【※本記事は2019-11-20更新しました】
こんにちは。李哲です。
今日はアメリカでの中医師:鄭智城先生の記事を翻訳しました。
もとの中国語本文のリンク先は、
(2013ー11ー13 発表)
翻訳文
黄耆甘草湯は以前使ったことがなかったです。
ある日この処方を知り始め、書かれた効果は「治老年人溺尿,玉茎痛如刀割,不論年月深久立效」。これで私は注意し始めました。
ネットにはある人が使った経験談があって、お母さんに飲ませたら夜間頻尿がだいぶ減ったそうです。
私も試すことにしました。
私のお母さんも夜間頻尿があります。秋に入ってから咳も増えました。
いろいろ処方したけどあまり効果がなくて、黄耆甘草湯を処方したらすぐ咳が緩和したのです。
私の長女も咳が多かったです。
一番最初の処方は効かなくて、この黄耆甘草湯をアレンジにしてみたら速効性が出ました。
長女は最近また寒気にやられたのか、咳して鼻水がダラダラ、くしゃみなどの症状。
私は風邪だと思い、処方箋を出したけど逆に悪化して一晩中咳をしていました。長女と私は二人とも寝られなくて大変。黄耆甘草湯にしたら、すぐ咳が止まりました。鼻水はその後、何日かで自然に消えました。
長女がいろいろ病気になりやすいのは、ワクチンを打ったのが多いからです。これは過去記事を見れば分かります。
ある日、一人の男性が電話して来て言うのが、「最近1~2ヶ月睡眠が悪いです。特にこの1週間は眠れなくて精神崩壊しそうです。」彼はすぐ休暇を取って診察に来ました。
脈診してみたら、両側とも軟弱無力。
これは酸棗仁・竜骨・牡蛎・釣藤鈎(ちょうとうこう)など使う症状ではない。
そして、大胆に黄耆甘草湯を処方しました。3日分。(実はそんなに大胆でもありません。本当に大胆だったら10日分以上を処方します。)
数日後、電話して聞いて見ました。
彼が言うのは、睡眠の状況は著しく良くなり、途中覚醒がなくなったそうです。
鍼治療も同様に、睡眠の質を変えられます。
以下の記事、参考になると幸いです。
一人の若い男性。
「仕事が忙しくて睡眠の質がとても悪い。漢方薬で睡眠の質を改善したい」と言ってきました。
この男性はマッチョマンで、普段は格闘技などやる人で虚証ではなさそうでした。しかし、脈診してみたら不思議と軟弱無力。
私は同じ黄耆甘草湯を処方しました。
男性の反響は睡眠が明らかに良くなり、頻尿も改善。のどが渇いて水を飲みたがる症状も消えました。
一番不思議なのは、顔と首にあった黒ずみの皮膚が明らかに減ったこと。
漢方薬はもちろん、鍼も美容効果があります。
以下の記事どうぞご覧ください。
もう1人の男性。
性行為感染症になり、排尿痛で治療に来ました。
最初はほかの処方をしたけど無効。その後、黄耆甘草湯を処方したら、また速効性が現れました。
以前、一人の男性が頻尿と睡眠の質が悪くて、診察に来たことがあります。
当時、私は補中益気湯+腎四味を処方。
頻尿はすぐ良くなったけど、睡眠は改善されてない。
その後、四逆湯+ 腎四味を処方。
今度は睡眠がすぐ良くなったけど、頻尿が再発。
最後は治療を止めました。
今考えたらその時は、黄耆甘草湯を出すべきでした。
頻尿と睡眠障害が一緒によくなるはずです。
李哲の感想:
黄耆甘草湯は清朝の『医林改錯』に出ています。
組み合わせは、黄耆120g・甘草30g。
これはなかなかの量。
中医師が処方するのにも肝が要ります。
日本の漢方医が見たら失神するでしょう。
1日で120g???
漢方薬は弁証論治が必要なので、漢方医にみてもらった方が良いです。
1人で勝手に飲まないでください。
鍼灸治療だと関元・中極・陰陵泉・霊骨大白など。
ほかのツボは、当時の患者さんの自覚症状で調整します。
鍼灸は漢方薬と違って、尿が出ない若しくは頻尿。真逆の症状でも同じツボを使う。その理由は過去記事で説明しています。
睡眠障害には一般的に内関・神門・心兪・大衝などが有効。
風市と三間の組み合わせも、すごく有効だそうです。
長年のひどい不眠症でなければ、鍼したその夜はよく寝れるはず。
もちろん、1回では完治できないので、数週~数ヶ月必要かも知れません。
ただし、若い人は治りがめちゃくちゃ早いです。
以下は一つの鍼治療例、参考になると幸いです。