痙性斜頚(頸部ジストニア)が2週間で良くなり、怒りっぽいのも改善した子供。

こんにちは。李哲です。

アメリカの中医師:李宗恩博士*1の漢方薬治療例を翻訳しました。

 

中国語本文のリンク先は、

小孩子頭不斷地往後仰,像發癲症一般 – 當張仲景遇上史丹佛

(07/27/2013発表)

 

痙性斜頚(頸部ジストニア)が2週間で良くなり、怒りっぽいのも改善してきた5歳の子供

 

初診は07/10/2013。

 

患者は男の子、5歳、中国人。

主訴:

  • てんかんみたいに、頭が後ろに向いて痙攣する
  • 怒りやすい
  • 手が勝手に動き回る

 痙性斜頚(頸部ジストニア)が漢方薬2週間で良くなった

 

以下は問診内容です。

 

寒熱:手は暖かい。

汗:汗をかきやすい。

口渇:あまり喉が渇かない。

食欲:好き嫌いが激しい、水分が多い食べ物を食べない。

睡眠:夜10時~11時半に寝て、朝は7~8時に起きるけど、寝起きは非常に疲れている。

便通:毎日形がある太い便が出る。

尿:4~5時間に1回。

脈診:弱い

舌診:淡、湿。

処方箋:既製品の小建中湯酸棗仁湯葛根瓜簍根(かろこん)

 

07/23/2013 

主訴:だいぶ良くなった。頭が後ろに向くのは治り、怒るのも減り、睡眠は比較的に良い。便通は少し柔らかくなり、正常範囲。

 

舌診:湿。

 

処方箋:前回同様の既製品。

もう少し服用して、効果を安定させることにしました。

 

瓜簍根(かろこん)。解熱作用、津液を増やして痙攣を収める作用がある生薬

瓜簍根(かろこん)。解熱作用、津液を増やして痙攣を収める作用がある生薬

李哲の解釈と感想

 

抗てんかん薬は、脳の発達障害を引き起こす恐れがある

 

てんかんみたいに頭が後ろに向いて痙攣する。見た感じでは怖そうな病気です。病院に行くと、わけわからん病名: 痙性斜頚(頸部ジストニア)だと言われるはず。(手が勝手に動き回るのも、局所のジストニアだと言われるはず)。

 

怖そうな病名を聞いて、親はどうしたら良いか分からなくなり、西洋医学の言いなりになって抗てんかん薬を飲ませる。副作用が出たら、またほかの薬を飲ませる。切りがない薬漬けの人生に陥ります。

 

運が悪かったら、あなたの子供の脳はダメージを受けて、発育発達不全を引き起こし、一生治らない障害になります。以下の漢方薬症例に出た子供みたいに。

 

www.li-hari.net

漢方薬で痙性斜頚(頸部ジストニア)が治る仕組み・理由

 

西洋医学でも良い治療法がないのに、漢方薬で治るのか?びっくりしないで下さい。漢方には怖い病名がありません。漢方が治すのは、辛い症状。つらい諸症状がなくなれば、自然に病名の診断もできません。

 

漢方薬で痙性斜頸(頸部ジストニア)を治せる理由は、私の言葉で解釈しました。ヒントは食欲と睡眠の改善。

脾胃を強化することで、筋肉のけいれんをコントロール

 

好き嫌いが激しいのは、脾胃が弱いからです。脾胃が強ければ、何でも美味しく食べられる。

 

また、中医学理論では「脾主肌肉」だと言います。意味は、筋肉は脾臓がコントロールする。筋肉のけいれん、萎縮、無気力は脾胃を強化することで治せるのです。

 

小建中湯は脾胃を強化する漢方薬として有名。臨床では萎縮性筋疾患の治療によく使います。以下は一つの症例。ワクチンの副作用で両足が麻痺した子供、小建中湯で足の力が徐々に戻ってきました。

 

www.li-hari.net

酸棗仁湯で睡眠を改善し、新しい血を作って筋肉を潤い、筋肉のけいれんを収める

 

寝起きが非常に疲れるのは、睡眠が悪い事を示します。

 

夜は肝臓が新しい血を製造している時間帯なので、睡眠が悪いと血虚証になりやすい。血が足りないと、筋肉は血の潤いが足りなくて痙攣する。だから、上記の子供は 痙性斜頚(頸部ジストニア)の症状が出て、手が勝手に動き回ります。

 

酸棗仁湯で睡眠を改善した症例は、たくさんあります。以下の一つ、参考にしてください。

 

www.li-hari.net

 

  • 酸棗仁湯は睡眠を改善。
  • 小建中湯は食欲不振を治す。
  • 葛根瓜簍根(かろこん)も、津液を増やして痙攣を収める作用があります。

上記の理由で、子供の痙性斜頚(頸部ジストニア)はだいぶ良くなったのです。

怒りっぽいのは肝臓の問題

子供が怒りっぽいのは、簡単に言うと肝臓に問題があるからです。中医学の理論で、怒る感情は肝臓が生み出すもので、肝臓に毒が溜まって新しい血が製造されない場合、怒る感情が増えます。

 

以下の鍼治療例で詳しく説明しているので、参考にして下さい。

 

www.li-hari.net

怖い病名で脅かされないで!漢方薬・鍼灸で治せるかも知れないから!

 

西洋医学は、怖い病名を作り出すのが得意です。病名がないと、治療薬が売れないから。

 

しかし、漢方薬・鍼灸には怖い病名がありません。様々な不可解な症状が出るのは、五臓六腑と経絡に問題が生じたからです。体内の不調さえ治せば、自然につらい症状が治ります。

 

病院で難病だと言われた時、落ち込まないで下さい。西洋医学は治せないけど、中医学は治せるかも知れないから。

 

上記のジストニアよりも、更にひどいてんかんすら、漢方薬・鍼灸でよくなります。以下の関連記事に様々な症例を貼っているので、参考になると幸いです。

*1:李宗恩博士の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外) をご覧ください。