みぞおちが詰まって、お腹が張ってご飯が食べられない。
聞いた感じではひどい病気ですが、実際には治療が簡単です。
こんにちは。李哲です。
今日は中国・郝万山先生*1の治療例を翻訳しました。
漢方薬の勉強になる情報になると幸いです。
中国語本文のリンク先は、
翻訳文
一人の患者さんが私に言うのは、「みぞおち辺りがつまって、ご飯が食べられません。ご飯を食べなくても詰まる感じで、少し食べるだけでお腹が張ります。もう何ヶ月も治療したのに効果がないです!」
彼のカルテを見たら、数か所の病院の中医師が治療しました。なぜ漢方が効かなかったのか?
私は彼に質問しました。
「小便は多いですか?」
「少ない方です。」
彼の足を見たら、少しむくんでいました。
彼が言うのは、「最初つまる感じは、下腹部から始まりました。その後、徐々に上まで来て、今はご飯も食べられません!」
「分かりました。小便を出しましょう。五苓散(ごれいさん)で良いので、先に3日分飲んでみてください。」
3日後、彼から電話が来ました。
「郝先生、この漢方は凄いですね!
飲んだあとから尿が増えて、喉が渇くのは解消し、みぞおちの詰まりが徐々に下がって、今はへそ以下が少し詰まっています。続けて飲んだほうが良いですか?」
私「あと3日分飲んでください。」
3日飲んだあと、彼のみぞおちから下腹部の詰まりは、全部消えました。
李哲の感想
みぞおちが詰まるのは、最初下腹部から始まったと言うので、胃の問題ではないですね。だから、胃を治す漢方が効かない。
根本的な原因は、小便がよく出てないからです。
小便の蓄積で下腹部がつまりはじめ、徐々にみぞおちの胃のところまで蔓延。
五苓散(ごれいさん)の主な適応症は、
喉が渇くけど小便があまり出ない。
上記の男性は、ちょうど『傷寒雑病論』に書いている条文とおりに、病気になっています。だから、五苓散(ごれいさん)そのままで6日で完治。
鍼治療の場合は、尿をよく出す陰陵泉、中極。肝経の井穴:大敦なども考えられます。
以前、足つぼ1回で尿がたくさん出た男性もいました。
過去記事ですが、参考にして下さい。
*1:郝万山先生の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。