超実力派の漢方医たちの日常診療:台北研修会の見聞録(1)

【※本記事は2019-07-21更新しました】

 

こんにちは。李哲です。

3月14~18日は台北の『漢唐中医経方診療所』に研修に行ってきました。

 

今日は台北での研修会.見聞録を書こうと思います。

 

 

「台北漢唐中医診療所」の許先生に会うのは久しぶり

3月14日の到着した夜、許先生の家族と一緒に台湾の地元名料理を食べながら、いろいろお話しました。

 

診療所の現状。

臨床での解決できてない難問。

中医学の発展に必要なもの。

 

何よりも一番楽しいのは、ニハイシャ先生の生前の逸話。

 

鍼を1年勉強しただけで有名人になり、自宅はうわさを聞いて治療に来た人たちで大混雑。座って鍼をする人もいるし、床で鍼をしたまま寝ている人もいる。夜市みたいに混んでいたそうです。

 

漢方薬も鍼灸も占いも面相術も精通して、更に新しい考え方.理論を出したニハイシャ先生。聞けば聞くほど、本当に1000年に1回出る天才だとしか思わないです。

 

私たちは、ニハイシャ先生の伝授を勉強するだけで、精いっぱいですね。

 

ニハイシャ先生は、中医学の漢方薬・鍼灸を極限まで研究した人で、様々ながん治療症例を残してくれて、警鐘を鳴らす文章をたくさん書きました。

 

以下はその一つのまとめ。

あなたが知っている医学知識を転覆する内容が多々あります。

 

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食事が終わった後、許先生の自宅に歓待されて、オリジナルのウーロン茶を飲みながら、またニハイシャ先生の遺留品をいろいろ見せてもらいました。

 

占い専用の竹で作った円筒。メモ書きがたくさん書かれてある書籍。ニハイシャ先生は本当にすごい勉強したな…と思わせる書籍ばかりでした。

 

話が弾んで夜遅くなったので、最後は仕方なく宿泊先に戻り休憩。

 

ニハイシャ先生のお墓参り

翌日の3月15日。

ニハイシャ先生のお墓参りに行ってきました。

 

今まで見たことがないニハイシャ先生の笑顔の写真を眺めて、いろんな思いで胸いっぱいでした。

 

何年か前、もう少し貯金して、鍼灸の専門学校を卒業したらアメリカに行こうと思ったけど、急にニハイシャ先生がいなくなり。今はここで先生と会うしかない。

 

許先生が言うのは、ここを知っている人はわずかの人。

私はただニハイシャ先生の文章を日本語に翻訳しただけなのに、こんな思いがけなく身に余る待遇を得て嬉しかったです。

 

ニハイシャ先生に挨拶し、昼は午後から一緒に診察する陳先生と一緒にご飯を食べました。最初は緊張したけど、いろいろ話しているうちに緊張感がほぐれました。

 

臨床での抱えている課題と、台湾の日本の鍼灸院などの情報を交流しながら、美味しい麺をいただきました。

 

台湾の代表的な麺類:牛肉麺

陳先生の診療は、すごい!としか言えない

 

午後は陳先生について診察を見学。

感想を一言でいうと、すごい!

2時から7時まで、休み無しで17人。

今の私には無理ですね。

 

だいたい15分に一人の患者さん。

みんな予約した人で、いろんな患者さんがいました。

 

子宮筋腫、いろんな皮膚病、生理痛、不眠症、五十肩、風邪…なんでもあり。

癌の患者さんも何人か診察しました。

 

一番感動したのは、陳先生の優しさ。

本当に患者さんの事をいろいろ聞いてあげて、いろいろ解決してあげようと努力する姿。患者さんとのジョークもすごかったので、私は隣で笑っちゃいました。

 

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シャンプーなどの経皮毒も、子宮筋腫を悪化させる 

記憶に残っているのは、一人の女のお坊さん。

漢方薬を1年くらい飲んだけど、子宮筋腫が逆に大きくなったのです。

陳先生が言うのは:「一つの可能性として、シャンプーなどの経皮毒があるのではないですか?

 

女のお坊さんが言うのは、「いつも貰い物のシャンプーで洗っているので、今度調べてみます。」

 

化学薬品で作られたもの。

やはり人体に影響が大きいから、気をつけないといけないですね…

 

シャンプー以外に、顔に使う化粧品も石油系の原料を使っているので、化粧品が合わないときは顔の皮膚がかぶれます。以下は、その一つの治療例、参考になると幸いです。

 

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五十肩、鍼治療20分後には肩が上がるようになった

 

もう一人は40代の痩せ型の女性。

以前は看護師をしたそうです。

今日は持病以外に、途中で「五十肩がつらくて、髪を結ぶ事ができません!」と言ってました。

 

陳先生は、「五十肩には鍼が早いよ!」と紹介したら、その女性は「え?鍼は効くんですか?鍼はすごい痛いでしょう?」と半信半疑でした。

 

陳先生は「鍼は即効性があるので、試してみて!あなたは看護師でしょう?なんで鍼を怖がるんだ?鍼灸はそんなに痛くないよ!」と説得し、すぐ鍼をすることにしました。

 

右肩が痛かったので、左の手に鍼を3本刺して、その後は「右肩をゆっくり回してください。」と指示し、隣の部屋でほかの患者さんの診察を始めました。

 

20分くらい経ってから、鍼を取りに行ったけど、女性の肩はだいぶ上がるようになっていました。その女性は笑いながら言うのは、「鍼は本当に効きますね!もっと早く来れば良かったー!」

 

陳先生も笑ってました。

「そうですよ~中医学はなんでも治療できます。今後なにか不調があったら、先に中医学治療をしてみて。」

 

鍼の即効性はいろんな症状を治すときに現れます。以下は私の鍼治療例、どうぞご参考に。

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あとで暇の時どのツボに刺したかを聞いたら、陳先生が言うのは「董氏奇穴の三肩穴。五十肩には特効ツボだよ!」。

 

普通のツボを刺してないから私の顔が変だったでしょうか。陳先生はまた解釈しました。「臨床で効果があるツボであれば、奇穴であろう何系であろう、効果があれば使わせてもらいます。臨床効果が一番の判断基準。」

 

そう言えば、ニハイシャ先生も似てる話をしてましたね。

西洋医学であろう、中医学であろう、患者さんのためになるなら普及すべき。

 

過去記事ですが、整体1回で五十肩の痛みを治したのがあります。残念ながら、患者さんは整体が痛いから止めたこと。以下の記事、参考になると幸いです。

 

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はやばやと陳先生とのお別れ

 

休み無しで5時間フル回転。

隣で見てるだけの私すら疲れました。

問診と脈診を続け、たまには鍼を刺してお灸もしながら動き回る陳先生は、本当にすごいと思いました。

 

すべての予約した患者さんが終わって帰る頃、陳先生に止められて一緒に写真撮影しました。

 

陳先生が言うのは、「土曜日には私がいないから。せっかく東京から来たのに、会うのは今日だけよ。だから写真撮らなきゃ(笑)」

 

やった馴染んだのに、もう別れか。

今後また陳先生に会うのが楽しみです。

 

陳先生の治療例は、当ブログでもいろいろ翻訳して紹介しました。

以下はその一つ、西洋医学で不治の病と言われる筋萎縮性側索硬化症(ALS)を改善した例です。漢方薬の治療効果がどれだけ強いのか、見てみれば分かると思います。

 

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許先生の講習会に参加

次の研修.参観に出たのは17日の土曜日。

午前中は『傷寒雑病論』の講習会。講師は許先生。

 

10人くらいのいろんな年代の方がいました。

みんな『傷寒雑病論』を勉強する生徒さん。

 

笑っちゃったのは、エレベーターで上がるとき、ちょうどおじいちゃんが一人一緒に乗って同じ4階で降りたから、おじいちゃんは私を見てニヤッとしてました。

 

席に座って待っている間、そのおじいちゃんがまた現れて話しかけられました。

「中国語しゃべれますか?」

「え…はい。」

 

「あなた中国人ですよね?でも、あなたの顔、台湾人っぽくない。どこから来たのですか?」

「日本です。」

「中国のどこの出身ですか?」

「吉林省です。」

 

「へえ~~勉強の為に来たんですか?すごいですね!」とニコニコ笑いながら、おじいちゃんは前の席に戻り、その後はすぐ許先生の講義が始まりました。もっと話したら友達になったかも知れません(笑)

 


 

ニハイシャ先生の『傷寒雑病論』講義はDVDで何回も見ましたが、ニハイシャ先生の弟子の講義は初めてでした。

 

すべてニハイシャ先生の観点から出発し、更に広げた圧巻の内容で聞くのがとても勉強になりました。さすがニハイシャ先生の弟子!

 

10時から12時の講義はあっという間に終わり、許先生に聞いたら午後は2時からまた鍼灸の講義があるらしいです。「でも、李先生は鍼の講義を聞く必要がない。むしろ台に上がって演説する人ですよ。」と褒めてくれて恥ずかしかったです。

 

昼ごはんを済まして、午後4時からの診察の研修に出ようと診療所に入ったらビックリ。なんと生徒さんたちが30人くらい座っていて、まだ興奮状態でお互いに鍼を刺してました。

 

あとで話を聞いたら、許先生の助手が皆さんの鍼実践を見ながら教えるそうです。

 

あの風景は、中国の長春中医薬大学を思い出しました。

その時も鍼を少し勉強しただけで、みんな実践したがってましたね。

 

お互いに練習というか治療。

運が良ければ持病まで治る、運が悪かったら内出血して青アザ(笑)

 

ちなみに、私が中医学の勉強をしてきた道は波乱万丈というか、絶望・失念の段階から完璧な擁護者になりました。過去のことを記事にしたのがあるので、良かったらご覧ください。

 

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台北の面白かった街風景と診療所

以下は町中で撮った写真。

ちょっとした観光ですが、いろいろ見れて楽しかったです。 

 

診療所に向かう時に撮影したもの。

15日は曇っていて、101タワーの上は見えなかったです。

歩いている二人の左側の方、とても面白いリュックサックを背負っていたのでカシャカシャ。

 

面白いリュックサック

面白いリュックサック

 

診療所下の看板。

夜暗くてうまく撮れてません。

 

診療所1階の看板

診療所1階の看板

 

診療所のドア。

4Fでエレベーター降りたら、目の前にすぐドアが見えます。

先生たちの診察日など貼ってあります。

 

台北漢唐中医診所のドア

台北漢唐中医診所のドア

 

気になっていた料理屋、看板名を訳すると『豆乳お兄ちゃん』。

豆乳と揚げパン、揚げ饅頭は中国の東北でよく食べてたから。

 

後日食べて見ましたが、やはりうまかった!しかもすごく安い!

130元で2人お腹いっぱい!

 

安くて美味しい店

安くて美味しい店

 

 許先生が教えてくれた不思議な現象:

「台北の喫煙所には灰皿がない!」

地面には吸い殻がたくさん捨てられてました。

灰皿があったほうが、綺麗な街になるのに…逆効果ですね。

 

灰皿がない台北の喫煙所

灰皿がない台北の喫煙所

 

~続き~

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