こんにちは。李哲です。
今日はアメリカでの開業医(中医師):鄭智城先生の文章を翻訳しました。
中国語本文のリンク先は、
(2013-07-20 05:19発表)
翻訳文:
今日(7月18日)はとても暑い日でした。蒸し器の中みたいです。
扇風機から出る風も熱い。
私の汗は、頭から背中にかけて流れている。
二人の娘も汗ダック。
不思議なのは、私のいとこは全然へいき。
頭に汗をかいてない。
このいとこは、体が丈夫な子です。
よく寝てよく食べる。
昼寝もたくさん寝ます。
体が良くない子供は、昼寝はもちろんしない。夜もなかなか寝れません。
私はいとこに聞きました。
「暑く感じないの?」
いとこは頷いて、「暑い」
これが体が良い人の特徴です。
暑いけどイライラ、煩躁がない。大汗もかかない。少しだけ汗をかくだけ。
体が良くない人は、少し暑いだけで汗ダックになります。
一人のネット友だちは、面白いことは言ったことあります。
小さい時の同級生。
しょっちゅう汗ダックになるそうです。
毎回みんなで大掃除する時、先生はこの同級生をよく褒める。何故かと言うと、汗ダックになっているから。すごい熱心に掃除したように見える。
ほかの生徒さんたちは、みんな知っています。
その子は、ただ単に汗かき。
汗かきは中医学の理論でいうと、表虚証。
もちろん、中も弱っている可能性がある。
最近カリフォルニアから来た患者さん。
診察に来た原因は、水虫がひどい。
彼は靴下を脱いて、足を見せてくれました。
足指の間は腐って脱皮し、痛くてかゆいそうです。
ふとももにも1~2箇所の湿疹があり、体の汗が多い。おでこにも汗が見えます。
はじめの頃は湿気が原因だと思い、越婢加朮湯に附子、白朮、茯苓を処方しました。
3日後、再診察に来て言うのは、「昨日の午後は少し良くなったけど、夜はよく眠れなくて、今朝は以前よりもひどくなった。」
よく眠れないのは、彼の考えることが多いのか、若しくは処方箋が合ってないことが原因です。
よく眠れないと症状がひどくなるのは、この水虫は虚証であることを示します。
私はじっと考えて、彼の汗かきを治すべきだと思いました。
前回、汗を止める処方箋を出してないのは理由があります。
彼は私に見せたものがありました。
地元の韓国人の漢方医が彼に出した煎じ薬。一つ一つ煎じて包装したやつ、1ヶ月分。
「この漢方薬はなんのためですか?」と彼に聞いたら、彼が言うのは、「汗を止める漢方薬です」。だから、私は汗を止める処方を止めたのです。
しかし、今見るとやっぱり汗を止めないといけない。
桂枝湯+附子(トリカブト)3日分を処方しました。
3日目、彼からメールが来ました。
興奮ぎみで書いたのは、「2回目の漢方薬を飲みきってから、足の水虫は信じられない変化がありました。本当に感謝します!」などなど。
李哲の感想:
暑いときは、体が弱いかどうかが判断できます。
鄭先生が言ったのように、体が強い子は汗ダックで、ぐったりなったりしない。そして、よく食べてよく寝ます。
日本語でも、「よく寝る子は育つ」と言うでしょう?
汗かきの原因は、表の皮膚の穴を守る気(中医学では「衛気」という)が足りないから、皮膚の穴が勝手に開いてしまって、気が抜ける同時に汗が出るのです。
このような衛気が弱い子は、気力がなくてすぐ疲れやすい。年中風邪を引きやすいです。
汗かきの人は、漢方医若しくは鍼灸医にすぐ治してもらってください。
上記の水虫の治療例は遺憾なこと。
水虫はもっとも簡単な治療法があります。
スーパーに行くと、漬け物のコーナーに焼明礬(ヤキミョウバン)があるはず。
その焼明礬を買ってきてミョウバン水を作って、足をつければ良いです。
6年前の治療例があるので、参考にしてください。
ニハイシャ先生は「傷寒雑病論」を教える時に、ミョウバンの効能を説明したはずなのに、鄭先生はあまり覚えてないみたいですね。
越婢加朮湯(えつぴかじゅつとう)の効能は、傷寒雑病論に書いてあります。
適している主な症状は、発熱して風を嫌がる、小便が出なくて、全身がむくむなどの時に使います。
鄭先生はミスをしましたね。
幸いにも、2回目の桂枝湯+附子(トリカブト)は、汗を止める作用があり、水の循環を良くすることで水虫にも効果があるから、信じられない効果が出たとビックリしたでしょう。
傷寒雑病論の処方箋は、本当にすごいものです。
一か八か。
ほかの選択肢はない。
でも、治療って本来はこんなものでしょう?
100%効果がある。
若しくは100%効果がない。
それ以外ってありますか?
ある日、この治療法・薬の有効率は何%だと言われたとき、気をつけてください。
あなたは罠にかかっている。