子供の川崎病を鍼4回で完治した例で、川崎病のいちご舌・皮膚が痒い原因を中医学理論で説明します

【※本記事は2020-09-25更新しました】

 

こんにちは。李哲です。

川崎病は西洋医学で「難病指定」にまでされています。

 

「不治の病」だと言うのは西洋医学。

鍼灸にとって、川崎病を治すのはさほど難しくないです。

 

今日は、4回で子供の川崎病を治した例と、川崎病のいろんな症状を中医学の理論で解釈しました。参考になると幸いです。

 

 

川崎病だと診断された子供

 

患者は女の子、3歳半。

病院で「川崎病」だと診断されました。

 

女の子の主な症状は、

  • 食欲ない
  • 便通悪い
  • 眼球結膜が充血して真っ赤
  • 唇中に水疱ができて、痛くてご飯が食べられない
  • 全身の皮膚が痒い、特に手指が痒くて掻いて脱皮する
  • 左右の口角は裂けて、痛そうだった
  • ベロはイチゴ色(川崎病の特徴とも言える「いちご舌」です)

 

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お母さんは病院で脅かされました。

「治療法は血液製剤しかないです。すぐ治さないと心筋梗塞で死ぬかも知れません!」

 

しかし、お母さんは先に鍼を試す事を決意して、子供を連れて来ました。

「鍼がダメだったら、また考える!」

 

お母さんは長い間、こちらで鍼治療を受けた人。

4回で川崎病の諸症状(いちご舌、皮膚のかゆみ、食欲不振など)が治って、食欲回復・便通は良し

 

以下は子供の治療経過です。

自覚症状の変化を書いて、中医学の解釈もつけました。

1回目の鍼治療:特に感想なし

2017年4月15日。

刺したのは、中脘、天枢、心兪、肺兪。

 

子供は置鍼する必要がないので、刺して回してすぐ抜く。だから治療は5分くらいで終わりました。鍼が終わったあと、子供はグッタリして眠そうな顔でした。

 

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2回目:前回の鍼で眼球結膜の充血が治り、皮膚のかゆみが軽減

 

2017年4月18日。

お母さんが言うのは、

「前回の針の後、大小便がドバっと出て、昨日だけ便通がないです。」

 

ほかの症状の変化は、

  • 眼球結膜の充血は治った
  • 全身の皮膚のかゆみは軽減
  • 口角が裂けているのは、右だけ残っている(左はもう治っている)
  • 口中の水疱は、まだあり

 

刺したツボは、同上。 

帰りにお母さんとおばあちゃんに、「天枢と中脘にお灸をして下さい」と伝えて、マジックペンで印をつけて上げました。

3回目:皮膚のかゆみはもう治り、食欲・便通は大変良い

 

2017年4月20日。

天枢と中脘にお灸を3個ずつやったら、食欲と便通は良くなった。たくさん食べれて、たくさん便通がある。

 

ほかの症状の変化は、

  • 皮膚のかゆみはもうない
  • 口角は右だけ少し裂けている

 

親が言うのは、子供は基本的に元気であるそうです。

 

今日刺したツボは、心兪、肺兪、地倉(左)、合谷穴。

 

地倉穴は子供の口角が裂けているから、速く回復させるために刺しました。左の地倉と合谷穴は、子供が泣きながら暴れたので出血。血は脱臭綿花ですぐ収まりました。

 

鍼の画像

4回目:皮膚が剥けるのが軽減、川崎病の特徴「いちご舌」も正常になってきた

 

2017年4月25日。

右の口角の裂けたのは治り。

手指の皮が剥けるのは減ったけど、足指の皮が剥けているのがありました。

 

大便はマチマチ。

病気になる前はいつも午前中だったけど、今は午後になるときもある。

 

ベロを見せてもらったら、舌苔は以前のイチゴ色ではない。正常に近くなりました。

 

口内、唇の中はまだ水疱が少しあるけど、ご飯を食べるのには支障がない。普通に食べています。

 

鼻腔の外側に、鼻水が乾いて白くなったのはなくなりました。

 

今日刺したツボは心兪、肺兪、肝兪、血海。

解毒作用を強化する為に、肝兪と血海にしました。

 

血液の中の毒素が減れば、指が痒いのが減ると思います。

 

今日子供の状態を見た限り、だいたいオッケーです。しかし、お母さんが言うのは病院の治ったという診断書がないと、幼稚園に戻れない。


今日で治療を終わりにしたかったけど、念のために来週もう一度針をすることにしました。

 

治した鍼灸医が診断書を出すのは違法。

治ったかどうかは、治療もしてない西洋医学の診断書が要る。

 

不思議な医療世界です。

 

西洋医学の診断書が要るのが不思議!

5回目:ほぼ正常なので、特に治す所なし

 

2017年4月28日。 

特に治す所がないので、強化する為に前回と同じツボを刺しました。その後はずっと来てないです。

病院の先生は、川崎病が治ったと診断した

 

2017年5月30日

久しぶりに来たお母さんに、娘さんの体調を聞いたら、5月の頭ごろ検査した時、皮膚の荒れもないし他の症状もなかった。

病院の先生は、「川崎病はもう大丈夫!」と診断書を書いてくれたそうです。

 

血液検査結果は翌日伝えると言ったけど、何も電話が来てないそうです。おそらく異常がないからでしょう。

 

病院の診断書があるので、今は普通に幼稚園に通っているそうです。

 

子供は他に痰が多いなどの自覚症状はあるけど、川崎病で困ることはもうなくなりました。

 

お母さんの鍼に対する信頼、ありがとうございます。

無事解決し、私も一安心です。

 

患者が良くなって一安心

川崎病のいちご舌、皮膚のかゆみを、中医学理論で解釈する

 

西洋医学でいう川崎病を、中医学の角度で分析しようと思います。

 

特徴的なイチゴ色のベロ(舌苔)。

 

中医学の理論では、ベロは心臓がコントロールします。

ベロの色が変わるのは、心臓の調子が良くないのを示す。

 

あと、普通はベロの上に薄い白い膜があるはずなのに、これがないのは胃の調子が良くないことを示す。食欲不振の症状が多い。

 

つまり、ベロだけで心臓と胃、2つの臓器と関係があります。

 


 

全身の皮膚のかゆみ、脱皮する。

これは血液中の毒素が多いからです。

 

解毒に関わるのは、一番目に肝臓だけど、鍼灸では大腸経のツボで解毒します。なぜなら、毒素は大便から出る時が多いからです。

 

健康な人は必ず1日1回はバナナ便が出るので、この常識も忘れないで下さい。

 

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川崎病の子供は便秘だったので、天枢穴と中脘穴で便通を良くして、その後の残りのかゆみは合谷穴などで解決。

 

  1. 心兪で心臓の強化。
  2. 天枢と中脘穴で血液毒素を大便から出す。
  3. 胃を強化して食欲不振を治す。

(便通が大丈夫な子供は、曲池と血海を選んだ方が良いと思います)

 

以上のことで、子供の川崎病が治りました。

 

皮膚のかゆみに関して、鍼治療の効果は著しいです。以下はもう一つの難病だと言われる貨幣状湿疹を治した例。大人なので数ヶ月かかりましたが、ステロイドで抑えるしかない皮膚病を治しました。

 

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7歳以下の子供は、気がとても強いです。

現代の言葉で言うと、生まれつきの免疫力がとても強い。

(大人の免疫力がめちゃくちゃ低いのは、考え過ぎと運動不足、ゴミ食品を食べ過ぎ)

鍼は置鍼する必要もなく、刺して少し回せば、すぐ気が回ります。治療の回数も、大人みたいにかかりません。

 

西洋医学では治療しないと心筋梗塞になると言いますが、それは西洋医学の治療を受けたからです。つまり、心筋梗塞は西洋薬の副作用。

 

中医学の理論から言うと、手足が温かい人は、心筋梗塞になりません。 

 

心臓病に関する中医学の論文は、以下の記事が参考になります。

 

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川崎病の治療薬は副作用が多いので、第一選択にしてはいけない

 

川崎病で使う西洋薬は、主に2種類あります。

  1. アスピリン系の薬
  2. 免疫グロブリン

治療効果は後にして、我々は先にその副作用を知らないといけません。

アスピリン系の薬の副作用:胃出血・脳出血

 

アスピリンは痛み止め、血栓症の予防としても処方されますが、副作用も著しいです。最も多いのは、胃の出血。

 

アスピリンは血栓を溶かすと言われるけど、血管の壁も溶かすので壁がもろくなります。一旦、脳内血管が破れた場合、結果は恐ろしい。

 

クモ膜下出血.脳出血になった人は、西洋薬の飲み過ぎが原因です。

 

誰々さんがクモ膜下出血で緊急入院、手術をして一命を助かったニュースを見たことがあるけど、笑うしかないことです。病院の薬を飲んだから、クモ膜下出血になったのに、今はまた病院の治療で一命を取ったと言いますね?

 

アスピリンのほかの副作用は、ニハイシャ先生が書いた論文が参考になります。

 

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免疫グロブリンの副作用は、山ほどある

 

以下の引用文献を見てください。

これを見ても、試してみたいでしょうか?

ちなみに、黄色い線を引いたのは、致命的な病気です。

重大な副作用としては、ショック、アナフィラキシー様症状、肝機能障害、黄疸、無菌性髄膜炎、急性腎不全、血小板減少、肺水腫が報告されています。 この他にも悪心、嘔気、皮疹、悪寒、発熱、頭痛等の報告があります。

引用先:免疫グロブリン製剤の安全性 一般社団法人日本血液製剤協会

 

西洋薬を使う前、自分で調べるべき。

お医者さんは重篤な副作用を言わない、副作用を知らないお医者さんも多いです。

「病院の治療は、絶対こんなに早く治らない」と親が話した

 

中医学の漢方薬と鍼灸は西洋薬と違って、副作用がない。

効果が現れるのは、西洋薬よりも早いです。

 

子どものお母さんとおばあちゃんは言いました。

「病院の治療を受けたら、こんなに早く治らないと思う。」


この子供の例を書いたのは、皆さんに川崎病は他の治療方法もあることを伝えるため

 

ハイリスクの薬を使う前、鍼灸治療も検討する親が増えることを願います。

 

(おわり)