【※本記事は2019-07-10更新しました】
こんにちは。李哲です。
今日はニハイシャ先生の弟子(獣医)が書いた治療日記。
腎不全・尿毒症になって、死ぬしかない猫を救ってきた例です。
()中の紫色文字の所は、ニハイシャの言葉。 最後には私の感想文が書いてあります。
中国語翻訳のリンク先は、 另外
重度の腎不全、尿毒症で死ぬしかない猫
Aちゃんは3歳の猫。メス。
飼い主が気づいた時は、すでに食欲不振で倦怠感が強く、一日中食べないし飲まなくて動かない。歩くとき、バランスがとれなくて倒れる。嘔吐と下痢で、どんどん痩せてきました。
飼い主は仕事が忙しくてほったらかしたけど、見る見るに衰弱しているから、治療に連れてきました。
来たときカルテに書いたのは以上の症状。
もともとの体重は3.2kgあったのに、今は1.8kg。
粘膜は蒼白で、血の色が見えません。
口の中の匂いは強烈で、膀胱には尿がたまってない。
精神状態が非常に悪く、歩く力すらなくて、しかも発熱していました。
私の初期判断は「少陰症」。
李哲の説明: 「少陰症」の解釈は、風邪薬の副作用:だるい、吐き気、めまい、下痢はなぜ起きるのか?中医学の理論では、薬で風邪が悪化したからですをご覧ください。
血液検査データが示すのは、重度の腎不全、尿毒症。
肝臓の数値は6倍。
クレアチンキナーゼ(CK)は7倍に上がっている。
超音波検査では、腎臓に水がたまって重度の水腎。
入院治療の手配をして、今の状況が危険である事を伝えました。
飼い主は女の看護師で、検査結果は全部理解していました。
ここまで来たら、腎臓はもう「終わり」です。
飼い主は、「猫の腎臓移植手術は可能ですか?」と質問したので、私は答えました。
「アメリカではあります。国内はまだ聞いたことがない。そして、腎臓移植手術しても成功率は低いです。成功したとしても長生きはできません。」
彼女の同意を得て、漢方薬を試すことになりました。
彼女が言うのは、死ぬしかないなら漢方薬を治療してみる。
猫の腎不全、尿毒症は漢方薬10日で完治した(詳しい治療経過あり)
初診日の処方箋:
柴胡3、黄芩2、人参3、炙甘草3、半夏4、生姜2、黄連2、茯苓3、芍薬3、白朮2、加工したトリカブト(附子)2、当帰1、細辛2、乾姜2。
飲んでからの変化は、以下の通り。
1日目:水が飲めるようになった。
2日目:座ってられる。以前はうつ伏せになるしかなかった。缶詰が食べられるようになった。
3日目:状況は悪くなりました。
ずっと嘔吐が続いて、水を飲まない。
半夏と生姜の量を増やしても、肝臓と心臓の数値は良くならない。
4日目:まだ嘔吐が続いている。
処方箋を変えました。
茯苓3、芍薬3、生姜10、白朮2、加工したトリカブト(附子)3。
5日目:著しく良くなりました。
嘔吐はなくなり、餌と水を飲みたがる。
小便の量は変化なし。
面白いのは肝臓の数値は正常になったけど、腎臓と心臓の数値はまだ進歩がない。
6日目:
続けて進歩している。体重は2.1kgまで増加。
7日目:血液検査データでは肝臓の数値が正常。
肝臓と心臓の数値は大幅に下がった。
8日目:
体重は2.2kgまで増えた。
9日目:超音波検査の結果、腎臓にたまっている水が大幅に減った。
10日目:
すべての数値が正常になり、いつもの通りよく食べて大小便が出て、いきいきして甘えたりもします。
今日で退院。
1週間後、再診察に来ました。
血液検査データではすべてが良い。
体重は引き続き、増加しているところ。
超音波検査結果、腎臓の形は正常に戻り、水がたまってない。
続けて漢方薬を飲んで、腎臓を強化しています。
漢方薬で治療した獣医のまとめ
以上は本院の例(当院にはカルテがあり)です。
(あなたが使った処方箋を見れば、私は本当の治療例であるのが分かります。中医学を信じない人は人工透析に行きなさい。信じる人は中医学の治療を探して。)
漢方薬は本当にすごいです。
以前このような病気を診る時、西洋医学の対症治療しかできなかったです。点滴、腹膜透析など。
猫が死ぬか生きるかは、完全に運命に任せる。
病気の原因すら分からない。
中医学を勉強してから、生命と健康に対しての認識が徹底的に変わりました。ニハイシャ先生に深く感謝します。
この治療例は成功したけど、私はまだたくさんの疑問があり、アメリカのニハイシャ先生の所に行って研修に参加し、もっとたくさんの猫と犬を救えるように頑張ります。
遊医獣 2010年2月8日 報告
(ニハイシャが学生に対する褒め言葉は、あまり関係がないので申し訳無いですが省略します)
李哲の感想
漢方薬は人間にも効くし、猫、犬にも同じように効きます。
腎不全(じんふぜん)。
西洋医学にとっては、血液透析しかありません。
一つ理解してほしいのは、血液透析は腎不全を「治す」ものではない。
機械が腎臓の代わりに毒素をろ過して、死期を伸ばすだけの一時的な延命措置です。
患者さんはあと数年生きるために、透析の苦痛に耐えるしかない。
なぜ漢方薬を試さないですかね?
腎不全はニハイシャ先生の治療日記でよく出るもの。以下は娘さんを人工透析から救ってきた治療例です。
上記の処方箋を分析します。
最初の3日目までの処方は、小柴胡湯+真武湯(しんぶとう)の組み合わせ。
少ししか効き目がなかったのは、処方箋に要らないのが入っているからです。
2回目の処方箋は、ただの真武湯(しんぶとう)になりました。
そして、量を増加。
これで一発で効いたのです。
真武湯(しんぶとう)は本当に偉大なもの。
真武湯の紹介は以下の記事をご覧ください。
たくさんの生薬を入れれば、効くものではないです。必要なものだけ集めて、邪魔になるものは入れない。
漢方薬の組み合わせは、非常にシンプルかつ効果絶大。
なぜこんな組み合わせなのか?
なぜこの生薬で、似てるあの生薬は使わないのか?
後世の私たちは、その匠の技に嘆くしかないです。
腎不全に関して、私はまだ治療例がないので発言を控えます。
一人だけ、腎不全になる手前の方が来ましたが、1回で止めました。
彼女が言うのは、「こちらの鍼はとても効きそうだけど、鍼の響きはダメですね。」
困りました。
効きそうだけど響きが嫌だ。
しかし、私が習った鍼は「得気」(ひびき)がないと、効果がないと言います。
どうしたら良いですかね。。。