【※本記事は2020-02-15更新しました】
こんにちは。李哲です。
今日はアメリカの中医師:鄭智城先生*1の記事を翻訳しました。
目から血が出る恐ろしい症状。
患者さんは恐怖に落ちるかも知れませんが、中医学の理論でいうと原因は簡単です。治療ももちろん簡単。
しかし、西洋医学に任せると最強の抗生物質が処方され、出血が治るかも知れないけど、抗生物質で患者さんの免疫力もガタガタ。しょっちゅう風邪を引くようになり、胃腸がおかしくなります。
目から出血する症状を治したいなら、漢方医・鍼灸医に診てもらってください。
中国語本文のリンク先は、
翻訳文
たくさんの病気は、西洋医学の診断で原因不明です。原因が分からないけど、とりあえず投薬して治療する。もっとひどいやり方は手術しちゃう。
患者さんがもしこんな先生の手に落ちたら、本当に運命的に一回殺られる事かも知れません。
一人のミシガン州から来た中年婦人。
症状は目に出血。
アチコチ治療に行きました。
西洋医学の治療を先に受けて、手術の為に1万ドルも払ったけど効果がない。目からの出血は続けています。その後中年婦人は、ほかの所で漢方薬も飲んだけど効き目がなかったです。
この前、メディアではアメリカのある少年が、目から出血するのを報道しました。世界で一番神秘な病だと言ったでしょう?
当時、私はテレビを見て治療法が分かってました。
西洋医学だけバカみたいに、こんな症状で大げさになる。
ミシガン州から来た中年婦人は、目の検査をしたら虹彩に著しい環状の影が見えました。肝臓にたくさんの毒素が溜まっているのが、目から出血する原因です。
関連の質問をしたら、全部当たり。
私:「気持ち悪いですか?」
彼女:「常に気持ち悪いです。」
私:「胃は辛くないですか?」
彼女:「胃の所は押すと辛いです。」
中年婦人のお腹、天枢穴あたりを押してみたら、婦人はすごく痛くて顔の表情が変わっていました。これは「大柴胡湯」じゃなくて、なんですか?
婦人の他にある症状は、寝付けられない。首肩と背中がつりそうに痛い。
診察が終わり、6日間の漢方薬を処方しました。
1週間後、ミシガン州から電話が入りました。
彼女が言うのは、「著しい変化があります。目からの出血は治り、睡眠が良くなって、胃痛と気持ち悪いのも治りました。また同じ処方が欲しいです。」
目から出血ではないけど、ひどい炎症で目から黄色い膿が垂れる患者さんも、漢方薬で治りました。以下の記事、どうぞご参考に。
大柴胡湯は、私が臨床で良く使うものです。
患者さんが飲めば、1週間以内で著しい変化があるはず。
大柴胡湯は病気を治すもので、養生の処方ではありません。
西洋医学の浣腸、洗腸より何倍も優れています。
大柴胡湯の作用は、少陽陽明(胃腸の意味)の実熱を瀉すること。肝の生薬は「大黄」!
大黄は胃腸に詰まっている老廃物を排出するだけではなくて、止血作用もあって、まさに釜底抽薪(ふていちゅうしん)のやり方です。
李哲の感想:
目から出血するのは、聞いただけでは恐ろしい症状。
だから、西洋医学はテレビで世界で珍しい病気だと言うでしょう。
中医学の理論では、『肝開竅于目』。
その意味は、肝臓の気(エネルギー)が目を透して外部と繋がっている。
中医学の判断だと、目の病気はほとんど肝臓のトラブルです。(もちろん、他の臓器から来るのもある)
気持ち悪い、胃がムカムカする、わき腹に違和感ある、便秘などは全部肝臓のトラブルの範囲。『傷寒雑病論』で言う『少陽症』。小柴胡湯、大柴胡湯などがメインになる症です。
大柴胡湯と小柴胡湯の主な違いは、便秘があるかないか。
便秘がひどい時は、必ず大黄(だいおう)・芒硝(ぼうしょう)が入った大柴胡湯を使います。
「大柴胡湯」は不思議な治療例もあります。永久の肝不全、死ぬはずなのに漢方薬で生きた人もいますから。以下の記事、参考になると幸いです。
西洋医学では便秘を、大した事ない症状だと言う。2~3日便秘でも「あ!そうですか~~」。
中医学の健康に対する定義では、1日に最低1回は便通がないとダメです。3日も出ないなんて有りえない!中医学の先生が聞いたらビックリします。
便秘を治さないと胃腸の毒が溢れ、後々になっていろんな問題を起こすから。
便秘症がある方は、必ず早めに鍼灸医・漢方医に治してもらってください。
胃のムカムカ・気持ち悪いのは、鍼治療で早い時は1回で治ります。
過去記事があるので参考にしてください。
鄭智城先生の治療例を解釈すると、便秘が原因で腸の毒素が上がって炎症を起こす→目の血管が破裂→目から出血。
便秘を治せば源が治るので、目の出血もなくなるのです。これを中国語で釜底抽薪(ふていちゅうしん)だと言います。
鍼治療で便秘、わき腹の違和感(痛み)、気持ち悪いなど治すのは難しくない。
前腕の支溝、足の照海、お腹の中脘、天枢で便秘を解消。
また、支溝はわき腹の違和感(痛み)にも有効なので、同時に処理できる。
気持ち悪いのは中脘1つで良いです。
足りなかったら上脘、内関、公孫などを追加。
気持ち悪いのはすぐ解決できるので、大げさに胃カメラで検査する必要もありません。以下は一つの鍼治療例、参考になると幸いです。
◆ドライアイは鍼治療1回で改善され、目の潤いが戻り、すごいよく見えるようになった
◆胃がムカムカ、胸焼けは数回で治り、ついでに頻尿・更年期障害の背中がほてる症状も足ツボ整体で治った
◆鮮血が出るのに痛くない血便、漢方薬で奇跡的に治った例(上)
*1:鄭智城先生の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外) をご覧ください。