴。
本当に何が詰まったのではなくて、患者さんの自覚症状です。
詰まるのは中医学でいう「気」と「痰」です。
西洋医学の機械で喉の中を見ても、「気」とかは見えないので、原因が分からないのは当たり前。
中医学での主な原因は、考え過ぎ、悩み過ぎ。つまり、精神的な原因が大きいです。
上の例1を見ると、精神的なものから来るのではなく、風を引いた時にスイカを食べたのが原因っぽいです。
原因はどちらにせよ、治療は同じツボ。
上脘、中脘は胃腸の調子を整える。
胃腸の調子が良くなれば、痰のもとがなくなるので、痰が徐々に減る。
公孫と内関。
列缺と照海は八会穴。
ほぼ全身の治療ができる、強力な八会穴のツボセットです。
以前、このような患者さんを1人だけ診たことありますが、1回で来なくなったので治療結果が出ていません。今後もし症例があったら、また書きます。