こんにちは。李哲です。
今日は私のお父さんとおばあちゃん、中国での治療した内容を話します。
以前の治療記録は、以下をご覧ください。
お父さんの悩みは、手足の裏だけが熱くなって皮が剥ける。手足の裏が熱くなり過ぎて眠れないから、寝る前に冷たい水に10分くらい浸けてから寝るそうです。
これは日本にいた時からあった症状。
前回の漢方薬でだいぶ良くなり、手足の裏が熱くなるのはだいぶ減りました。熱いのはまだ熱いですが。
その後、皮が剥けるのはないけど、皮膚が黒ずんで出血したら怖いので、ほかの漢方医の所に行って塗り薬と飲み薬を使ったそうです。
しかし、1ヶ月経ってもあまり変化がない。
ほかの漢方医に診てもらう事にしました。
新しい漢方薬を飲んで10日後、お父さんの皮膚が黒ずんでいるのは減り、大変喜んでました。10日しか飲んでないので、その後も引き続き煎じ薬が必要でしょう。
お母さんが薬局に行って生薬を買う時、薬局の年取った先生は「この処方箋は量がとても多いですね!すごく苦そう!」と言ったそうです。
それもそうでしょう。
量が少ないから、今までの漢方薬で効果がないわけ。
処方箋には黄連、黄芩など苦い生薬がけっこう入ってました。
お父さんは飲んでから、手足の裏が熱いのがもっと減って、手のひらの皮膚も徐々に良くなったのです。
お父さんは少し後悔してました。
「有名だとうわさ話を聞いて行ったのに、かなり高い1ヶ月の漢方費用をムダにした。」
今度何かあったら、またうわさ話を聞いて行かないでしょう。
おばあちゃんは日本に滞在する時から、胃酸逆流があって食道と喉が焼ける感じがありました。そして、ゲップが出るのがとても多い。冷たい水を飲むと胃が痛くなるので、いつも温かい白湯しか飲めなかったです。
当時は私が鍼をしたので、胃は丈夫になりゲップが出るのもかなり減りました。水も普通に冷たい水が飲めるようになりました。
お母さんの話を聞いたら、おばあちゃんは中国に帰ったあと、「最近は食道に何かが突っかかる感じがする。食道が痛くてご飯が飲み込めない」そうです。
私は話を聞いただけで分かりました。
胃酸逆流がまた再発した!突っかかる感覚があるのは、腫瘍ができている可能性が高い!西洋医学の診断だと食道がんでしょう。
でも、私はお母さんに「食道がんかも知れない」と言ってない。
「またその漢方医に診てもらったら?」と勧めただけ。
私のおばあちゃんは、もう85歳です。
本当に食道がんだと診断されたとします。
だから何?
穴を開けて手術して、その後は抗がん剤を勧めますか?
あなたが85歳なら、こんな手術を受けるでしょうか?
良心的なお医者さんはきっと、「もう年だから手術を受ける体力もないし、抗がん剤の副作用に耐える体力もないから、ほったらかしましょう。」と言うはず。
だったら、おばあちゃんは最初から知らない方が良いじゃないですか?
自分が癌であることを知らない方が、心にゆとりができて恐怖感もなく、もっと長生きします。
おばあちゃんの処方箋を見たら、傷寒雑病論にある『旋覆花代赭石湯』(せんぷくかたいせきとう)。
この処方は、日本にも既成品を販売していますね。興味がある方は、以下のリンクをご覧ください。
ただし、その処方箋は量がとても多い。
旋覆花15g、代赭石20gなど。日本ではほとんど見られない量です。
3~4日飲んだ時、変化があるのか確認の為、お母さんに電話して聞いてみたけど、あまり変化がないそうです。
10日分を飲みきった時、もう一度聞いてみたました。
今度おばあちゃんが言うのは、「この漢方薬は効果があるね!」
漢方薬はあまり信用してなかったのに、今度はおばあちゃんが自ら漢方薬を飲んでみたいそうです。
私は嬉しくて、そのまま続けて飲むことを勧めました。
あと10日で食道が突っかかって、飲み込みにくい症状はだいぶ楽でしょう。そうすると、食べるのも楽しくなります。
食事は人生の一つの楽しみですから、おばあちゃんが美味しく食事できると嬉しい。
食道がんは手術したあと、大変な事になります。
うまく食べられないので、食事が苦痛になり、誤えん性肺炎にもなる。
手術後、美味しくご飯を食べるのは無理。
自覚症状を良くしたいなら、中医学の治療しかありません。
近くにいれば鍼をしてあげて、いろいろ解決したいですが、遠い所にいるのでどうしようもない。幸いにも漢方薬があるから、いろいろ助かってもらっています。
おばあちゃんは毎日いろんな西洋薬を飲んでいるので、そのうちまた調子が悪くなるでしょう。
西洋薬を飲むのが常習化になり、一つの信仰(宗教)にもなっている。
西洋薬を止めて、これから新しい人生を作るなんて、無理だと思います。
でも、構わない。
漢方があるので、なんとか解決し、災害を最小限に減らすことは可能。
痛みが少なく、飲み込みが順調で、美味しくご飯が食べられる。
普通の日常生活ができて、あと10年くらい元気に生きてもらえば、私も満足です。