- 「医者医病不医命」
- 胃痛は治るけど、大量のお酒を止めないと治らない
- 慢性下痢と精神的な要因の関連性
- 立ちっぱなし仕事は腎臓に悪くて、腰を壊す
- パソコン、スマホ画面で肝臓がどんどんやられる
- 治療家が治せるのは身体だけ。気持ちの持ち方、食生活習慣は患者自分で決める
「医者医病不医命」
こんにちは。李哲です。
中医学に古い言葉があります。
「医者医病不医命」
意味は、医者は病気を治せるけど、
その人の「命」(性格・気持ちの持ち方・考え方など)は治せない。ということです。
たとえば、お酒の飲みすぎて肝硬変、肝臓癌になった人がいます。
お医者さんは投薬や針灸、按摩などで治せるかもしれませんが、 患者さんがお酒の飲み方を変えなければ、 肝臓の病気は復活する可能性が高いでしょう。
【▲ お医者さんは身体の病気は治せるけど、生まれつきの性格・考え方・気持ちの持ち方などは変えられない 】
胃痛は治るけど、大量のお酒を止めないと治らない
以前、胃痛でよく来た男性の話。
仕事のストレスで毎晩お酒をたくさん飲んでいたようです。
足ツボマッサージと整体で、5~6回くらいで胃の痛みは改善され、
すぐに通わなくても大丈夫になりますが、 しばらくするとまた同じ症状を訴えてやってきます。
毎回毎回、その人が来たときには言いました。
『私はただあなたの胃痛をやわらげるように、 体の治癒力を呼び出すだけです。 最終的にあなたを治せるのは、あなた自身。
あなたがまたたくさんお酒を飲んで、自分の体を 乱暴に扱うなら、私はこれ以上あなたを助けることはできません。』
慢性下痢と精神的な要因の関連性
また、慢性下痢の症状に悩む若い男性が 、「病院の薬ももう効かなくなってしまいました」と 私のところに来たことがありました。
「じゃあ、足ツボを試してみたらどうですか?
2~3回くらいで下痢は止まると思いますよ。」
案の定、2~3週間後には下痢が止まりました。
症状の原因は、彼のプライベートでの精神的不安。
「神経性腸過敏症」という病名があります。
常に緊張して、強いストレスや不安が続いた場合、 食べたものが消化できずそのままお腹をこわす病気です。
悪いものを食べてお腹がこわれるのと違って、 これは感情から来ます。
内臓を強くするのも大事なのですが、ストレスの原因を取り除くか、 自分の心の持ち方や考え方のクセを変えなければ、なかなか治りません。
楽しい気持ちや嬉しい気持ちは、内臓の働きを活性化します。
逆に、不安や恐怖、怒りは内臓の動きを低下させます。
施術中、なるべくたくさん彼に話しかけて、 彼の不安を取りのぞくように配慮しました。
その後も彼は2~3週間に一回予防のため通っていましたが、 症状はなくなりました。
立ちっぱなし仕事は腎臓に悪くて、腰を壊す
今度は最近来た若い男性の話です。
腰痛がひどく、朝起きられない時があるとのこと。
いろいろ聞いてみました。
「一日の仕事は座りっぱなしですか?」
「いいえ、立ちっぱなしですね。」
「寒い日にひどくなりますか?雨の日や冬はどうですか?」
「寒い日はだめですね、とくに冬は怖いです…」
「もしかして、住んでいる処は太陽があまり当たらないですか?」
彼はびっくりして「何でわかるんですか?」
「いや、あなたの体を触って分かりました!」
『黄帝内経』の中に書いてあります。
久視傷血,久臥傷気,久坐傷肉,久立傷骨,久行傷筋,是謂五労所傷。
『黄帝内経・素問・宣明五気篇』より引用
立ちっぱなしの仕事は、腰と腎臓を傷つけます。
生れつき腎臓が弱い人には 、こういう仕事はあまりおすすめではないです。
▼ 腎臓が弱い人にありがちな症状は、
- 昼より夜のほうが手足が熱くなり
- よく汗をかく
- 咽が渇いてイライラしやすい
- 腰が重苦しい
- 足にあまり力が入らない
- 腰が痛くて中が冷えているような感じ
- 冷え性
- 頻尿
私はその男性に言いました。
『今の睡眠時間は3時間くらいでしょう?
必ずそれ以上に増やしてください。
寝ないと体は自分で修復する時間がないです。
今は若いからなんとかなりますが、10年後が怖いです。
あと栄養を摂ること。
こんなに痩せているのに、鶏肉ばかり食べてはいけません。
あなたの体質には牛肉が合ってるから、
スープとかにしてよく飲んでください。
棗(なつめ)も血を養うのに良いですので、 なるべく一日10個くらいは食べてください。
3ヶ月くらい経ったら楽になると思います。
ツボ療法も続けてください。
あと、贅沢な要求かも知れないけど、 陽あたりが良い部屋に引越ししてください。」
パソコン、スマホ画面で肝臓がどんどんやられる
最近は、パソコン事務処理の仕事の人が多いですね。
お客さんの中にはこの手の業種のOLさんが多く、 みなさん目の疲れを訴えています。
足ツボを行うと、ほとんどの人が肝臓に痛みを感じていました。
「なぜ、お酒も飲まないのに肝臓が弱っているんですか?」と皆さんは不思議がっていました。
原因は簡単に言えば、パソコン画面の見すぎです。
中医学の考え方では、肝臓と視力はとても関係が深いのです。
肝臓の血が目を養っているから、目がよく見えるのです。
養う血が足りなくなれば、視力は下がります。
アルコールを大量に摂取する人の眼は、濁って汚れています。
肝臓が大量のアルコールで壊れて、きれいな肝臓の血が少ないので、目を養う血も足りないのです。
肝臓を守ることは、病院の薬を飲まないこと、早寝早起きすることです。他にもありますが、以下の記事をご覧ください。
治療家が治せるのは身体だけ。気持ちの持ち方、食生活習慣は患者自分で決める
私たちに治せるのは、詰まっている所をほぐして
気の流れがよくなるように、弱くなっている内臓を刺激して
もっとよく働くようにすることです。
たとえて言うなら、消防士と同じでしょうか?
火災が起きたときにはすぐに消火活動が必要ですが、
そもそも火災が起きないようにすることが肝心です。
そのためには、
日頃から自分で気をつけなければなりません。
病気の原因は、自分自身にあります。
健康食品を食べたり、
CMで「体に良い」というものさえ摂っていれば、
病気にならないとは限りません。
外側からの何かに頼ったり助けを求めたりしなくても、
人間は、もともと驚くほどの自然治癒力を持っています。
簡単に言えば食生活、睡眠、心の持ち方でしょう。
明日から、よくない習慣はすべてお断ちなさい!
というのは無理だと思いますが、
少しでも自分を変える努力をしましょう。
ツボ療法はあなたの健康を保ち、
痛みやつらさをやわらげることは出来ますが 、
あなたの全ての痛みとつらさを解決することはできません。
私たちは、あなたが自分自身の問題に気づき、解決していくための お手伝いをしていきたいと考えています。
(おわり)