【※本記事は2020-04-24更新しました】
こんにちは。李哲です。
今日は私の施術記録、個人的には面白かったので記事にしました。
2018年のことです。
ある50歳の女性患者さん。
仰向けで鍼が終わり、手の内関と合谷を少し回したら、彼女は体が震えてました。
「どうしたんでしょう?!
体が急にめちゃくちゃ熱いです、怖いくらい熱いです!」
今までも手の鍼を回した事がありますが、今回は特別に熱くてびっくりしたそうです。別にこれは悪い現象ではないので、大丈夫だと慰めました。
そして、上半身にはシートをかけないで、しばらく様子を見たら「もう大丈夫です」と言うので、上半身にもシートをかけて安静。
面白いのは、その次に来たときの感想。
彼女が言うのは、「前回の針をしたあと、翌日まで体がすごい熱かったです。うどんを食べただけなのに汗たく。半身浴に入ったら汗をかきすぎて、真夏でもない冬なのに扇子を使いました。
2日後には体が熱いのが収まり、普通の温度になったので、先生が週2~3回の鍼を勧める理由がよく分かりました。」
少し前に、私のおばさんの鍼治療でも似た現象が起きました。
読んだことがない方は、どうぞご覧ください。
彼女の感想から分かりますが、1回の鍼治療で2日間は気が強く回ります。その後は徐々に消える。
大昔からの原則:2日に1回施術するのは、合理的配慮であります。前回の施術効果が消えないうちに、もう一度鍼で強化する。ニハイシャ先生はアメリカで患者さんに2日に1回鍼をしていたので、その理由がよく分かりました。
ただし、2~3日に1回来るのは仕事している方に厳しいので、当院では最低でも週1回は必要だと言います。
以前、膵臓がん患者さん治療で、間隔が開けすぎて失敗した例がありました。重症の方は、必ず2~3日に1回の鍼治療を求めています。
体が燃えるように熱いのは、今まであまり経験したことがないです。たまたま運がよく、手技がうまくいったかも知れません。
鍼灸には古代由来の手技があります。
- 「焼山火」
- 「透天涼」
「焼山火」は鍼したところ、もしくは体全体が熱くなるので、頑固な冷え症に効果抜群です。たとえば頑固な腰痛、坐骨神経痛、下半身の冷えなど。この手技があれば、紫外線治療器などは必要ないですね。
「透天涼」は鍼したところ、もしくは体全体が冷めるので熱証に有効。たとえば食欲が強すぎて止まらない、高熱が下がらない人。
この2つの技は難しくないと言われていますが、施術する人がすべての雑念を捨てて、そうとう集中しないといけないです。
私はまだ自由自在に使えるレベルまで行ってないので、再現した例は少ないです。誰でも熱くさせるのは限らない。ただ、以前よりレベルアップしたのか、最近は熱くなったと感想はちょこちょこ聴きます。
細い針を動かすのは、人間とその心。
どうやって患者さんの気を動かすのかは、感覚を磨く問題で修行です。
簡単そうな鍼ですが、実は奥深い。