【※本記事は2019-08-16更新しました】
こんにちは。李哲です。
今日はニハイシャ先生の弟子:林先生の治療例を翻訳しました。中国語本文のリンク先は、經方的“一劑知”
- 20年のクローン病男性:手術後も便通は変わらない
- クローン病と嚥下困難の原因は、体内の極度の冷え
- クローン病治療の診断と処方箋
- 冷たい手が暖かくなって、嚥下困難が治り、ゴム状の便は形がある便に変わりつつある
- 人工ストーマ(肛門)をつけたことに、すごい後悔している患者
- 倪海厦(ニハイシャ)先生の評価
- 李哲の感想
20年のクローン病男性:手術後も便通は変わらない
M.B.
男、67歳。
初診日は2009年11月30日。月曜日。
一人のイタリア男性が、韓国人の奥さんの同伴で入りました。
私が診察を始める前に、彼からの問診が先でした。
「お医者さんになってから何年目ですか?」
「あなたの師匠は?」
「あとで誰が、あなたの処方箋をチェックしますか?」
… …
明らかに彼は目の前の女の子に対して、自信がとてもない…
彼の問題に答えた後、私の問題が始まりました。
「クローン病になってから何年目ですか?」
「20年。」
「いつ大腸の切除術をしたんですか?」
「1年半前。」
「大腸の切除術の後に、大便は良くなりましたか?」
「いいえ、大便はまだ1日6回で、ゴム状の大便が出ます。」
「なんでこの病気になったかを知っていますか?」
「遺伝。私の祖母もクローン病です。」
(またまた~すぐ遺伝だと言うから、西洋医学の先生も楽チンですね。
病気の原因:遺伝。
治療方法:切除。
治療結果が良くなかったら、SORRY、この病気は現在治せない。)
「足は冷たいですか?温かいですか?」
「冷たいです。」
彼の手を触ってみたら、手も冷たかったです。
師匠の言葉を借りると、診察はもう終わり。
健康かどうかは、手足の暖かさをチェックする以外に、ほかにも基準があります。以下の記事、どうぞご参考に。
クローン病と嚥下困難の原因は、体内の極度の冷え
次は師匠の図面で彼に大腸と小腸の関係、小腸と心臓の関係、手足の温度と心臓.小腸の関係を説明したら、途中で彼は質問がありました。
「すみません。手足の温度より、私はクローン病の方が気になるけど。」
「今あなたのクローン病を解決する方法を説明していますよ。」
「先生の漢方薬は、クローン病を殺せるんですか?今はずっと拡散しているのに。私の直腸まで、クローン病になっています。」
「南極はペンギンがいますね。フロリダ州はいますか?」
「いない。」
「あなたの体内は南極みたいに冷たいです。クローン病はペンギンみたいなもの。あなたの体内をフロリダ州みたいにすれば、ペンギンはまだいますか?」
「いない。。。」
冷えを治せるのは、癌を治せる前提条件です。
漢方薬・鍼灸で癌を治せる理由は、ニハイシャ先生が論文で詳しく説明しているので、どうぞご覧ください。
彼はまたほかの質問がありました。
「お、そうですね。私はまた嚥下困難があります。ご飯を食べる時に、最初はよく喉が詰まる。」
「それは理解できます。体内の冷えがひどくて、食道まで縮まるから。」
「右の坐骨神経痛もあります。」
「じゃ、ベッドに寝てください。鍼をしてあげます。鍼の速効性がどんなものかを見せます。」
彼は不信な目で私を見ながら、ベッドに上がりました。
3本の鍼を刺して、彼に感覚を聞きました。
彼は興奮して、「痛くない。もう先生の言ったのを信じます。」
(私は半日説明したけど、彼は私がホラを吹くと思ってましたね。私は反省しないといけない。なんで詐欺師みたいな顔なのか?!)
坐骨神経痛に対して、鍼治療の即効性は目に見えるものです。
以下の記事、どうぞご参考に。
クローン病治療の診断と処方箋
診断:里寒湿がひどい。
処方箋:
生のトリカブト(附子)3銭
乾姜2銭
炙甘草5銭
白朮5銭
茯苓5銭
ダクシャ5銭
細辛2銭
桂枝5銭
当帰3銭
加工したトリカブト(附子)2銭
芍薬5銭
梔子(くちなし)3銭
半夏3銭
赤石脂2銭
2日分。
処方箋を組み立てた理由は、以下にあります。
●少陰病,下利便膿血者,桃花湯主之。
●手足厥寒,脈細欲絕者,當歸四逆湯主之。
●大汗出,熱不去,內拘急,四肢疼,又下利,厥逆而惡寒者,四逆湯主之。
●傷寒服湯藥,下利不止,心下痞硬。服瀉心湯已,復以他藥下之,利不止,醫以理中與之,利益甚。理中者,理中焦,此利在下焦,赤石脂禹餘糧湯主之。復利不止者,當利其小便。
引用元:『傷寒論』より
針を取った後、彼はまた何かを思い出しました。
「あ、そうですね。夜、肛門にゴム状の液体が垂れます。」
「あなたの症状と治す処方箋は、1800年前に一人の漢方医が、すでに書いてあります。」
「本当ですか?Wow!」
冷たい手が暖かくなって、嚥下困難が治り、ゴム状の便は形がある便に変わりつつある
2回めの診察:
2009年12月2日。水曜日。
奥さんと一緒に、ニコニコしながら入りました。
「漢方薬は飲みましたか?」
「3杯飲みました。(つまり1日分)あなたの漢方薬は効きますね。私の手は暖かくなり、嚥下困難もなくなりました。大便はまだ1日6回だけど、その中の2回は形ができています。私は直腸が動いているのが分かります。多分漢方薬が治しているからでしょう。」
経方の「一剤知」ですね~
彼はすぐ質問しました。
「前回、何千年前の中医師って名前はなんですか?」
「張仲景。」
「お!その先生は、きっとクローン病の専門家でしょう?」
「いいえ。」
「え?違うんですか?」
「その先生は何でも治す専門家です。経方の元祖。中医学は科目を分けないで弁証論治です。一般的な風邪から癌まで、何でも知らないとダメです。
西洋医学は違う。
いろんな病名を発明する専門家です。」
彼はベッドで鍼をしている間に、奥さんと話をしました。
「中国料理を食べに行こう。」
「中国の祭り(Chinese festival)に行こう。」
「あの韓国料理屋に行って、紹介してくれたオーナーに感謝して来よう。。。」
このイタリア人、初めて中国の文化に興味津々になりましたね。
処方箋:
2009年11月30日の同じ。
赤石脂を3銭に変更。
粳米3銭を追加。
4日分。
人工ストーマ(肛門)をつけたことに、すごい後悔している患者
三回目の診察。
2009年12月9日。水曜日。
漢方薬を飲んで1週間経ちました。
手足は暖かくなり、飲み込むのは順調。
漢方薬を飲んだ時、唇のしびれはない。
肛門から流れるゼリ状の分泌液は減り、2日だけ黒い便が出たそうです。
大便はまだ1日6回。
その中の3回は形がある便。2回は軟便、1回は水様便。
彼は漢方薬を飲んでから、以下の感覚があるそうです。
「phantom urgency to go to the restroom.」
よく聞いたら分かりました。
彼が言う大便は、小腸から直接右の下腹部に置いてる袋(ストーマ)に入るだけ。肛門は装飾品である。
西洋医学は彼の大腸を切り取ったあと、小腸と直腸を結びつけたのです。しかし、クローン病の影響で彼の直腸は腐っている。縫うのができなくて、小腸の所に袋を作り大便を貯めていました。
彼は今週来てから、すごい後悔していました。なぜ2年前に来なかったんだと。。。
彼みたいに後悔する人もいれば、まったく気づかない患者もいます。以下の治療例、どうぞご覧ください。
彼は最近視力がすごい下がって、視力を良くする漢方薬はないかと聞きました。
処方箋は変えない。
2009年11月30日と同じ。
追加したのは粳米3銭。決明子(けつめいし)4銭。女貞子(じょていし)。クコの実4銭。10日分を処方しました。
2週間後にまた診察に来る予定です。
草木医師 2009年12月12日 報告
倪海厦(ニハイシャ)先生の評価
林医師は西洋医学の薬物化学系の博士で、現在は第一線の中医師です。北京大学化学系のナンバーワンの卒業生。
読者の皆さん、彼女の記録を見て下さい。
簡略した文字で、余計な言葉がありません。
彼女の医学知識と文学修養の高さが分かるでしょう。
彼女はヘビー級で若い経方家です。
彼女は私の所で研修が3年も過ぎています。
彼女は生まれつきで童顔で、綺麗で可愛い。声も女の子らしい。
この目玉がないイタリア人は、顔だけ見て彼女は卒業したばかりのドシロウトだと判断しています。彼女が私の超強い学生さんの一人であるのを知らない。
ナマのトリカブト(附子)の毒性。
彼女は誰よりもその強さが分かると思います。
しかし、彼女が使うのを見て下さい。
日常茶飯事みたいな感じです。
毒薬は使い方を間違えると、もちろん命に危ない。
ちゃんと使えば、人の命を救う事ができます。
毒薬の漢方薬は、一般的な中医師は使い方が分からなくて、毒があるから使わないと言い訳します。
皆さん、薬剤師に聞いてみて下さい。
どの西洋薬が毒がないのか?
答えは:全部ある。
西洋薬は毒があっても使っているのに、漢方薬は毒があるとダメですか?
西洋薬は化学毒素です。
漢方薬は自然な毒。
2つは違います。
かわいそうな民衆は化学薬品の毒を飲んでも、漢方薬の毒は飲みたがらない。愚かで仕方がない。
林医師は治療する時、治しただけではなくて中国の文化も宣伝している。本当に私の真髄をもらっています。
西洋医学の手術は、みんな不可逆性の治療。
つまり、手術したあとは後悔しても、取り戻すことができません。
この男性は後悔したのが遅いです。
もし、漢方薬で直腸の腐った組織が再生されれば、2回目の手術で肛門とつなげられるかも知れない。
これでやっと人口肛門(ストーマ)から逃げられ、患者さんも正常な生活が送れます。
そうじゃなかったら、患者さんは死ぬまで人口肛門(ストーマ)をつけて、行動するしかない。考えるだけでかわいそうです。
最初は小さなクローン病だったのに、西洋医学の治療で良くなったところか、今は人口肛門(ストーマ)が増えている。得する前に害を受けるのが西洋医学!
だから、私は敵に手術をすすめます。
林先生は将来、ピカイチの先生になるでしょう。
李哲の感想
これは嘆くしかない治療例です。
クローン病が治ったところか、患者さんにはストーマが増えている。
生活でどれだけ不便であるか、西洋医学の先生は考えてもないでしょう。
治せないのを知っていながら、なぜ中医学の治療をすすめないですか?
見ていると本当にむかつきます!
上記の男性、ニハイシャ先生が言ったように、腐った直腸の組織が再生されて2回めの手術で自然の肛門になることを祈ります。
鍼治療例ではないですが、以前足つぼ整体をしたときの例がありました。
胃腸の病気は漢方薬、鍼治療にとって難しいものではないです。
少し時間をかければ、良くなるのが分かる。
クローン病であろうと、ただの下痢であろうと、漢方薬もしくは鍼治療をやってみてください。
どうしてもダメだったら、ストーマをつけてもいいじゃないですか?