【※本記事は2019-06-12更新しました】
こんにちは。李哲です。
今日はアメリカでの中医師：鄭智城先生*1の文章を翻訳しました。
中国語本文のリンク先は、
（2013-03-16 09:50発表）
- ニキビが良くなった美容院の人が、紹介してきた金髪碧眼の美人
- 体を冷やす・デトックスの薬で、ニキビはなかなか治らない
- ニキビのほとんどは、体内の冷え
- 温める処方箋でもダメだった
- 処方を変えてから、調子が良くなり喜んだ
- 不安障害の彼氏も改善してきた
- 李哲の感想
ニキビが良くなった美容院の人が、紹介してきた金髪碧眼の美人
先月、金髪碧眼の美人が来ました。
ある美容院の紹介で来たそうです。
美容院のスタッフはこちらでニキビ治療しで良くなったので、こちらに紹介したのです。美容院なのに商売もやらないで。
体を冷やす・デトックスの薬で、ニキビはなかなか治らない
ニキビは比較的に治しにくいです。
一般的な治療法は、熱の毒だと判断して、処方箋もみんな冷やすもの。
しかし、治療すればするほど悪くなります。
なぜ冷やす処方箋が効かないのか？
今の人たちは、多少は中医学を知っています。
顔に出たニキビを見るとすぐ自分で冷たいお茶、もしくは熱を下げて、デトックス作用がある薬を飲みます。
もし熱を下げて解毒作用がある薬で解決できたら、なぜまた中医学の診療所に来るのですか？
結論を出すと：
中医学の診療所にニキビで来た人は、みんな熱の実証ではない。
ニキビのほとんどは、体内の冷え
私も初めて治療した時は、俗の理論の罠にかかりました。
熱を下げて解毒作用がある処方箋を出したけど、効かなかったです。
あとで悟りました。
この方法はダメであることが分かり、ほかの道を見つけたのです。
すべての症状は寒熱・虚実、この２つの可能性があります。
たとえば、出血（痔もしくは鼻血）。中は寒いかも知れないし、熱い可能性もある。ニキビも同じです。
私が臨床で見たのは、ほとんど寒いタイプ。
この金髪美人は典型的な例でした。
脈は弱い、手足は冷たい。
数ヶ月前は大量に髪が抜けてました。今はだいぶ戻っている感じですが。
鍼治療でも髪の抜け毛が減るので、良かった以下の記事をご覧ください。
温める処方箋でもダメだった
彼女の職業は舞踊家。スタイル抜群で顔もきれい。ただ、このニキビだけ引っかかる。
以前、このようなニキビを治す時、私は冷やす処方箋はダメだと分かったけど、適切な治療法は見つからなかったです。
当帰四逆湯、温経湯、桂枝茯苓丸などなど。みんなダメでした。
温経湯の使用例は、以下の記事にもあります。
どうぞご参考に。
処方を変えてから、調子が良くなり喜んだ
今回、私が処方したのは張锡純*2先生の「通脈資生湯」。中の玄参と竜眼肉を削除しただけです。
私は直感的に、この処方箋は必ず効くと思いました。
案の定、次の診察のとき、彼女は非常に喜んでました。飲んで効果があったから。
そして、徐々にほかの症状も良くなりました。
お腹が暖かくなり、左の下腹部は短期間の痛みがあったけど、おそらく筋腫か嚢胞などの瘀血を溶かしているからだと思います。
瘀血を溶かす時は、黒い血の塊として生理と一緒に出る時が多いです。以下は一つの鍼治療例、参考になると幸いです。
不安障害の彼氏も改善してきた
彼女の彼氏も良くなりました。
前回、彼女が来たとき、彼氏は隣で質問したのは、「不安障害でとても落ち着かないですが、なにか処方箋ないですか？」
「もちろんありますよ」
脈診もしないで、舌診だけして処方しました。
生脈散（麦味参顆粒）。人参、麦門冬、五味子、３種類だけ。
生脈散（麦味参顆粒）は以下の記事でも紹介しているので、どうぞご覧ください。
再診察のとき彼氏が言うのは、
「いつも出張が多くて空港で飛行機を待つとき、不安障害で立つのも座るのもダメで、ずっと独り言を話していました。
漢方薬を飲んで気づいたら、全然緊張してなくて非常に冷静。Very Chill, Very Cool！」
李哲の感想
「通脈資生湯」の内容は白朮、山薬、生の鶏内金、山萸肉（山茱萸）、クコの実、芍薬、桃仁、红花、甘草。
私の見解ですが、
処方の目的は脾胃を強化。（白朮、生の山薬、生の鶏内金、甘草）
肝臓と腎臓の陰（血）を強化。（山萸肉、クコの実）
瘀血を取る。（芍薬、桃仁、红花）
当帰四逆湯と温経湯は、みんな陽を強化するもの。
「通脈資生湯」は、陰（血）を養う方向が強い。処方を間違えると、もちろん効果がありません。
ニキビは血液中の毒素が多いのが原因です。
血を養い、また瘀血を取ることで効果が出たと思います。
私は以前、グァーサで背中のニキビを治した事があります。
顔のニキビではないですが、どうぞご参考に。
鍼治療の場合は、比較的にシンプルです。
虚実さえ分別すれば、あとは簡単。
主な治療ツボは曲池、合谷、血海、三陰交など。ほかには患者さんの便通・睡眠など聞いて調整します。
以前書いた治療例があるので、どうぞご覧ください。
鍼は漢方薬ほど早くないかも知れませんが、方向性を間違えないのがメリットです。
◆リーキーガットの鍼治療例：下痢・腹痛・花粉症・腹部膨満感・ニキビなどの諸症状が改善できた
◆顔のくすみが減り、小顔なった夫婦の感想から、美容鍼の仕組みを解釈します
◆全身性エリテマトーデスの蝶形紅斑は減り始め、関節痛は大幅に改善、不眠症が治った女性。恐怖症が良くなり、今度はニキビを気になり始めた女の子。
*1:鄭智城先生の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医（海外） をご覧ください。
*2:張锡純先生：1860年－1933年。中国近代の有名な漢方医。「中医学と西洋医学の良い所を混ぜて使うべきだ」と主張する体表者の一人。
