不思議な炙甘草湯:ひどい血便を治した例
こんにちは。李哲です。
今日は鄭智城中医師(アメリカでの開業医)の記事を翻訳しました。
中国語本文のリンク先は、
翻訳文
最近診た男性患者さん。
血便がひどい。
毎回お腹に力を入れて便を出すと、血が流れて便所に落ちる音が聞こえる。大便が終わって起き上がる時、便器が真っ赤でびっくりした。
最初の1~2日、男性は自然に治るだろうと思ったそうです。しかし、何日経っても治らない。出血がひどいので、めまいと心臓のドキドキが増え、仕方がなくて私の所に来たのです。
私が診たら彼は痩せ型で、脈は細弱。心の中では炙甘草湯だと確信しました。
処方箋は炙甘草湯3日分。
炙甘草、桂枝、野生西洋参、麦門冬、生地黄、アギョウ、麻子仁、生姜、ナツメ。
漢方薬を飲んでから報告がありました。
1日飲んで、血便が大幅に減った。
2日飲んで、8~9割良くなった。
3日後は完治。同時に心臓のドキドキも消えて、大喜びしていました。
この前、天気がすごい熱い時、私は朝起きるのが面倒くさくなりました。毎朝のテニス試合で負ける時が多かったです。
1ヶ月も負け続けたら、ある日心臓のドキドキ(動悸)まで出たのです。
これはマズイ。炙甘草湯を飲まないと。
そして2日分を作って飲みました。
飲んだ後、運気が逆転しました。
ずっと勝っている。1週間以上勝ち続けています。
以前私が試合で負ける主な原因は、サーブの質が悪すぎ。私のやり方は、心肺能力に自信がないと難しいやり方。飛びながらサーブする一瞬、もし気力が出て来なかったら、出したボールは引っかかるか若しくは外に出る。
2日の炙甘草湯を飲んでから、サーブの時に使えきれないパワーがあるように、いろんなサーブのやり方でも自由自在にコントロールできる。
そして、最近は遅く寝ても大丈夫。ほぼ12時になってから寝ます。
以前だったら寝るのが遅いと、翌日の状態がすごい悪かった。
この点から分かりますが、炙甘草湯は睡眠の質をあげている。短い時間でも十分な休息ができるのです。
あるネットでの友人は不思議な症状がありました。顔はいつも赤い。冬だったら更に赤い。中医学を知らない人は、おそらく彼女はすごく元気だと思うでしょう。
私は彼女に炙甘草湯を処方しました。
数日後、顔が赤い症状は消えて、もう少し経ってから彼女は顔の色素沈着まで徐々に減りました。
一人の年配者。
長期的な睡眠障害があり、夢がとても多かった。翌日に起きた時は夢の内容もはっきり覚えている。
私が脈診してみたら、結代脈が著しかったです。
そして炙甘草湯+四逆湯を処方しました。
3日後に報告があったけど、睡眠はだいぶ良い。夢も減った。翌日には夢の内容もあまり覚えてないそうです。
李哲の感想:
「炙甘草湯=血便」ではないので、気をつけてください。
鄭先生は患者さんの症状を総合評価して、炙甘草湯を処方したわけです。
一つの症状だけで、処方を決めるものではありません。
心臓がドキドキする。動悸。気持ちが不安などの症状には、炙甘草湯が有名です。1000年前の『傷寒雑病論』に載せたこの処方は、今でも有効。
鍼治療では比較的に単純なので、心兪、巨闕、関元、内関、神門などを刺せば心臓のドキドキ(動悸)がなくなります。
内関は指で強く揉むだけでも、動悸が楽になる。
鍼なら更に効き目があります。
関元は下半身、下腹部を温める作用があるので、内関と一緒に全身を温めることができる。
以上は心臓に関するツボが多いので、睡眠の質も改善できます。