鍼のおかげで、髪の毛がツルツルを維持できた妊婦

こんにちは。李哲です。

今日は簡単な鍼治療例。

 

一人の女性。30代。妊娠4ヶ月半くらい。

週1~2回のペースで鍼を受けています。刺すのは腰の腎兪と大腸兪。ほかには、その時の症状によってツボを加えました。

 

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腎兪(じんゆ)の簡易図。指で強くマッサージしても腎機能強化の効果があるけど、針のほうがより効果が高いです。

へそしたは胎児がいるので鍼しない。へそ上は状況をみて、たまに中脘などを刺します。

 

腎兪と大腸兪は、彼女のお気に入り。

この2つのツボだけで、腰と足が徐々に暖かくなり、足腰の力が戻る感じだそうです。

 

ある日、彼女が言うのは「妊娠中はみんな髪の毛が、パサパサになると言うけど、自分のはツルツル。これは、腎兪のおかげでしょう?」

 

確かに、そのとおりです。

何故かと言うと、髪の毛のツヤは腎臓が栄養素を提供しているから。中医学では腎臓の栄養素を『腎陰』と言います。

 


 

『黄帝内経・素問・六節臓象論』で言うのは、「腎者、……其華在髪」。 直訳すると、腎臓の精華は髪に現す。

 

人間の髪の毛は腎臓の栄養素(腎陰)で養うから、ツヤがあるのです。

妊娠中に髪の毛がパサパサになりやすいのは、腎臓が弱っていることを証明する。

 

もともと、腎臓は生殖機能をコントロールしているので、妊娠中は腎臓のエネルギー・栄養素を消耗します。言い換えると、胎児を育つのには腎臓のエネルギー・栄養素をたくさん使うこと。

 

普段から腎臓が弱い女性は、妊娠中はさらに腎虚証になり、髪の毛がパサパサになるわけです。腎虚証は同時に腰痛もよく見かける。

 


 

『黄帝内経・宣明五気篇』で言うのは、「腎主骨」

 

腎臓は骨を司るので、骨を動かす(すべての)運動は腎臓を鍛えることができる。妊娠中はもちろん、妊娠してなくても運動したほうが良いです。

 

運動しても腎機能が弱くて、腰痛と髪の毛がパサパサになった妊婦さんは、漢方薬もしくは鍼灸医に診てもらってください。

 

きっと良い効果が出ると思います。