皆さんの漢方というものに対する
イメージはどんなものですか?
今の中国では、漢方=中医学について
間違った理解をしている人がたくさんいます。
本場の中国ですら間違っているのですから、おそらく他のアジア諸国では、 もっと歪められているのではないでしょうか。
「西洋医学で治らないなら、とりあえず漢方に頼ってみよう」
「漢方は急性の病気や癌などには効かない」
「漢方薬は何ヶ月も飲まないと効かない」
「体質に合えば効くかも知れないけど、 合わなければ全く効果がない。
こんなんじゃ、重病どころか風邪も治せないのでは・・・」
さて、本当のところはどうなのでしょう?
今、中国で起こっていることをお伝えしたくて、 このコラムを書きました。
中医学には「火神(かじん)派」という流派があります。
清朝の鄭欽安(てい しんあん)が元祖で、 歴史的にはまだ100年くらいしか経っていない若い流派です。
この流派の特徴は、附子(ブシ:トリカブトの一種。 日本では狂言のタイトル「ぶす」で有名だそうですね。 日本の漢方では「ブシ」と発音するようです) などの毒性の強い漢方薬を大胆に使用して、 たくさんの瀕死の人を救ってきたことです。
体をあたためて腎の気を高める、 火のように作用の強い薬を自在に使いこなすことから、「火神派」と呼ばれるようになりました。
現在、代表的な火神派の中医師が何人かいますが、 その中の一人を紹介したいと思います。
名前は李可(り か)先生、70歳のおじいちゃんです。
中医歴50年のベテラン先生です。
李可先生は、数え切れないほどたくさんの 患者さん達の命を救いました。
心筋梗塞、脳梗塞、癌… 西洋医学では「もう治る見込みはない」といわれた病気の患者さんばかりです。
李可先生が勤めた漢方の病院(中医院と言います)において、 全国で唯一はじめて、漢方科が西洋医学の緊急措置室に とって替わったのです。
つまり、心筋梗塞や脳出血で倒れた人が 病院に運ばれたとき、通常の緊急措置ではなく
、まず漢方の緊急治療が先に行われたのです。
なぜ?
李可先生の漢方治療のほうが、 西洋の薬よりも副作用がなく、効き目があったからです。
アメリカでも、台湾出身の中医師が活躍しています。
この前のコラムでも紹介した倪海厦(ニハイシャ)先生です。
倪海厦先生の得意な分野も癌などです。
漢方での癌の完治率は高く、アメリカの西洋医学の先生も患者さんに薦めているくらいです。
興味がある方は、インターネットで検索してみて下さい。
(2018-10-05追記:ニハイシャ先生の診療所は、ニハイシャ先生の死去とともになくなりました。)
では、なぜ一般の人々の意識の中で 、「漢方は効かない」になってしまったのでしょう?
~続く~