【翻訳文】うつ病:気血を補って治す。

こんにちは。李哲です。

今日はアメリカでの開業医(中医師):鄭智城先生の文章を翻訳しました。

 

中国語本文のリンク先は、

都不容易:忧郁症治疗两三例_郑智城

翻訳文

最近、何人かうつ病の患者さんを診ました。良くなったのもあるし、良くなってないのもあるので、まとめて見ようと思います。

 

一人の中年男性。

ペンシルベニア州のスペイン人。

ある日、友たちに囲まれてこちらに来ました。うつ病だそうです。

 

症状は体力がなくて、仕事ができない。理由なしで泣いてしまう。生活には絶望の気持ちでいっぱい。

 

彼の顔色はとても悪かったです。

暗くて意気がない。

脈診では微、弱。

舌は薄くて、舌苔は白、厚い。

 

私は彼に聞きました。

「何がきっかけで、こんなに悪くなったのですか?」

「よく分からないです。たぶん去年の前立腺手術後から、悪くなった気がします。」

 

「前立腺は何の問題があったのですか?」

「前立腺肥大で尿の出が悪くて。」

 

中医学の隆閉という症状ですね。手術は必要があったのか?

 

結果的には、手術後に両手が震え始め、めまいがする。寝てる時に寝汗をかく。普段は身体が寒い。うつ。不眠症。下痢。食欲はまだ良い。

 

これは虚証ですね。

処方したのは黄耆、党参、桂枝、当帰、炙甘草、香附子、枸杞の実、蒼朮、茯苓。14日分。

 

蒼朮と茯苓を入れたのは、彼の舌苔が白くて分厚いから。

f:id:li-hari:20180511191401p:plain

香附子(こうぶし)の画像

以前ネットで見た中医学先生の記事。中では自分の祖先と自分を含めて、保元湯(ほげんとう)一つで無数の患者さんを治した。2003年のSARSが流行った時も、たくさん役に立ったそうです。

 

見ていて面白かったので、処方を研究して普及する価値があると思いました。

 

2~3週間後、私は彼に電話して状況を聞きました。

彼が言うけのは、「イエス様に感謝です。私は現在体調が良くて、仕事復帰しています。」

 

スペイン人は宗教を信じる人が多いです。

毎回、彼が診察に来た時は涙目で「ここに連れてきた彼の家族と友人に感謝している、生活に希望の光が見えた」と言ってました。

 

彼と彼の奥さんの診察費は、彼を連れてきた友達が払ってくれたから。

 

彼を連れてきた友達は、昔腎臓の激痛でこちらの漢方薬を飲んでから治りました。ただし、かなり前の治療例なのでカルテが探せなくて、どんな処方だったか分からない。

 

私は彼に言いました。

「本当ですか?それは良かったです。まだ泣いてしまうのですか?」

 

彼:「漢方薬を飲んでから1回だけ泣きました。全部の症状が良くなっています。ただ、睡眠だけまだ悪いです。」

 

もう一人のアメリカ人男性も、治療効果が良かったです。

 

この男性はアメリカ海軍兵士。身体はムキムキマッチョ。最近ずっとこちらで治療しています。

 

2年前、、男性は肩の手術をしてから、体調が急激に悪化してうつ病の症状が出ました。

 

具体的に言うと、いつも人と会いたくてない。何も興味がない。何もしたくない。その後、非常に流行っている浣腸をしてから更に悪化。

 

2ヶ月前に男性は友人の紹介で来たのです。当時、彼はうつ病の事は言ってなくて、肥満症が主訴でした。

 

私が処方したのは黄耆桂枝湯+陳皮+枳実(きじつ)。7日分。

 

f:id:li-hari:20180718185136j:plain

黄耆(おうぎ):気(体力)を補う効果が強い。もう一つの効能、腐った皮膚を再生することができる。

2週間後、男性は一人で再診察に来ました。

男性が言うのは「漢方薬を飲んでから気持ちがだいぶ晴れてきた。生活にも希望の光が見えてきた。」

 

たくさん話してから、私は男性にうつ病の歴史があるのを知ったのです。

 

処方は変えず、鎖陽を追加してまた1週間処方しました。

 

1ヶ月後男性はまた来て話しました。

「漢方薬を飲むと気分がとても良くなる。でも、漢方薬をしばらく止めると、またうつ病になり人に会いたくない、動きたくもない。だから、再診察が遅れてきた。」

 

私は今度保元湯をアレンジしたのを処方し、時間通りに再診察に来てくださいと言いました。

 

この男性は心臓が良くないです。

だから、肥満症が治らない。睡眠時無呼吸症候群(SAS)もあります。

 

肩の手術をして気血の損傷が起きて、更に心臓が弱くなり、そしてうつ病が起きたのです。

 

今の社会に溢れるたくさんのうつ病は、みんな手術の後遺障害です。

 

去年、中国人男性のうつ病治療をしたけど、効果が薄かったです。当時は肝気を発散するのと温めるだけにしたけど、保元湯を使えば良い効果が出たと思います。

李哲の感想:

保元湯(ほげんとう)の組み合わせは人参、黄耆、甘草、桂枝。鄭先生の処方は保元湯の上に蒼朮、茯苓、クコの実、香附子を追加しています。

 

臨床でみると、手術すればするほど、西洋薬を飲めば飲むほど、内臓がダメージを受けるのが大きいです。その引き金として、うつ病という新しい病名が流行っている。

 

西洋医学の先生は薬を出しがちですが、 常識で考えてください。

 

人の精神って、薬でコントロールできるものですか?

 

うつ病に関しては過去記事で討論したことがあるので、どうぞご覧ください。

f:id:li-hari:20180601140713j:plainf:id:li-hari:20180601140713j:plainf:id:li-hari:20180601140713j:plain
li-hari.hatenablog.com

  

鄭先生の観点は、気血が足りない人がうつ病になるので、気血を補えば治る。あとは、手術で気血の損傷を起こす。

 

「手術中に輸血しているのに、気血の損傷がないのでは?」という発言があるかも知れません。

 

今は内視鏡手術があって、体に対するダメージが少ないですが、それ以外の手術後は患者さんの体力がなくなり、いつもの通り走ったりできません。ひょっとしたら歩くのも、話すのも辛いかも知れない。

 

何故かと言うと、人間の体は密封された空間で、お腹を開けると中の『気』が抜けるからです。

 

漢方薬・鍼治療のあとは、体力がなくなって歩けない事とかはありません。体に穴を開けないから。

 

鍼治療でうつ病の患者さんはあまり診てないですが、鍼治療になった場合は心臓と脾胃の強化強化すれば良い効果が出ると思います。

 

三陰交、血海、中脘、関元、太衝など血に関するツボはたくさんある。百会、天柱、合谷など精神安定剤みたいに、落ち着かせるツボもあります。

 

精神安定剤など飲むと、人がバカみたいに頭がぼっとする。人を興奮させる抗精神病薬は、人工的な麻薬(ヘロイン)。その副作用は言うまでもないです。

 

根本的に治したい人は、近くの鍼灸医・漢方医に診てもらってください。