こんにちは。李哲です。
今日はアメリカの開業医(中医師):鄭智城先生の記事を翻訳しました。
最後には私の感想文を書いております。
中国語本文のリンク先は、
翻訳文
たくさんの病気は、西洋医学の診断で原因不明です。原因が分からないけど、とりあえず投薬して治療する。もっとひどいやり方は手術。
患者さんがもしこんな先生の手に落ちたら、本当に運命的に一回殺られる事かも知れません。
一人のミシガン州から来た中年婦人。
症状は目に出血。
アチコチ治療に行きました。
西洋医学の治療を先に受けて、手術の為に1万ドルも払ったけど効果がない。出血は続けて出ています。
その後中年婦人は、ほかの所で漢方薬も飲んだけど効き目がない。
この前、メディアではアメリカのある少年が、目から出血するのを報道しました。世界で一番神秘な病だと言ったでしょう?
当時、私はテレビを見て治療法が分かってました。
西洋医学だけバカみたいに、こんな症状で大げさになる。
ミシガン州から来た中年婦人は、目の検査をしたら虹彩に著しい環状の影が見えました。肝臓にたくさんの毒素が溜まっていることを示します。
関連の質問をしたら、全部当たり。
私:「気持ち悪いですか?」
彼女:「常に気持ち悪いです。」
私:「胃は辛くないですか?」
彼女:「胃の所は押すと辛いです。」
中年婦人のお腹、天枢穴あたりを押してみたら、婦人はすごく痛くて顔の表情が変わっていました。
これは大柴胡湯じゃなくて、なんですか?
婦人の他にある症状は、寝付けられない。首肩と背中がつりそうに痛い。
診察が終わり、漢方薬を処方しました。6日分。
1週間後、ミシガン州から電話が入りました。
「著しい変化があります。目はもう出血してない。睡眠が良くなり、胃痛と気持ち悪いのが消失。また同じ処方が欲しいです。」と言われました。
大柴胡湯は、私が臨床で良く使うものです。
患者さんはこれを飲めば、1週間以内で著しい変化があるはず。
大柴胡湯は病気を治すもので、養生の処方ではありません。
西洋医学の浣腸、洗腸より何倍も優れています。
大柴胡湯の作用は、少陽陽明(胃腸の意味)の実熱を瀉すること。
キーワードになる大事な生薬は大黄。
大黄は胃腸に詰まっている老廃物を排出するだけではなくて、止血作用もあって、まさに釜底抽薪(ふていちゅうしん)のやり方です。
李哲の感想:
目から出血するのは、聞いただけでは恐ろしい症状。
だから、西洋医学はテレビで世界で珍しい病気だと言うでしょう。
中医学の理論では、『肝開竅于目』。
その意味は、肝臓の気(エネルギー)が目を透して外部と繋がっている。
中医学の判断だと、目の病気はほとんど肝臓のトラブルです。(もちろん、他の臓器から来るのもある)
気持ち悪い、胃がムカムカする、わき腹に違和感ある、便秘などは全部肝臓のトラブルの範囲。『傷寒雑病論』で言う『少陽症』。小柴胡湯、大柴胡湯などがメインになる症です。
大柴胡湯と小柴胡湯の主な違いは、便秘があるかないか。
便秘がひどい時は、必ず大黄(だいおう)・芒硝(ぼうしょう)が入った大柴胡湯を使います。
西洋医学では便秘を、大した事ない症状だと言う。2~3日便秘でも「あ!そうですか~~」。
中医学の健康に対する定義では、1日に最低1回は便通がないとダメです。3日も出ないなんて有りえない!中医学の先生が聞いたらビックリします。
便秘を治さないと胃腸の毒が溢れ、後々になっていろんな問題を起こすから。
便秘症がある方は、必ず早めに鍼灸医・漢方医に治してもらってください。
胃のムカムカ・気持ち悪いのは、鍼治療で早い時は1回で治ります。
過去記事があるので参考にしてください。
鄭智城先生の治療例を解釈すると、便秘が原因で腸の毒素が上がって炎症を起こす→目の血管が破裂→目から出血。
便秘を治せば源が治るので、目の出血もなくなるのです。これを中国語で釜底抽薪(ふていちゅうしん)だと言います。
鍼治療で便秘、わき腹の違和感(痛み)、気持ち悪いなど治すのは難しくない。
前腕の支溝、足の照海、お腹の中脘、天枢で便秘を解消。
また、支溝はわき腹の違和感(痛み)にも有効なので、同時に処理できる。
気持ち悪いのは中脘1つで良いです。
足りなかったら上脘、内関、公孫などを追加。
気持ち悪いのはすぐ解決できるので、大げさに胃カメラで検査する必要もありません。