【翻訳文】楊貞先生の10個の治療例(1)

こんにちは。李哲です。

今日はニハイシャ先生の弟子:楊貞(やんじぇん)先生の治療例を翻訳しました。

 

中国語本文のリンク先は、

http://www.hantang.com/chinese/ch_Articles/studentcase32.htm

 

様々な治療例を通じて、漢方薬・鍼灸の治療効果が分かると思います。

 

 

楊貞先生の簡単な紹介

 

楊貞(やんじぇん)先生はもともと、中国で20年以上の西洋医学の先生をやってました。縁があって、ニハイシャ先生の中医学を学び、ニハイシャ先生の診療所で何年も研修。

 

楊貞(やんじぇん)先生は今、河南省通許県人民医院で、数百人の西洋医学の主治医たちに中医学を教えています。

 

通許県人民医院は、ベッド数1200人の大型病院。

西洋医学の治療効果が低くて院長先生が頭を抱えたところ、知人が楊貞先生を紹介してくれました。院長先生は半信半疑の気持ちで、とりあえず30人の主治医を選んで、楊貞先生のもとで中医学を勉強させました。

 

そしたら、研修わずか3ヶ月の間に、今まで治せなかった様々な病気が治り、主治医たちも患者さんたちも大喜び。

 

院長先生は治療効果にすごい喜んで、さらに100人の主治医を研修に行かせました。

 

それだけではなくて、病院の看護師・主治医全員に中医学を勉強させるように指示を出し、政府の力を借りて新しい病棟と中医学の研修基地を作り、ニハイシャ先生の中医学を普及しようとしています。

 

研修基地の開幕式にはニハイシャ先生の弟子、アメリカの開業医:李宗恩博士を特別に招待して、主治医たちに3時間を講演会をしました。

 

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真ん中の人が李宗恩博士。

 

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中国政府は今中医学の普及に力を入れているので、これも一つの起爆剤になるでしょう。

 

楊貞先生の努力で、もっとたくさんの患者さんが救われ、本物の中医学が広がる事を願います。

 

ニュースの具体的な内容・画像は、以下(中国語)をご覧ください。楊貞先生と李宗恩博士の画像も、以下のサイトから借りています。

西醫轉中醫 蛻變的開始 – 當張仲景遇上史丹佛

 

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倪海厦(ニハイシャ)先生の有名な弟子:楊貞先生の画像。

 

治療例1:胃出血・ダンピング症候群(低血糖症状)・頻尿・冷え症

 

男性、50歳、痩せ型。

2001年胃の出血で、大部分の胃を切除しました。

しかし、一回目の手術はミスがあり、2回めの手術で穴を埋めたのです。

 

手術後、彼の体調は一直線で落ちました。

彼は以前、特種部隊の一員でとても良い体質と意志力があります。食事が不規則で胃の出血が起きたのです。当時は手術しなくても大丈夫でした、何故かと言うと出血は止まっていたから。

 

症状:すぐお腹が空く。お腹が空いた時に、すぐ食べないと動悸・冷や汗をかくなどのダンピング症候群(低血糖症状)が起きます。

 

食欲はまだ良い。でも、食べる量がとても少ないです。

 

頻尿。尿意があったとき、1秒も待てない。

1回の尿量は少なくて、小便の痛みはない(西洋医学の検査では前立腺肥大、手術を勧めたけど彼は拒否しました。)

 

性機能は完全になくなり、朝たちもない。会陰部は筋肉が垂れて収縮力もない。

 

睡眠は良いけど、体力が悪くて倦怠感がある。

体は寒がりではない、足が冷える。肩の上からは熱さを感じて、汗かき。寝汗はかかない。

 

咽は乾いて温かい飲み物をほしがる。大便は毎日1回。尿色は透明。脈は洪、有力。舌苔は薄い黄色、厚くて乾いている。

 

診断:上熱下寒。腎臓の陽が足りない。手術で封蔵された陽気を失っている。

 

治療:(単位は銭)

石膏4両。知母3,甘草3、加工したトリカブト5,細辛3,烏薬6、◯◯3、◯◯5、◯◯3,◯◯5、◯◯3、◯◯3、川芎3、桃仁3、◯◯3、茯苓5、白朮3、陽起石3、莵絲子3、ハゲキテン3。

 

9月18日: 漢方を1週間飲んで、お腹が空いても耐えられる。尿量は増えて、頻尿は減り、体力がよくなりました。足はまだ冷たい。

 

患者さんが言うのは「会陰部から内側に卵サイズの腫瘍が縮まっている」(初診の時は言ってなかった症状)。局部には熱い寒い感覚はなし、両側の鼠径部には落花生サイズのリンパ節腫脹がある。

 

診断:進歩している。

治療:加工したトリカブトを7に増量。新しく◯◯3,◯◯5、◯◯1両を追加。ほかは変化なし。

 

1週間後、患者さんの症状は明らかに改善しました。

もうお腹が空いても耐えられる、お腹が空いて動悸・冷や汗をかくのは消失。

 

尿は増えて、尿意があっても5分間は我慢できる。毎回の尿量は増えています。

 

持続的に服用して、処方箋も変えなかったです。

1ヶ月後、患者さんが言うのは、腫瘍は70%縮まった。硬さも柔らかくなり、鼠径部のリンパ節腫脹も豆サイズになった。会陰部には力が入るようになり、朝たちが回復。尿意があっても20分間は我慢できる。下半身にも筋力がついてきた。

 

この患者さんは手術後の10年、すべての財産と時間を費やして治療に走り回ったけど、効果はなかったです。

 

この患者さんは、私が研修終わってから最初診た人。

 

患者さんの苦痛を解決できて良かったです。

ニハイシャ先生の教えに感謝します。

 

治療例2:慢性気管支炎・心不全・夜間頻尿

男性。87歳。痩せ型。

慢性気管支炎と心不全。

 

症状は発熱、咳、喘息、動悸が10何日も続いている。

ずっと田舎で西洋医学の治療したけど、悪化して今は咳で泡状の白い痰がたくさん出ます。

 

そして、唾液が口から垂れる。吸気が困難で仰向けになれない。食欲不振。食べる量はとても少ない。大便は1日2~3回、形がある大便。(病気になる前は長期的な便秘で、2~3日に1回の大便でした)

 

小便は1日15回。尿量は少なくて色は透明。

夜間の小便は4~5回。

手とおでこが熱い。両側の目の下は赤い部分がある。

 

脈診は細数。脈は1分に90以上。拍動が強弱不均等で、リズムが崩れている。

舌苔は真ん中が薄い黄色で赤くて乾いている。両側は白くて湿気っぽい。

 

診断:里寒。脈結代。陰陽は分かれる寸前。

 

治療:(単位は銭)

炙甘草5、生姜2切り、桂枝3、人参3、升地2、アギョウ3(3袋に分けて、毎回飲む時に1袋を溶かして飲む)、麦門冬5、麻子仁2、ナツメ10個、◯◯2,◯◯3、◯◯2、乾姜2、桔梗10、◯◯3,麻黄3、細辛2、◯◯3、◯◯3、半夏3、五味子3、◯◯3、加工したトリカブト6、澤瀉5、茯苓5、白朮3、烏薬5、柴胡3、栀子3、川芎3。

 

漢方薬を3日飲んでから再診察に来ました。

咳は著しく減って動悸は消失。仰向けで寝られる。話す時の咳もなくなり、痰の量も著しく減りました。

 

発熱は消えて、口から唾液を垂らすのも消えて、体力の改善は著しい。目の下の赤い部分は減って、食欲があり食べる量も増えた。脈診ではまだ細数、でもリズムは崩れてない。

 

10日後、諸症状が消えて食べる量が少ないのが残って、患者さんは薬を持って田舎に帰りました。

 

患者さんの病状は良くなったけど、処方箋の内容が多すぎる感じがするので、ニハイシャ先生に教えて頂きたいです。

 

治療例3:高血圧症・動悸・頭痛

男性、40歳、少し太っている。高血圧。

症状は動悸、頭痛がある。検査では2年前から高血圧(160-180/100)。彼は西洋医学の大学卒業。西洋薬の毒性を知っていて、ずっと西洋薬の治療は受けてないです。

 

体力は普通で、食欲が良い、肉類を食べたがる。汗をかきやすくて、特に寒がりでも暑がりでもない。

 

手は暖かくて足は冷たい。喉は渇く、温かい飲み物をほしがる。

大便は1日2~3回。便は硬めでお腹がよく張り、おならはしない。

小便は中~深度の黄色。

 

舌苔は黄色で分厚くて、湿気がある。

脈診では沈細。

 

診断:中焦の湿気、陽明病の熱証。

治療:(単位は銭)

石膏4両、知母5、炙甘草6(動機があるので)桂枝3、茯苓5、白朮3、猪苓5、澤瀉5、防已3、◯◯3、◯◯3、川芎3、牡丹皮3、柴胡3、黄芩3、◯◯3、◯◯3、◯◯3、◯◯3(3袋に分けて毎回飲む時に溶かして飲む)。

 

1週間後、患者さんが言うのはだいぶ改善されました。

食欲だけまだ大きい。処方箋は変えず、石膏だけ5両に増加しました。

 

10日後、血圧は正常値になり、動悸は消失。体力は良くなり、肉類ばかり食べたい気持ちが消えて、体重は下がりつつある。

 

処方箋で芒硝を削除し、ほかはそのままで飲み続けることにしています。

 

李哲の感想と解釈

治療例1を見ると、患者さんが可愛そうだとしか言えない。

西洋医学の手術してから10年、全財産と時間を費やすながら治療したけど、良くなってないです。

 

中医学の1ヶ月の治療が、この10年の治療よりも良い。

中医学の恩恵を受ける患者さんが増えたら、全財産を費やす必要がなくなります。 

 

貴方には10年が何回あると思うでしょうか?

 

以下は私の各治療例に対する簡単な解釈。参考になると幸いです。

治療例1の解釈

すぐお腹が空く、お腹が空いた時にすぐ食べないと手が震える。ひどい時は気を失う。これは低血糖症状。

 

低血糖症状の原因は、胃が部分的(もしくは全摘)切除されたからです。

 

西洋医学ではかっこいい病名をつけていますね、「ダンピング症候群」。

 

胃は切除しなくても治るのに、ダンピング症候群はあなた達が作り出したものでしょう?笑うしかないです。

 

低血糖症状の治療法に関して、西洋医学は「食事に気をつける。お腹が空いた時に、すぐ食べられるものを持ち歩いて下さい」と言うだけ。

 

これって治療ですか?

患者さんはいつまで食べ物を持ち歩けば良いでしょうか?

 

私のお父さんも、このような症状がありました。ただし、私のお父さんは糖尿病だと診断されています。

 

糖尿病であろうと低血糖症であろうと、症状が同じであれば治療法も同じ。これが中医学の治療原則。

 

私のお父さんは中国に帰って漢方薬を飲んでから、すぐ症状が消えました。以前はお腹が空くと落ち着かない、手が震えるなどの症状、すべて消失。

 

治療例2の解釈

仰向けで寝れないのは、肺に水が貯まっているからです。この場合は、心臓にも必ず問題が起きる。何故かと言うと、心臓と肺は隣同士。影響を受けない訳がないです。

 

治療としては心臓と肺、両方治さないといけない。

鍼灸治療を例にすると、背中の肺兪と心兪は両方とも刺さないと、病気はまた再発する。

 

心不全に関しては、過去記事にも書いています。どうぞご覧ください。

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li-hari.hatenablog.com

 

治療例3の解釈

動悸、頭痛は宿便が貯まっているのが原因。

一番の目印は、舌苔が黄色くて分厚いこと。

 

脈診では体内の冷えも見えますが、それは二の次。一番の問題は胃腸の毒(湿気と宿便)を先に出すこと。

 

だから、処方箋には便を柔らかくする芒硝。湿気を出す白朮、茯苓、澤瀉、防已などが入っています。

 

鍼治療の場合、湿気を出すのは定番の陰陵泉・地機・三陰交。 

便通が良くなった例もアップしています。以下は一つの例、参考にしてください。

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li-hari.hatenablog.com

 

~続く~