こんにちは。李哲です。
今日はアメリカの中医師:李宗恩博士*1の記事を翻訳しました。
家族の中に、抗がん剤を反対する人と賛成する人がいて、抗がん剤を巡って大げんか。
主治医として、どう薦めたら良いのか?
その心痛む虚しさを伝えた記事です。
中国語本文のリンク先は、
ほかの中医師も似ている内容を書きました。
以下の記事、参考になると幸いです。
- 効果よりも副作用が強い抗がん剤をすすめた
- 全身に広がった癌細胞、抗がん剤受けても再発すると言われた
- 10日の漢方薬で少し効果が見えてきた
- 抗がん剤をすすめるご主人と、抗がん剤を反対する親が大げんか
- 抗がん剤で死んでも文句はないけど、漢方薬治療で死んだら悪毒な攻撃が始まる
- 生きている人たちのために、自分の医学知識に違反して、抗がん剤をすすめた
- 最後に
- 李哲の感想
効果よりも副作用が強い抗がん剤をすすめた
昨日、私は一人の末期がんの患者さんに、「抗がん剤療法をして下さい」と話しました。末期がんに対して、抗がん剤は効果より害が大きいと思いますが…
たくさんの西洋医学のがん治療医も、「抗がん剤は末期がんに役に立たない、さらなる問題を引き出す」と言いますが…
中医学で癌を治せる理由は、以下の記事で詳しく書いてあります。どうぞご参考に。
全身に広がった癌細胞、抗がん剤受けても再発すると言われた
この患者さんは非常に若い、まだ34歳です。
2ヶ月前に体調不良で病院に行ったら、子宮頸がんだと診断され、しかも全身に拡散しています。
がん治療専門医が言うのは、「抗がん剤を始めても、5~6割の有効率しかないです。そして、今回の抗がん剤が有効だとしても、すぐ再発する可能性が極めて高いです。」
10日の漢方薬で少し効果が見えてきた
この患者さんは、10何日前に治療しに来ました。
当時の症状は、お腹が太鼓みたいに腫れて、舌苔はとても白くて分厚い。
中焦と下焦の寒気と湿気はひどいのです。
すぐ体内を温めて、溜まった水を出さないと、水が溢れて肺にまで来た時には、心肺停止!その時は状況が非常に難しくなります。
急いで処方したのは、加工したトリカブト、生姜、桂枝、茯苓、猪苓、ダクシャ、柴胡、鬱金、枳実、栝蒌実、薤白。5日分。とりあえず、全般的に大事な所を先に守ることにしました。
昨日、患者さんが再診察に来ました。
分厚い舌苔はなくなり、患者さんは「身体が軽くなりました。精神状態も良くなり、お腹の圧力も減り始めています」と言ってました。
患者さんのお母さんも、「娘は全体的に良くなり、顔にも血の色が出て来た」と言いました。
がん治療でこれは進歩だとは言えないけど、少なくとも患者さんはまだ漢方薬を受け入れる。溜まった水が減っているのを見ると、漢方薬は彼女のためになると判断できます。
末期がんの腹水に対して、漢方薬の治療効果は高いです。
以下の漢方薬治療例、どうぞご参考に。
抗がん剤をすすめるご主人と、抗がん剤を反対する親が大げんか
しかし、なぜ私は彼女に抗がん剤療法をして良いですと話したのか。
彼女は中国人。
旦那さんはアメリカ人で、幼い子どもが2人います。
前回、私は彼女の家庭事情を聞きました。
彼女が言うのは、1年半前に予想外に二人目ができて、同時に引っ越しもあり非常にプレッシャーが強くて鬱になった。
うつは、癌の非常に大きな誘因です。
今回、癌だと診断が出てから、旦那さんはすぐ抗がん剤療法をを勧めて、患者さんの感受と中医学の治療を受けること、患者さんの親が抗がん剤を反対している事を完全無視。
患者さん、旦那さん、患者さんの親の争いは発熱化して、敵対関係になりました。
争いの重点は、幼い2人の子ども。
抗がん剤で死んでも文句はないけど、漢方薬治療で死んだら悪毒な攻撃が始まる
彼女は末期がんで、しかも全身に拡散。
中医学でも西洋医学でも、ほとんどの場合、延命治療しかできません。長期的に生きる可能性は少ないです。
言い換えると、この患者さんはいずれかは死ぬ。
もし、患者さんが西洋医学の治療を受けて死んだら、患者さんの親族たちは「患者さんの運が悪い。こんなに若くて癌になり、苦しい闘病生活を送って最後はで死んだ」と言います。
誰も西洋医学の治療で死んだと疑わない。
西洋医学の治療を勧めた親族も恨まない。
もし患者が中医学治療で最後死んだら、たとえ生存期間が西洋医学の予測より長くても、生活クオリティが高くても、西洋医学が治療を放棄してから中医学治療を受けに来たとしても、必ず親族の誰かが中医学のせいにして、中医学は無効で詐欺だと言う人がいます。
さらに中医学の治療を勧めた人たちを恨んで、勧めた人たちの無知と迷信で患者さんが死んだと言います。
ニハイシャ先生の治療記事でも、中医学の効果が現れたのにもかかわらず、信じてくれない患者さんがいます。
生きている人たちのために、自分の医学知識に違反して、抗がん剤をすすめた
昨日、患者さんの状況を聞くと、患者さんが中医学の治療を受けたか受けてないか関係なしで、患者さんの親が抗がん剤を反対する事で、旦那さんと大喧嘩になっているそうです。
患者さんが死んだ後、アメリカの法律によると、旦那さんが子どもを受け取ります。
旦那さんと患者さんの親が大喧嘩になったら、将来はお父さんが子どもを会わせてくれないかも知れない。
ひょっとしたら、子どもにお母さんは爺ちゃん、婆ちゃんのせいで死んだと教えるかも知れない。そして、子どもは一生爺ちゃん、婆ちゃんを恨む。
もし、結果がこうなったら、患者さんの2人の子どもにはとても不公平で残忍です。
末期がんの彼女はいずれかは死にます。
2人の子どもは母の愛情を失い、爺ちゃん.婆ちゃんの愛も失い、恨みの影で一生過ごすのは、私には見たくない結果です。
だから、私は私の医学知識.臨床経験に違反して、彼女と彼女の親に「抗がん剤療法を受けてください」と言いました…
最後に
これが人生の選択でしょうか。
心が痛いけど、さらなる危険で苦しい道を患者さんにあげました。
でも、私は分かります。
彼女の最大な願いは、ガンが奇跡的に治ることではなくて、2人の子どもに幸せな人生があること。
李哲の感想
数年前、私も臨床で進退両難のケースがありました。
その時はしつこく言わなければ良かったかな…とも思います。
自分が正しいと思っても、患者さんには違うかも知れない。
どんな治療を提供すれば良いのか、臨床医としては考えさせる内容です。
◆乳がんからリンパに転移、便通が良くなり体重が増えて来たけど、ホルモン剤で難航!最後は破棄!
◆ラスベガス銃乱射事件:向精神薬の副作用が、無差別殺人などの凶悪犯罪を助長している!
◆末期乳がん:がん治療医も否定する分子標的治療薬を選び、生と死の境目で行ったり来たり
◆病気治療で大事なのは正しい医療と、治療のタイミングを逃さないこと
*1:李宗恩博士のご紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。