【翻訳文】精神分裂病を桃核承気湯(とうかくじょうきとう)で治した例

こんにちは。李哲です。

 

今日は中国・郝万山先生の漢方治療例を翻訳しました。

郝万山先生は北京中医薬大学の教授、博士課程の導師、主任医師。『傷寒雑病論』を推奨し、その処方でたくさんの患者さんを治しています。

 

今日紹介するのは、その中の一つ。

精神分裂病だと言われた女性が、どのように治ったかを記録した内容です。

 

もとの中国語リンク先は、

http://www.360doc.com/content/13/1115/15/268489_329435324.shtml

翻訳文

20年前、22歳の女の子がお母さんの同伴で来ました。

 

女の子の症状は、生理になると煩躁不安が始まり、家の中でじっといられない。情緒不安定で気持ちのコントロールができない。

 

私は女の子に聞きました。

「いつからこんな症状がありましたか?」

「14歳で初めて生理が来たときからです。焦燥感で情緒不安定。生理になる前から座っても立っても不安で、生理になると気持ちのコントロールができません。大声で叫んだり喧嘩したり、もしくは走り回ったり踊ったりします。ひどい時は裸足で道端を走ります。」

 

「生理が終わると普通の人になりますか?」

「そうです。皆さんと同じように、学校に行けて仕事もできます。」

 

「病院の診断はなんですか?治療してどんな感じですか?」

「北京のすべての精神疾患を治す病院に行きました。電気ショック療法以外に、精神分裂症の薬を全部試したけど、まったく効きません。」

 

「生理の周期は規則正しいですか?」

「生理不順です。来るときも来ないときもある。」

 

「生理の前だと分かりますよね?」

「分かります。イライラして情緒不安定になり、大便が固くて出づらい、口の中に変な味がすると、私はもうすぐ生理であるのが分かります。もうすぐ自分が病気発作するのも分かります。」

 

「西洋医学の診断はなんですか?」

「すべての病院の診断は、周期性の精神分裂症です。」

 

皆さんも存じたように、精神分裂症は簡単に治るものではない。いったん、精神分裂症だと診断されたら、彼女の一生は普通の人の生活ができなくなります。

 

私も精神分裂症の治療に対して、非常に頭が痛かったです。

20年前はさらに経験が少なかったので、彼女に話しました。

 

「先に生理不順を治してみましょう。生理時、血の塊が多いですか?」

「多いです。生理の前は腹痛と腰痛があり、生理が来てもスッキリ終わらない。イライラして情緒不安定。そして、大便が硬くなり口の中も変な味になります」

 

「口の中はどんな味ですか?」

「とても苦いです」

 

「そうですか~生理になる前に、自覚症状が現れたらこの処方を飲んでください。3日分。」処方したのは桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

 

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桃核承気湯の一つの生薬:芒硝(ぼうしょう)の画像。

彼女の大便が硬いので、この処方にしました。3日分だけ。

 

そして、飲み方を伝えました。

「2日飲んで生理が来たら、残りの1日分は生理が始まってから飲んでも良い。3日飲んでも生理が来なかったら、もう少し漢方薬を買って、生理が来る日まで飲んでください。」

 

最初の1ヶ月。

彼女は2日目まで飲んだら、生理が来ました。

この漢方を飲んだとき、大便がとても順調。1日目は大便が3~4回。2日目は大便が2~3回。3日目は大便が1~2回。

 

彼女は煩躁、イライラが以前よりだいぶ少ないことに気づきました。自分の気持ちのコントロールができたのです。

 

次の生理が始まる前に、彼女はまた3日分の漢方を飲み始めました。飲んだあと、症状は先月よりさらに軽くなりました。

 

3回治療してから、彼女はほとんど発作してない。

しかし、生理が終わると非常にだるくなる症状が増えました。

 

彼女は私に話しました。

「連続3ヶ月飲んで精神分裂症はなくなったけど、生理が終わったあと非常に疲れやすいです。」

 

私が思ったのは、瘀血を出す漢方で少し貧血気味になっている。生理のあとは、気血を養いながら痰を減らす漢方が必要。

 

6ヶ月くらい治療してから、彼女の周期的な精神分裂症はなくなり、西洋薬も要らなくなりました。

 

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桃核承気湯の一つの生薬:桃仁(とうにん)の画像。

 

1977年、文化大革命騒動が終わって、中国は大学入試試験を復活し彼女は大学に入ったけど、入試点数は非常に高かったです。これは彼女の智力発育が良いことを証明します。

 

彼女はこの病気があったせいで、結婚するのが遅かったです。私は彼女の結婚式に呼び出され、彼女の行動・話すのをよく観察したけど、すべて正常な人みたいでした。

 

私は彼女にこっそり話しました。

「以前の症状が完全になくなっていますね。」

「郝先生、この場で私の過去の病気を知っているのは先生だけですよ。必ず秘密を守ってください。精神分裂症になった人は、結婚相手を探すのも大変です。」

 

私「もちろん、秘密を守りますよ。」

 

彼女はその後、息子さんを一人産みました。今は14~15歳くらいでしょうか。

彼女はアメリカの会社で働いています。プレッシャーは強いけど、この何年間は再発してない。生理も順調です。

 

生理痛、生理時の精神病を治すとき、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)はとても効果が良いです。

李哲の感想:

西洋医学では専門的に精神科があります。

うつ病、躁うつ病などの病名を作り出して、関連の薬を売っている。

 

患者さんは良くなっているのか?

これは患者さんと周りの人が一番分かるはず。

 

私はおばさんから友人の話を聞いたことがあります。

その友人は超エリートマンだけど、ある日うつ病だと診断されて、たくさんの薬を飲まされました。その後から人がおかしくなり、一日中ぼっとする。仕事もできなくて、会社を止めるしかなかった。

 

その友人に残ったのは活気がない体。性欲がなくなり、完全なるぼっき不全になって、何をするのにも興味がない。一日中ぼっとしてテレビばかり見ている。

 

言葉が悪いけど、廃人になっています。

 

しかし、西洋医学の先生は、気分が落ち着いているから治療は有効だと言うでしょう?

 

私から逆に質問したいです。

患者さんがこんな状態になって、治療は成功だと言えるでしょうか?

 

中医学の先生からみたら、これは明らかに悪化しています。このまま行くと薬物中毒で死ぬかも知れません。

 

精神科の薬、特に人を興奮させる薬は、人工的なヘロインで自然な麻薬よりも副作用が強くて中毒性があります。だから、病院でも厳重に在庫管理をしないといけない。

 

アメリカの漢方医:李宗恩博士が書いた、精神科の薬と無差別殺人事件に関しての記事、ぜひ1回目を通してください。

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li-hari.hatenablog.com

 

中医学は大昔から精神病の記録があります。

しかし、本当の精神病はとても少ない。

 

ほとんどの患者さんは、体に宿便がたまりすぎて、長年の瘀血がたまって精神がおかしくなっている。便秘を治して、瘀血を出せば、精神も正常になります。

 

あと女性の場合は、子宮に瘀血というか邪気(じゃき)が入った時に、精神がおかしくなる。これは生理を治せば、自然に精神状態も良くなります。

 

上記の治療例を見て、精神分裂病の処方箋=桃核承気湯(とうかくじょうきとう)だと勘違いしないでください。

 

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)は生理前の便秘、瘀血を治せるから、精神分裂病も良くなっただけ。具体的な処方箋は、必ず信頼できる漢方医にたずねてください。

 

便秘も瘀血もないのに、精神がおかしい。

このとき、中医学は治療できるのか?

 

治せる生薬はあります。しかも、めちゃくちゃ安くて、拾いに行けばあるやつ。『神農本草経』に書いてあるので、こちらでは省略します。

  

『黄帝内経・霊柩・本神』に書いたのは、『心気虚則悲、心気実則笑不休』。

 

直訳すると、心臓の気が弱いと悲しくなり、マイナス気持ちに落ちる。

心臓の気が強すぎると、ヘラヘラ笑いが止まらない、ハイテンション。

 

鍼治療のキーワードは心臓を調整すること。

もちろん、瘀血と宿便は先に出すべきです。

 

基本的な事をやって、そのあと心臓を調整すれば、精神疾患も自然に治る。

 

人工的なヘロインを飲み続けてヘロイン中毒になるか、鍼灸・漢方薬などの自然療法で治すかは、皆さんのご自由です。