てんかん治療:漢方薬で完治できるし、鍼灸のツボもある!

【※本記事は2020-05-09更新しました】

 

こんにちは。李哲です。

ニハイシャ先生の弟子:陳先生のてんかんを治した漢方薬治療例を翻訳しました。もとの中国語リンク先は、癲癇(てんかん)

 

てんかんは漢方・鍼灸で治るので、死ぬまで薬を飲む必要がありません。患者さんに役に立つ情報になれば幸いです。

 

 

症例1:手が震える、ひどい時は失神する男性は治った

 

李○○、男性、60歳、住所は高雄市。 

初診は1999年1月4日。当時は7日分の漢方薬を処方しました。

 

続いて診たのは、1月12日(14日分の漢方薬)。2月11日(14日分の漢方薬)。3月9日(14日分の漢方薬)。

 

彼の症状は以下のとおりです。

  • お腹から上にガスが突き上がる時、手が震える、ひどい時は失神。
  • 小便は透明、頻尿。
  • 記憶力が悪い、話した内容を重複する。
  • 食欲は大丈夫。便は1日1回、便の質は大丈夫。

 

西洋医学の診断では「てんかん」。

西洋薬も飲んでいます。

 

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舌診では赤くて舌苔は薄い白。喉は渇く。

左右の脈は、みんな浮緩緊。

 

初診の時は科学漢方(李哲説明:いわゆる日本のツムラみたいな既製品。)

  • 小建中湯8
  • 牡蛎1.5
  • 竜骨1.5
  • 澤瀉(だくしゃ)1
  • 茯苓1

 

その後の処方箋は、ほぼ同じ。  

小建中湯の症例は以下の記事もあるので、参考にしてください。

 

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2回目の時、患者さんの奥さんが変化を教えてくれました。

彼女たちは市場での商売人。以前、ご主人が道路の向こう側でてんかん発作した時は、彼女は必ず親戚に売場を頼んでご主人を連れて来た。

 

しかし、今度は親戚に売場を見て下さいと頼んだ時、ご主人はすでに自分で歩いて帰ってきた。てんかん発作の時間が、とても短くなりました。

 

最近の診察で患者さんが言うのは、「もうてんかんは発作してない」。だから、1月12日以後は朝と夜だけ、漢方薬をサプリメントの代わりに飲んでました。今日漢方薬を取りに来たのも、養生のためです。

 

漢方は養生に使えるけど、西洋医学はできません。具体的な違いは以下の記事で説明しているので、どうぞご覧ください。

 

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症例2:抗てんかん薬もコントロールできない女の子、手足がこわばってよだれを垂らすのは治った

 

王○○、女の子、7歳、住所は高雄市。

 

初診は1998年10月3日。

その後の診察日は10月9日、16日、24日、30日。

11月4日、14日、20日、27日。

12月4日、11日、18日、30日。

1999年1月9日、16日、27日。

2月2日、12日、20日、27日。

3月10日、19日…

 

初診の時の症状:

抗てんかん薬を服用中だけど、1週間に2~3回は発作しています。長期的な西洋薬の副作用で、半身が傾いてしまって、両足は徐々に無気力になりました。

 

臨床ではもっとひどい副作用があります。それは、抗てんかん薬で脳の発育不全を惹き起こす

 

この副作用は親の一生の痛みになります。幸いにも、漢方で改善できること。以下は一つの症例、参考にしてください。

 

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女の子は食欲がまだ良い。

大便は1日1回、便が硬くて羊の便みたい。

舌は薄い赤。舌苔は薄い白で潤澤。

 

てんかん発作のときは手足がこわばって、ヨダレを垂らす。

小便の色は薄い黄色。

左右の脈は少し浮いて、緩。

 

初診のときの処方箋:

  • 小建中湯8
  • 麻子仁丸3
  • 茯苓1.5
  • 白朮1.5

 

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煎じ薬は藜蘆(れいろ)2と生甘草1。3杯の水で1杯になるまで煮詰めて頓服。3日分を処方しました。

 

2回目の診察の時に聞いたら、吐いてない。

生薬を増量して、藜蘆(れいろ)3と生甘草2(7日分)、毎日服用するように指示しました。

 

その後、子供は吐き始め、吐いたあとは倦怠感が強く、ふらついて眠たがる。寝て起きた後はすべての不調が消えました。

 

最近診察に来た時、藜蘆(れいろ)3銭と生甘草2銭(1日分)。1週間のうち1回吐いて、その後からてんかんは発作してない。ほかの初診の時の症状は、ずいぶん前から消えています。

 

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てんかん治療に使う生薬:藜蘆(れいろ)の画像

 

患者さんが最初来た時、左半身の無気力でよく倒れたので、顔にはアザだらけ。座っているとき、体は無意識に傾いて震えてました。

 

西洋医学の診断では、小脳の問題だというそうです。しかし、脳の検査では何も見つかってないから、西洋医学もどうしたら良いか分からない。

 

西洋薬ではてんかんの発作がコントロールできない。リハビリの担当医も怖くて、リハビリを止めたそうです。

 

以前、友達が紹介したことがあって、中医学の助けを求めて当院に来たのです。本当に縁があるとしか言えない。

 

 お医者さんは合縁奇縁がある人しか治せない

 

中医学治療で状況はどんどん良くなり、手足が強ばるのがなくなりました。発作しても目と口周りが痙攣(けいれん)するだけ、時間はとても短くなっています。

 

どんどん正常人になっているので、学校も特別教育(てんかんの学生はみんな特別教師がついています)も取り消そうとしてました。親の反対で特別教育はまだ続いています。

 

3月19日に来た時、女の子が言うのは、「陳先生、お願いします。吐くのは止めていいですか?」

 

私「良いですよ。2週間に1回吐くようにしましょう。もし軽い発作がなかったら、3週間に1回もしくは1ヶ月に1回に変更しても大丈夫です。」

 

実は先週の吐く薬を飲んでから、吐く反応はなくなったので、脳の痰がだいぶなくなったことを証明します。

 

てんかんの患者さんを治す時、食べ物では生物、冷たいもの、甘いものを禁止すべき。

例えば果物、この女の子はある日3個のミカンを食べただけで、軽いてんかん発作がありました。

 

体調不良と食べ物は密接な関連があります。以下は李哲鍼灸院で起きたこと。参考になると幸いです。

 

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症例3:ヨダレを垂らし、急に手指がこわばって倒れるのは治った

 

林○○、男、21歳、住所は嘉義県。

初診は12月8日。

その後は12月15日、22日。1月5日、19日。2月2日、23日。1月16日…

 

初期症状は、てんかん発作した時ヨダレを垂らす。急に手指がこわばっても倒れるのが原因で、左肩は反復性脱臼になりました。

 

ほかの症状は、

  • 食欲はまだ良い
  • たくさん話すとヨダレを垂らす
  • 睡眠はまだ良い
  • 大便は1日1回。軟便
  • 小便の色は薄い黄色
  • 舌は赤くて舌苔は薄い白
  • 左脈は浮緩弦、右脈は浮弦緊

 

処方箋:

  • 小建中湯8g
  • 呉茱萸湯3g
  • 続断1g
  • たくしゃ1g
  • 半夏1g(1日の量)。

1日3回、食後に服用。

 

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続断(ぞくだん)の画像

煎じ薬:

藜蘆(れいろ)3銭と生甘草2銭、5日分を処方しました。

 

煎じ方は3杯の水で1杯になるまで煮詰め、朝方飲む。飲んで吐かなかったら、翌日もう1回服用。増量して1.5日分を1日に飲む。

 

最近の報告は、てんかん発作は止まっています。

2月2日からは、1週間に1回吐くようにしました。

 

患者さんはある日(2月2日~3日の間)吐いた後、てんかん発作したそうです。患者さんの家族は不思議がっていました。

 

私は家族に教えました。

「免疫力と漢方薬の相乗効果で、一気に痰を出そうとしているから、てんかんの症状が現れています。一つの好転反応なので、気にしないで。」

 

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やはり、その後から吐く薬を飲むと、以前は2~3時間経ってから吐いたのが1時間で吐くようになり、しかも吐くのがとても順調。吐く時間も短くなっています。その後からは、てんかん発作は止まりました。

 

ニハイシャ師匠の教えに感謝しています。

師匠の隣で研修したから、藜蘆(れいろ)の生薬の使い方が分かり、患者さんが西洋薬の毒害から逃げる事ができて、患者さんの家族も安心することができました。

李哲の感想:てんかんを治す鍼灸のツボもある

 

西洋医学では脳波の異常発生で、てんかんが起きると言います。

もっとも野蛮なやり方では、手術で半分の脳を切除するのもある。関連の症例は以下の記事をご覧ください。女の子は半分の脳を切らないで、漢方だけの治療で完治された朗報です。

 

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脳波の異常発生は、まだ一つの仮説です。

本当の原因ではありません。

(本当の原因だったらみんな治って、てんかんもないはず)

 

間違った仮説だったら、切除した半分の脳はどうするんですか?

 

中医学の理論で、癲癇(てんかん)の原因は経絡.神経の周りに痰が詰まっているからです。

 

藜蘆(りろ)は、ちょうど経絡と神経の周りに絡まっている痰を取り除く生薬。しかも、唯一無二の生薬です。

 

鍼灸の場合は、2つのツボがメイン。

照海と申脈にお灸する。

あとは、痰を取り除くツボ。例えば豊隆、膻中、天突穴など。

 

痰が多い人は消化系が弱い人が多いです。

中医学の理論では、「脾为生痰之源、 肺为储痰之器」と言います。その意味は脾臓が弱いと痰が生まれやすい。痰は主に肺に溜まる。

 

だから、てんかん患者さんの治療では脾胃を強くして、痰の発生源を断絶する必要があります。陳先生の処方箋をみると分かりますが、小建中湯は明らかに消化系を強くするためである。

 

てんかんは「不治の病」ではありません。

台北に行ける方は、台北漢唐中医診所に行ってみてください。本文の作者:陳先生が向こうにいるので、漢方薬できっと良くなります。

 

行けない方は信頼できる鍼灸院に診てもらえば、徐々に痰がなくなって、てんかん発作が消えます。てんかんに関して小論文を書いたことがあるので、良かったらご覧ください。

 

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以下は藜蘆(れいろ)の紹介記事。

興味がある方はどうぞご覧下さい。

薬膳情報.net−中薬(藜芦)