夜間頻尿は五苓散で減り、睡眠中に手足が動き回るのもだいぶ減った

【※本記事は2019-08-05更新しました】

 

こんにちは。李哲です。

アメリカの中医師:鄭智城先生*1の文章を翻訳しました。

 

中国語本文のリンク先は、

睡觉时身体四肢总是不自觉的乱舞是怎么回事?_郑智城

翻訳文

最近、私の診療所にはたくさんの白人男女が来ています。

 

きっかけは、一人の白人女性がこちらに来てから。

この白人女性は不妊症が治った友人が紹介してきたけど、最初はやはり半信半疑でした。しかし、漢方薬を飲んでから効果が出て、彼女はすごい漢方薬を信じるようになりました。

 

彼女の職業はヨガの先生。

しょっちゅう生徒さんを連れてきています。

 

ある日、彼女は漢方薬を待っている時、私にご主人の事を話しました。

「主人こそ漢方薬が必要な人です。でも、主人は漢方薬をあまり信じない。」

彼女は残念そうに言ってました。

 

私:「なぜご主人は漢方薬が必要ですか?」

彼女:「主人は喉が渇くのがすごい。毎日大量の水を飲まないといけないです。そして、頻尿。トイレの回数が頻繁すぎて、恥ずかしいくらいです。外食する時、少しの間でもすぐトイレに走ります。ウンザリじゃないですか?」

 

私は聞いてすぐ興味を持ちました。

聞いた感じでは、八味地黄丸か五苓散の症状っぽい。

 

五苓散の症例は、他にもあるので、以下の記事どうぞご覧ください。

 

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私が質問する前に彼女はまた話しました。

「主人の小便は問題があります。主人の小便はチョロチョロで、うまく出ないそうです。」

 

私はこれで「小便不利」の文字を思い出しました。

 

その後、彼女はまた話しました。

主人は睡眠中に手足が踊りだして、私の布団まで全部持っていくので、私までよく眠れません。文句を言っても主人は知らないと言うし。」

 

假令瘦人,臍下有悸,吐涎沫而癫眩、此水也。五苓散主之。私はまた『傷寒雑病論』の文字を思い出して、すぐ彼女に質問しました。

 

「ご主人は太っていますか?」

「いやいや、主人は標準体型、細長いです。運動と筋トレを良くしています。」

 

はは、これを聞いて、十中八九は五苓散であるのが分かりました。

 

でも、ちょっと待って。もう一つ確認しないと。

「ご主人は汗かきですか?」

「あいや、たくさんかきます。よく汗をかきます。」

 

『傷寒,汗出而渴,五苓散主之。もう一つのビンゴ。

 

私はすぐ3日分の五苓散を処方し、彼女に帰ってからご主人に飲ませるようにしました。

 

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桂枝(けいし、シナモン)

1週間後、彼女はまた再診察に来ました。

私が質問する前に、彼女はご主人の状況を話してました。

「この漢方薬は飲みやすいそうです。でも、主人は特に変化がないそうです。」

 

「睡眠中の手足が踊りだすのは減りました?」

彼女は目が光って、「だいぶ減りましたよ。でも、主人は分からないですね。知っているのは私だけ。おう、そうだ、主人の夜中のトイレの回数も減りました。」

 

寝てるときに動き回る男性は、他にもいます。

以下の記事、どうぞご参考に。

 

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たくさんの患者さんは変化に気づいていません。

 

だから、再診察の時、一つ一つの症状を確認して、漢方薬が有効であることを伝えないといけない。

 

五苓散は一番良いのは粉、温かい水で飲む。

煎じ薬になると効果が落ちます。

 

でも、たくさんの伝統的な散と丸薬は、今やっているメーカーが少ない。とても惜しいです。

 

例えば烏梅丸、煎じ薬になると胃を冷やす可能性があるけど、丸薬にするとその可能性がありません。

 

烏梅丸は以下の治療例でも使われています。

どうぞご参考に。

 

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李哲の感想

先に説明しますが、烏梅丸の材料には梅があります。

中医学では一番酸っぱい梅を選んで、しかもお酢の中に何日か漬けてから、梅の肉だけを生薬に入れます。

 

どのくらい酸っぱいかは、考えてみれば分かるでしょう。

 

こんな酸っぱいものを煎じ薬にしたら、貴方は飲み込めますか?

無理です。

誰でも飲んだら、気持ち悪くてすぐ吐いてしまう。

 

だから、昔の聖人たちは丸薬にしている。外側に蜂蜜の膜があるので、胃の中に入っても吐いたりはしません。

 

漢方薬の組み合わせと作り方は、その実用性と効能を考えてから配合されているのです。詳しくは以下の記事をご覧ください。

 

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上記の男性、睡眠中に手足が無意識に踊りだすのは、皮膚の下に水が溜まっているからです。解決策は漢方薬だと鄭先生が処方した五苓散。

 

鍼治療の場合は、もう少し考え方が違います。

 

合谷、太衝で安神作用を果たし。

中脘で五臓六腑の腑の働きを良くする。

そして、陰郗と後渓で寝汗・汗をかきすぎるのを治す。

 

臨床では心兪と内閣、巨闕だけでも寝汗を止める時があったので、どのツボを選ぶかは臨機応変。

*1:鄭智城先生の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外) をご覧ください。