こんにちは。李哲です。
アメリカの中医師:鄭智城先生*1の記事を翻訳しました。
夜間頻尿が6回から1回に減り、逆流性食道炎、便がゆるいのも同時に治った漢方薬治療例です。
もとの中国語本文のリンク先は、
(2013-06-11 09:23発表)
鄭智城先生はもう一つ頻尿・尿もれに良い漢方薬を紹介したことがあるので、貼っておきます。
- 1時間毎の夜間頻尿で、とてもつらい患者さん
- 3日の漢方薬で夜間頻尿が減り、逆流性食道炎も改善した
- 夜間頻尿が1回だけになり、逆流性食道炎も治った
- 処方箋を変えてから、著しい変化はなくて、逆に胃痛が生じた
- 李哲の感想:逆流性食道炎は治しやすいもの
1時間毎の夜間頻尿で、とてもつらい患者さん
最近診た患者さん、面白かったです。
痩せ型で背が高いアメリカ人、 顔色は暗い赤。
チェロの演奏家で、友人の紹介で来ました。
彼の主訴は、
①逆流性食道炎。
毎晩寝るとき、左に向けて寝るしかない。
右に寝ると胃酸逆流が生じるから。
②夜間頻尿。
1時間毎に起きてトイレに行くから、とてもつらいそうです。
彼の話はゆっくりで、気力が足りない感じ。
脈は沈弱。舌は薄い赤で舌苔は薄い。
先に理中丸+附子(トリカブト)を処方しました。3日分。
3日の漢方薬で夜間頻尿が減り、逆流性食道炎も改善した
3日後に再診察に来ました。
少し良くなったそうです。夜間の頻尿は1~2回減っている。たまに3時間も起きないで寝れるそうです。胃酸逆流も良くなった感じ。
いつもなら、処方を変えないでそのまま続きます。
しかし、私はまだ満足しないで、彼とお話ししてみました。いろいろ聞いている途中で、彼が良く咳払いするのに気づきました。細かく聞いたら、彼は毎朝起きたとき、大量の透明な痰が出るそうです。
そして、私は急に分かりました。
苓甘五味姜辛夏仁湯、3日分を処方。
夜間頻尿が1回だけになり、逆流性食道炎も治った
4日後、また再診察に来ました。
彼が言うのは、「今回の漢方薬を飲んで、非常に驚きました。(I was shocked!)」
私はちょっとビックリしました。
悪化して驚いたのか、良くなって驚いたかが分からなくて。
彼は続けて話しました。
「2日くらい、夜間頻尿は1回だけになりました。」
話を聞いて、私はホットしました。
「胃酸逆流はどうですか?」
「治りました。左に寝ても、右に寝ても大丈夫。」
私は大喜びで、「以前の便がゆるいのはどうですか?」
彼は頭を揺らしながら、「とても良いです。言うことなし!長~~い1本が出ます。私はチャンピオン。」
「太さと色はどうですか?」
「とても良いです。このために私は金メダルをもらうべき。」
私は大笑いしました。
「金メダルは私がもらうべきでしょう。」
処方箋を変えてから、著しい変化はなくて、逆に胃痛が生じた
いつもなら、処方を変えないのが原則だけど、今回も徹底的ではないと思いました。何故かと言うと、彼の痰は著しく減ってないから。
前回の処方箋をもっと省略し、正確性を高めることは可能。
だから、今回は甘草乾姜湯(かんぞうかんきょうとう)を処方しました。5日分。
2日後、彼から電話がありました。
「今回の漢方薬はだめですね。胃が痛いです。」
私「胃がとても痛いですか?」
彼「いいえ。そこまででもないけど、痛くて寝られないです。」
私「小便はどうですか?」
彼「相変わらず1時間毎に起きます。」
うまくやろうとしたのが、逆にマズイ結果になりましたね。
でも、これは好転反応かも知れません。
李哲の感想:逆流性食道炎は治しやすいもの
胃酸逆流の問題は、ほかの処方箋で良かったかも知れないですね。
ここはプロの漢方医たちに任せますので、私はノーコメント。(最後の好転反応かも知れないというのも)
鍼治療になった場合、胃酸逆流は比較的に簡単に治せます。
過去記事の一つ、どうぞご参考に。
- 胃がムカムカする
- 気持ち悪い
- 胸焼けがする
- 胃酸逆流で喉が焼けて、声がれ
などは、針ですぐ解決できます。西洋医学の制酸剤など要りません。
一つだけ注意しないといけないのは、食べ物に必ず気をつけること。
良くない食べ物のリストは、以下の記事をご覧ください。
夜間頻尿は、膀胱と腎臓が主に関わります。
もちろん、ほかの臓器も関連しているかも知れないので、患者さんの状況を詳しく診ないといけません。
原因はどちらにせよ、一般的にお灸もしくは針をすると、尿の貯蔵と尿の出は良くなります。以下は夜間頻尿を改善した鍼治療例、参考になると幸いです。
◆血圧を下げる薬の副作用で心弁膜症・前立腺肥大になり、最後は前立腺がんの疑いがあると言われた患者
◆喘息の子供は、乳製品・牛乳を飲んではいけない!てんかんは1週間で80%良くなり、手足の冷え性はだいぶ良くなった…などの漢方薬治療例
*1:鄭智城先生の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外) をご覧ください。