こんにちは。李哲です。
クライン・レビン症候群、日本の病院では「不治の病」だと言っても過言ではないです。しかし、台湾にはクライン・レビン症候群を著しく改善した漢方医がいます。
作者は台湾の漢方医。ニハイシャ先生の弟子です。
以下の記事には、診療所の電話番号・住所など書いてあります。
クライン・レビン症候群の治療記事。
中国語本文のリンク先は、
- クライン・レビン症候群とは
- 突然眠ってしまい、記憶力低下・疲労困憊・妄言などの症状があるクライン・レビン症候群患者さん
- 漢方薬を飲んだ翌日から疲労困憊が消え、記憶力が良くなって、突然眠ってしまうのが治った
- 李哲の感想
クライン・レビン症候群とは
先に簡単な紹介です。
クライン・レビン症候群(クライン・レビンしょうこうぐん Kleine Levin Syndrome。省略してKLS)は、反復して起きる過度の睡眠.行動の変化の疾病です。
病気はよく昼間若しくは夜、ほとんどの時間は寝ている。トイレに行く時と食事の時だけ目が覚めます。
たとえ目が覚めても、頭がぼっとして智力は子供みたい。
患者さんは意識混乱、方向感覚の錯乱、全身けん怠感。情緒の淡薄などの症状もあります。
患者さんはこの疾病で正常な登校、仕事ができない。
ほとんどの患者さんは一日中ベッドで寝ていて、疲労困憊で他人との意思疎通ができない。
患者さんが言うのは、一つの事に集中できない。
そして、光と音に過敏になる。
過食も個別のケースで観察できます。
病気が発作した時、男性は過度な性衝動があり、女性は鬱になりやすい。
患者さんによって何週間.何ヶ月.何年にも発作しない。でも、あるキッカケでまた再発。
発作した患者さんの健康診断は、よく異常がないと言われます。
現在、この病気の原因はまだ不明。
ある研究員たちが疑うのは自己免疫、視床下部異常(食欲、睡眠の中枢だから)。ドーパミン分泌の不足。だから、有効な治療もありません。
突然眠ってしまい、記憶力低下・疲労困憊・妄言などの症状があるクライン・レビン症候群患者さん
患者さん:
張○○、女、台南県人。
初診:
1999年2月9日。
その後は3月10日と3月29日に再診察。
症状:
- 発作する前に解放感があり、突然寝てしまう。周りの人が起こしても目覚めなくて、自分で起きるのを待つしかない
- 目覚めた後は記憶がない、親族も分からなくなる
- 妄言(人間が動物に見える)
- あちこち歩く
- 食欲はある
- 聴力は弱い
発作してない時は、
- 疲労困憊
- 精神状態が良くない
- 記憶力低下
- 大便は1日1回、便の質はまだ良い
- 小便の色は薄い黄色
- 頭痛がする
- たまに手がしびれる
- 舌苔は薄くて白
- 喉には痰がある
妄言(人間が動物に見える)の現象は、約5時間くらいで消えて正常に戻る。
脈診:
左は浮緊実。
右は浮緊。
処方箋:
当帰四逆湯8、せんきゅう1、葛根1、柴胡1、生地黄1.5、党参1.5。
14日分。
漢方薬を飲んだ翌日から疲労困憊が消え、記憶力が良くなって、突然眠ってしまうのが治った
その後の記録:
患者さんは西洋医学の治療を求めた事があります。
西洋医学は原因も不明だと言うけど、薬を出したそうです。患者さんは西洋薬を飲まないで、紹介でこちらに来ました。
初診は2月9日。
でも、陰暦の1月3日になってから漢方薬を飲み始めました。(旧正月の時に発作したから思い出したのです)
患者さんのお母さんが言うのは、「飲んだ翌日は精神状態がとても良い、疲労困憊の姿はなく記憶力まで良くなった。漢方薬の効果に非常に驚きました!」
3月25日まで1回も発作してなく、25日の朝に発作した(学校の監視カメラに撮られた。お母さんは3月29日に見せてくれると言ったけど忘れて持ってきてない。)
25日の朝に発作したあと、当晩に診療所に電話が入りました。
私は「飲食習慣が原因です」と答えました。
今まで発作してないのに、急に発作したのは、なにか変なものを食べたからです。
3月29日に原因が分かりましたが、3月25日の3日前に風邪で3日の西洋薬を飲んだ。そして、3月24日に市販のレモンジュースを飲んだ。
これが発作のキッカケなのです。
3月29日、自費で7日間の漢方薬を買いました。(保険制度だと、3月10日に28日分の漢方薬をもらったので、次から有効なのは4月8日からなので)。
患者さんは4月22日になっても再診察に来ていません(住まいが遠いのもある)、だから、まだ飲んでいるのかは知りません。
ただし、その前の治療は非常に効果が良かったので、同じ症状の患者さんに参考になればと思い書きました。
同じ原理で、患者さんの記憶力はたくさん進歩しているので、記憶増強したい方は西洋薬の記憶増強剤を飲む必要が無いでしょう。この処方箋は参考になります。
李哲の感想
私はまだクライン・レビン症候群を診たことがありません。
ただし、いろいろ自覚症状から治療方向の予測はできます。
例えば手足が氷みたいに冷たい。
ずっと寝ているのは、陽気(エネルギー)が足りないからです。
ツボを選ぶ時は、関元にお灸して低体温を上げる。
合谷と太衝穴で精神安定剤みたいな効果を出す。
腎兪と京門で腎機能を強化し、記憶力を強める。
公孫と内関のセットで心臓と胃腸を強化し、『神』(俗で言う魂)を安定させる。
… …など。
鍼灸治療では漢方薬ほど速くはないけど、陽気を補って冷え症を治し、精神安定などの効果はあります。
今後もし症例がありましたら書こうと思いますが、なかなかないでしょうね。
難病だと言われたら、ほとんど大学病院とか難病センターに送って、鍼灸院に行ってみよう!という患者は少ないから。
鍼灸だと日本の皆さんが持っているイメージは、肩こり腰痛くらい。鍼灸でいろんな内臓の病気を治すなんて、考えたこともないと思います。
悲しい鍼灸の立場。
生きているうちに頑張って変えます!