命を落としそうになった、白人男性の足の感染症【翻訳文】(上)

概要:

抗生物質も効かない感染症を、漢方薬で治したか記録した治療例です。

こんにちは。李哲です。

今日はアメリカの中医師:鄭智城先生の記事を翻訳しました。

 

もとの中国語本文のリンク先は、

差点就要了命的白人中年男脚感染_郑智城

(2012-08-08 05:58発表)

翻訳文

2週間前、一人のアメリカ人男性から電話が来ました。

「私はデラウェア州の◯◯ですが、2年前に治療してもらったことがあります。最近皮膚病で悩んでいますが、治療してくれますか?」

 

私:「もちろんできますよ。」

そして、彼は午後に来ました。

 

この男性は覚えています。

礼儀正しくて背が高い白人。

 

奥さんは台湾人。乳がんでこちらに治療しに来たことがあって、その後すぐ北京中医薬大学に留学して中医学勉強に行きました。

 

午後、夫婦とも2人が来ました。

少し挨拶してから、彼は足を見せてくれました。

 

見て目はすごい怖かったです。具体的に言うと、

1.両足はむくんでいる。

2.両足のうちくるぶしの近くに、つまり腎経の太谿穴近くに、やけどしたみたいなカサブタがあり、皮膚が硬くてとても痒い。中から黄色い浸出液が出ている。

 

同時に腎経に沿って大腿部まで広がって、そけい部にも似てものがあるそうです。

 

男性が言うのは、最初はただ大腿部の内側に赤い跡があった。アメリカでよく見かける、有毒の藤類の植物に触れたあと生じるアレルギー性反応に似ていた。

 

男性は最初、藤類の植物に触れたと思い、ほったらかしたそうです。

しかし、その跡は消えなくて徐々に拡散し、とても痒くなったのです。 

 

(グロテスクなので閲覧注意)

 

2週間後、男性は友だちに誘われて山に行きました。ご当地には湖があって、男性は湖の中で泳いでました。水泳が終わったあと、彼は炎症がひどくなったことに気づきました。

 

その夜はまたすごく寒くて(山の中は夜寒いです)、夜中に彼は寒すぎて全部の窓を締めました。翌日から男性の病状は迅速に悪化したのです。

 

男性はもう我慢できなくて、西洋医学の病院に行きました。

 

西洋医学の先生は感染症だと判断したでしょう。抗生物質を出しただけ。

2日の抗生物質を飲んでから、状況はさらに悪化しました。

 

上半身まで広がって、全身に赤い斑ができて同時に痒い。

現在、この赤い跡は首のところまで上がっています。

 

アメリカ人男性は話しながら、服をめくって見せてくれたら、本当に全身に赤い斑点が出ていました。

 

ちょっと恐怖な絵でした。

私の脳にはすぐ「尿毒症」という文字が浮び上がりました。

 

すぐ脈診して舌診してみたけど、どう見ても違う。

 

脈診では沈微。

舌診では淡、太っている。舌苔も少ない。

 

私は心の中で思いました。

もしかして虚証?

 

この時、男性の奥さん台湾人女性は、私の迷いを読み取ったように、隣で言いました。

「先生のお父さんいないですか?」

「いないです」

 

男性の電子カルテをさかのぼって見たら、もともと心臓に問題があって胸が苦しい症状がありました。

 

男性の病気が発作した過程を見ると、山の中で過ごしたのが明らかな分岐点。その日から病状が著しく悪化。

 

だから、虚証で外部の気温にやられたのが確実。

 

少し考えてから、処方箋を出しました。

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)黄耆桂枝五物湯(おうぎけいしごもつとう)。3日分。

 

黄耆桂枝五物湯を追加した理由は、足指の胃経のところがマヒしていると言うので。

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黄耆(おうぎ):気(体力)を補う効果が強い。もう一つの効能、腐った皮膚を再生することができる。


この時、台湾人奥さんが言いました。

「中医学って難しいですね。学校で勉強する時は、まあまあ分かりやすい。治療例の分析の一覧に全部書いているから。

 

しかし、臨床では複雑です。

これでも行けるし、あれでも治せる。

どうしたらいいか、分からないです。

 

私が迷ったのは、彼に附子(トリカブト)を使って大丈夫かどうか?」

 

彼女が迷うのは理解できます。

皮膚がとても痒くて、黄色い浸出液が出る。赤くて腫れて痛い。

 

誰が見ても炎症、直感的に熱を下げて解毒する生薬を出すでしょう。だから、西洋医学の先生も抗生物質を処方。

 

しかし、中医学は西洋医学の診断で治療してはいけない。中医学は自分の分析方法があります。

(次回に続く)

李哲の感想:

鄭先生のこの記事を翻訳する時、以前の記事を思い出しました。

さびた釘を踏んで腐りかけた足、2週間の漢方薬で治した例。

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li-hari.hatenablog.com

 

今回のはちょっと違います。

さびた釘とかは関係ない。

 

赤くて腫れて痒いのを見ると、おそらく一般の中医師は消炎鎮痛作用がある、冷やす生薬を使うでしょう。

 

鄭先生は真逆で熱々の生薬を使いました。

それは体の中は冷えているからです。

 

さあ、どちが正しい回答でしょうか?

次回の結果を見れば分かります。

 

鍼治療の場合は、足の築賓と太衝が大事な解毒作用がります。あとは、陰陵泉・三陰交穴で湿気を追い出す。

 

温めるのはお腹の関元・中極穴で解決。

皮膚が腫れて赤い、痒みと痛みが伴う場合、刺絡(しらく)で直接に皮膚から毒素を出します。

 

臨床でみると、黒い血が出るのが多い。黒い血が出れば、痒みと痛みが引くのはとても早いです。

 

~続きの記事~

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