こんにちは。李哲です。
アメリカでの中医師:李宗恩博士*1の漢方薬治療例を翻訳しました。
中国語本文のリンク先は、
(2009.9.25 発表)
胆嚢結石、逆流性食道炎、お腹が張るのは10日の漢方薬で治った
男性、55歳、中国人。
すべて電話で主訴を聞いて診察しました。
初診は09/10/2009。
主訴:
右肋骨下の胆嚢のあたりがチクチク痛む。押すとさらに痛い。
胃の中に空気がたまって、病院の制酸剤を飲んでいる。
夜食事してもお腹が空いて、なかなか眠れない。
温度:
足とおでこは温かい、手は冷え性。
寒がりで風を嫌がる、暑い天気は大丈夫。
喉の渇き:喉は渇く、冷たいものを飲みたがる。
汗:汗はかく、寝汗はない。
睡眠:早めに寝ても夜11時半には起きてしまう、夜中の1~3時の間はよく眠れる。
食欲:食欲旺盛、1日5~6回食べるけど、毎回の食べる量は少ない。寝る前にはお腹が空いてくる。
便通:柔らかめ、毎日1~2回。
尿:薄い黄色。
触診:胆嚢結石のツボを押すと痛い。
処方箋:
吳茱萸 桂枝 芍藥 炙甘草 生姜 ナツメ 茯苓 白朮 蒼朮 辛夷 石菖蒲 炮附子(加工したトリカブト) 柴胡 枳実 五倍子 海金沙 旋覆花 代赭石
【▲白朮の画像:小さな大根みたいな感じですね…】
09/20/2009、再診察。
患者さんの主訴:
右肋骨下の胆嚢結石の痛みは治り、夜寝る前にお腹が空くのは治った。胃液が逆流してお腹がはる症状は消えて、患者さんが自分で胆嚢結石のツボを押しても痛くならない。
李哲の解釈
先に処方箋の分析をします。
おおもとは、四逆散+桂枝湯+旋覆花代赭石湯+呉茱萸湯。
- 四逆散+海金沙+五倍子は、胆嚢結石を溶かす。
- 逆流性食道炎は旋覆花代赭石湯+呉茱萸湯で治す。
- 汗が出て風を嫌がる症状は、桂枝湯で治す。
10日で様々な症状を治すのは、さすがにニハイシャ先生の有能な弟子ですね…
西洋医学は、超音波で胆嚢結石があるかないかを検査します。
先進そうな医療機器には限界があるので、皆さんは知るべきです。
大きな胆嚢結石は見つけるけど、小さな結石は見つけられない。
だから、機械を信じてはいけません!
「鍼治療で10日ですべて治せるのか?」と聞かれたら、答えは難しいです。やってみないと分からない。もっと時間がかかるかも知れません。
以前、胆のう炎の患者さんを治療しましたが、やはり4回はかかりました。
2日に1回の鍼治療だと考えると、ちょうど8日ですね。この患者さんはすごい遠いところから新幹線で来たので、前後1~2ヶ月かかりましたが。
逆流性食道炎の胸焼け、吐き気がする、胃の膨満感などはもっと治しやすいです。
足つぼ整体でも治せるし、鍼治療ならさらに効果抜群です。
以下は2つの症例をあげますので、参考にして下さい。
▼数年前、私がまだ日本の鍼灸専門学校に通った時の起きたこと。
4本の鍼を刺して、20分くらいで治しました。
▼胃袋の上の弁膜に穴が空いて、永遠に治らないと言われた逆流性食道炎の男性。足つぼ整体を続けることで、すべての症状が良くなりました。
お腹が張るのは、主に胃腸にガスが貯まるのが原因です。
胃腸の働きを良くするために、ヨーグルトを飲む方がいますが、ヨーグルトを飲むとさらにガスがたまりやすいです。テレビの宣伝は簡単に信用してはいけません。
ヨーグルトを含む乳酸菌が良くない科学的根拠は、以下の翻訳文で詳しく説明しました。どうぞ目を通して下さい。
鍼治療の場合、内廷を1つ追加するだけで改善・完治ができます。ついでに鍼1本追加するだけなので、大したことないですが。
以下は一人の女性の鍼治療例。
お腹が張る症状以外に、睡眠の質も変えた内容です。
ニハイシャ先生の記事には、すごい内容がありました。
ウエスト120の女性!
120だと4Lサイズの頂点です。。。
なぜここまでお腹が張っているのか?
子宮に水が溜まっているのが原因だったのです。
詳しい説明は以下の記事をご覧ください。
李宗恩博士の治療例を見ると、様々な症状を配慮して一気に全部解決しました。中医学のトータルケアの模範例だと言っても良いでしょう。
たらい回しされない患者さんには、福です。
時間もお金も節約できる。
最も大事なのは、本当に治してくれることです。
トータルケアに関して、ニハイシャ先生は以下の記事で説明しました。
読んだことがない方はどうぞご覧ください。
◆サプリの副作用は腎臓結石!サプリで健康になるなら、この結石は空から降ってきたのか?
◆肝硬変の原因は、40年前の胆のう全摘出術。 西洋薬を20年飲んでも、血糖値が下がらない患者…などの漢方薬治療例
◆声がかすれる原因は胃酸の逆流。声のかすれ以外、五十肩・不眠症もついでに治った例【足つぼ整体】
◆胃がムカムカ、胸焼けは数回で治り、ついでに頻尿・更年期障害の背中がほてる症状も足ツボ整体で治った
*1:李宗恩博士の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外) をご覧ください。