日本脳炎で高熱・意識障害に陥った子供、4日の鍼治療で治り、後遺障害も残ってない。

こんにちは、李哲です。

鍼灸名人:陳応龍先生*1の症例を翻訳しました。

 

日本脳炎だと診断され、高熱・意識障害・背中が痙攣してエビソリ状態になった子供を4日間の鍼で治した症例です。前回の翻訳文は以下の記事。参考になるので、どうぞご覧ください。

 

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日本脳炎だと診断された子供、高熱・意識障害・けいれんなどの症状は5日で完治し退院した

 

患者さんは14歳の女の子。

初診は1973年6月28日。

 

具体的な症状:

40度以上の高熱が続いて昏睡状態に陥り、手足は硬直したまま、背中がエビソリ状態。「日本脳炎」だと診断されました。

 

日本脳炎の高熱、意識障害を4日で治した鍼灸症例

 

ある病院で6日間入院し、すべての治療法を試したけど変化がない。そして、患者さん家族は陳応龍先生を往診に呼んだのです。

 


 

検査:脈診では洪大有力。顔とほっぺは極度の赤み。舌診ではベロが赤くて紫色。舌苔はなくて津液も少ない。

 

治療過程は以下の通りです。

1日目の鍼治療:

刺したのは太陽、印堂、大椎、身柱、至陽、背陽関。

十二井穴を刺絡し、瘀血を出す。

施術した翌日には体温が38.7度まで下がり、意識が少し改善しました。

 

▼李哲の説明:刺絡療法で意識障害に陥った患者を救った例は、他にもあります。以下の記事、どうぞご覧ください。

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2日目の鍼治療:

十宣穴で刺絡。

その後、鍼をしました。

百会、大椎、曲池、合谷、足三里、三陰交、太衝、みんな瀉法。

施術した翌日には、体温が37度まで下がりました。意識は戻り、手足の硬直・背中がエビソリ状態になったのは治りました。

 

▼李哲の説明:以下はもう一つの高熱を下げる鍼灸症例、参考になると幸いです。

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3日目の鍼治療:

風府、中脘、天枢、太谿、湧泉。

施術した翌日には、精神状態が正常に戻り、流暢に話せる。手足の動きは回復しました。 

 


 

4日目の鍼治療:

通谷、関元、合谷、足三里、三陰交。先に瀉法、後で補法を行う。

施術した翌朝には、座ったり立ったりができました。空腹感が分かるようになり、諸症状が消えたので退院。

 

▼李哲の説明:お腹が空く(空腹感がある)のは、健康な方であれば誰でもある症状です。過去記事で説明したのがあるので、良かったらご覧ください。

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往診のときの余談話:

この子は、もう死ぬしかないだろう...陳応龍先生を往診に呼んだのも一応緊急救命してみて、たとえ甚大な後遺障害が残っても仕方ないだろう…とみんなが思ったそうです。しかし、子供は死んだところか逆に生き返り、後遺障害もありませんでした。

李哲の解釈と説明

陳応龍先生の解釈をもとに、私の説明を加えて、なぜ鍼で高熱で意識不明状態に陥った子供を救えたかを説明します。

 

日本脳炎は中国昔の「温病」に属します。伝染病などで意識不明状態・高熱が続く病気の種類。治療が間に合わないと、もちろん患者さんは死にます。

治療に使ったツボの解釈

 

●上記の十宣、十二井穴は五臓六腑の熱毒を出す最も有力なツボ。特に意識不明状態のときに使います。以下は刺絡療法の臨床例、参考になると幸いです。

 

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●大椎、身柱、印堂は督脈のツボです。督脈は全身の陽気を統括する経絡で、熱毒が溢れるとき外に出すことができます。さらに、解熱鎮痛作用がある合谷、曲池で熱を下げる。

 

●太谿、湧泉で失った津液を補充する。

 

●中脘は胃の募穴。

●天枢は大腸の募穴。

●関元は小腸の募穴。

この3つで消化系を強化し、患者さんの回復を加速。

 

上記の理由で、子供の高熱は下がり意識は戻って、わずか5日間で後遺障害もなしで回復しました。

 

中脘と関元の効能などの説明は、以下の記事が参考になるので、どうぞご覧ください。 

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意識障害に陥る高熱は、西洋薬を使ったから起きる

 

日本脳炎の概要を引用させていただきます。

日本脳炎は、日本脳炎ウイルスにより発生する疾病で、蚊を介して感染します。以前は子どもや高齢者に多くみられた病気です。突然の高熱、頭痛、嘔吐などで発病し、意識障害や麻痺等の神経系の障害を引き起こす病気で、後遺症を残すことや死に至ることもあります。

 

引用先:厚生労働省・健康医療・日本脳炎ページ

意識障害は、体が耐えられる限界の高熱で起きます。言い換えると、高熱さえなければ意識障害にはなりません。

 

人間には免疫力があり、外部からウィルス・細菌が侵入したとき、自動的に攻撃を始めます。そして、よく出る症状が高熱。

中医学の言葉でいうと、「陽気」がフル稼働。西洋医学の言葉でいうと、白血球などの免疫細胞数が著しく増える。

 

また、人体には過剰抑制システムがあり、熱が過剰に上がらないようにします。そうしないと、高熱で体がダウンするから。

 

しかし、なぜ高熱で意識障害になり、けいれんになる人がいるのか?もっとも多い原因は、西洋薬を使ったからです。西洋薬で体の免疫システムが打撃を受けて、コントロール不可能になっているから、体が耐えられる熱の限界を超えて意識障害・痙攣を起こすのです。

 

鄭智城先生の記事でも説明しているので、参考になると幸いです。

 

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ボロ儲けする西洋医学と違って、中医学の治療代はめちゃくちゃ安い

 

西洋医学では解熱剤を投与するのが一般的だけど、解熱剤で胃腸がやられる人は少なくないです。安全性に優れて、効果抜群の刺絡療法を導入しない現実はむなしいとしか言えません。

 

それもそうでしょう。

刺絡療法で熱が下がるのをみんな知っていたら、解熱剤が売れなくなる、製薬会社は大損!

 

2018年7月、この1ヶ月だけで解熱鎮痛剤の売上は2.4億円*2ですよ。注意して下さい、1年ではなくて1ヶ月で2.4億円!

 

漢方薬、鍼灸治療はいくらだと思いますか?

上記の症例は、4回で治りました。当院の料金で計算すると約3万円。西洋医学も放棄したのに、保険適用外で3万円で命が助かります。これで高いでしょうか?

 

以下は日本脳炎ワクチン接種後に起きた後遺障害を、漢方薬で治した例。中医学は日本脳炎を治すだけではなくて、ワクチンの後遺障害まで治せる(ケツを拭く)ことを覚えて下さい。

 

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日本脳炎ワクチンよりも、諸症状を治せる漢方薬・鍼灸を受けて下さい

 

日本脳炎のワクチン接種は推奨されています。

ところで、漢方薬・鍼灸で簡単に高熱が治る事を知ったら、あなたは副作用だらけでギラン・バレー症候群になる可能性があるワクチンを打ちますか?

 

西洋医学は副作用が数%しかないと言うけど、あなたにとっては一か八かの問題です。何%なんてありえない。

 

不幸に高熱で意識障害、痙攣などが起きたら、安易に解熱鎮痛剤を頼らないで下さい。漢方薬・鍼灸などほかの治療方法もあります。効果が良いだけではなくて、副作用がありません。

 

一般的な発熱、咳、鼻水などは鍼灸で簡単に治るので、信頼できる鍼灸院で治してもらって下さい。「風邪、インフルエンザは治せない」と言われたら、ほかの鍼灸院を探すべきです。

 

前にも説明しましたが、治せないのは鍼灸医の問題、鍼が効かないわけがありません。

 

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