産後の汗をかきすぎ、体が痛いを3日で治した例
お詫び
先週金曜日の狂犬病に関する記事を削除しました。記事内容の間違えではなくて、ほかの原因です。
いつも優しくスター、ブックマークしてくれた方に申し訳ありません。
皆さんには影響が及んでない事を願います。
こんにちは。李哲です。
出産後に体全身が痛い、汗っかきなどを治した漢方薬の翻訳文です。
中国語本文のリンク先は、
翻訳文
昔、私は劉渡舟先生と一緒に研修医たちを連れて、北京京西門頭溝鉱区で授業を開きました。今の学生さんたちは知らないですが、当時の授業は田舎に行ってやるもの。
私たちはよく医薬品を、鉱石工場で働く人たちに贈りました。
一人の奥さんは子供を生んで20日くらい経っているけど、発熱は10日続いている。体の痛みも10日続いている。ちょうど私はその家に治療に行きました。
産後の病気なので、皮膚の栄養が足りないから体が痛いと思って、当たり前のように八珍湯を3日処方したけど効果がない。人参養栄湯を処方したけど、効果がない。
当時、私は劉渡舟先生と同じ部屋に泊まっていたので、劉渡舟先生に聞きました。
「先生、私は今産後の体が痛い患者さんを治療しているけど、気血を補う処方で効きません。彼女は風邪の症状もないのです」
「どんな処方箋を使ったのですか?」
「八珍湯と人参養栄湯を使いました」
「貴方は『傷寒雑病論』の桂枝加芍薬生姜各一两人参三两新加湯を使うべき。
これは桂枝湯をもとにして、芍薬を増加し筋肉の痛みを取る。生姜を増加して他の生薬を皮膚まで導く。あとは人参を入れて気を補う処方です」
私が処方を出した時、彼女は産後で汗も多かったです。ちょっと動くだけで汗だくになる。だから、私は心の中で思いました。
「生姜はたくさん入れるとダメだ。生姜はまた辛いし」
私自身は生姜が嫌いなので他の人も嫌いだと思って、小さい生姜を3切り出しました。ほかの生薬はそのまま。
3日飲んだけど、また効果がない。
私はまた劉渡舟先生に相談しました。
「先生、あの患者さん痛くなってから10日経っています。私が治療してからも10日なので、すでに20日経っているのに、この前の先生が教えてくれた処方箋が効かないです」
「処方箋見せて!」
先生は見たあとに話しました
「生姜は3切り?どのくらいのサイズですか?」
「小さなやつを3切り入れました」
「なんでそんなに量が少ないですか?」
「彼女は産後で汗だくになるし、辛い生姜で汗がもっと出ると思って…」
「新加湯で生姜を使う意味が分かりますか?」
「他の生薬を皮膚まで導く役割ですね」
「こんな少ない量で、引っ張って来れると思いますか?」
「彼女は汗が出やすいですよ」
「あなた、今気血を補う生薬を使っていますね?生姜の量が十分あれば、彼女の汗は止まります。新加湯は皮膚と筋肉を養うやり方で、体の痛みを治しています」
「それでは、生姜をどのくらい使えば良いですか?」
「15g。3切りだと書かないで、直接15gだと書いて!」
「先生、辛すぎではないでしょうか?」
「あなた、彼女にご飯を作ってあげてるの?病気治療しているの?」
劉渡舟先生にはよく叱られます。
私が生薬の味とか、飲んだときの味覚を配慮していたので。
今になってもこの考え方は変わらないですね。
飲ませるなら、あまりまずいとダメだと思います。
生姜を15g入れてから、患者さんの汗は減りました。2日飲んで痛みが減り、3日目には完治。
私はこの嬉しい結果を劉渡舟先生に報告しました。
「先生、あの患者さん治りました!」
「だろうな。生姜の比例をもとの通りにすれば、すぐ効果が出る」
「先生、なんで八珍湯とか人参養栄湯は効かなかったでしょうか?」
「気血を補う方法は間違ってない。ただし、その処方箋では栄養を皮膚まで導く事ができない。だから、彼女は治ってないんだよ!」
本で習ったのは、あくまでも浅いレベルのものですね。臨床で実際に使わないと、分からないのが多い。
その後から新加湯を使うとき、私は必ず生姜の量をそのままにしています。
李哲の感想:
これは、生姜の大事さを教えてくれた治療例です。
普段から食べる生姜なのに、こんな役割があるとは!
漢方薬の組み合わせは、本当に奥深いものです。
桂枝加芍薬生姜各一两人参三两新加湯は、『傷寒雑病論』に書いた処方です。すごい簡単な組み合わせですが、産後の体の痛みを治す時は効果バツグン。
出産の時は、大量の血を失い力を使うので、気血の不足になります。
だから、産後は養生が大事。
昔の中国では「座月子」と言いました。
1ヶ月くらい外にも出さないで、じっと部屋中で安静するのです。
この時にちゃんと養生して体力を回復しないと、後々になって慢性的な病気になります。
今は養生しない人も多いので、虚弱体質になってしまう新米ママも多い。
もともと、出産することで女性の万病が治るのに、妊娠中と出産後の養生が間違っているから、万病が治るところか逆に万病が寄ってくるのです。
出産したあとの養生は、漢方医若しくは鍼灸医に診てもらってください。
産後の体の痛みを鍼ではどう治すか?
わりと簡単です。
全体的に体が痛いのは、『開四関』で良いから。つまり、合谷穴と太衝穴だけでいい。
ほかのところの痛みがあったら、経絡の流れを分析して、関連のツボを刺せば治る。
痛みにはもともと鍼灸の得意分野です。
産後の体の痛みだけではなくて、産後の出血が止まらないなど、様々な症状を鍼だけでも治せます。