感染症も動悸も一緒に治った:死にかけた蜂窩織炎(足がただれて痒い)を、漢方薬で治した例(下)

こんにちは。李哲です。

今日はアメリカの中医師:鄭智城先生の記事を翻訳しました。

前回の治療内容は以下をご覧ください。

 

www.li-hari.net

 

中国語本文のリンク先は、

差点就要了命的白人中年男脚感染【续完】_郑智城

(2012-08-12 03:18発表)

翻訳文

男性は帰るとき私に質問しました。

「ところで、抗生物質はどうしますか?」

 

これは非常に答えづらい問題。

私の心の中ではもちろん止めてほしい。でも、はっきり言ってはいけない。

 

責任の問題だから。

これは言わなくても分かるでしょう。

 

私はこう答えました。

「いらないと思います。抗生物質を使ってからさらに悪化したから。あなたには害しかない事が分かります。しかし、最後の決定はあなた自分で決めてください。」

 

体の免疫力を破壊する抗生物質

体の免疫力を破壊する抗生物質

 

3日後、男性のことで心配で落ち着きがないとき、夫婦とも来ました。

 

その日はとても忙しかったです。

夫婦2人は座って待ちながら笑っているのを見て、私は心の中で効果があっただろうと思いました。

 

男性の順番になり、白人男性が言うのは「1日目の漢方薬を飲んで良い感じ。2日目は飲んでから体が暖かくなり、とても気持ちよかった。同時に体の赤い斑点が上から下に行くのが分かる。元の足の位置まで戻っています。」

 

当時、私が思ったのは処方箋は合っている。やっと心の中のおもりは消えました。

 

「あなたの足を見せてください。」

 

男性はズボンをめくって見せてくれました。

足の太谿穴近くの黒いカサブタ、中から黄色い浸出液が出たのが、今は新しい肉が出ています。もともとのカサブタは半分くらい取れている。

 

3日の漢方薬でこんなに早い効果があるとは、本当に嘆くしかなかったです。

 

漢方薬

漢方薬

 

しかし、治療はいつも順風満帆ではないのです。

男性が言うのは、「3日目の漢方薬を飲んだとき、胸がドキドキしてビックリしやすい。だから、残りの半分は飲んでないです。」

 

私は聞いてすぐ分かりました。

男性はもともと心臓に問題があり、前回の処方箋で発散しすぎて、心臓の血が足りない現象が起きたのです。

 

原因が別れば、あとは簡単です。

炙甘草湯(しゃかんぞうとう)+黄耆。

また3日分を処方。

炙甘草湯にある生薬:炙甘草

炙甘草湯にある生薬:炙甘草

3日後、夫婦ともまた来ました。

私の予想したとおり、持続的に良くなってきました。

心臓がつらいのはなくなり、腐った足は9割良くなっている。

 

今度は八味丸+黄耆。6日分を処方しました。

男性は下腹部に力が入らないという主訴があったので。

そして、下から上に発展する腐る湿疹は、ちょうど八味丸が合っています。

 

八味地黄丸は、前立腺の病気にも効果バツグン。

以下の記事、参考になると幸いです。

 

www.li-hari.net

 

この時、台湾人奥さんは言いました。

「彼のお父さんは永遠に私を許せないかも。抗生物質を止めさせたから。」

 

私は笑いました。

これは私もどうにもできない。

 

もし、この男性が続けて西洋医学の治療を受けたら、結果は恐ろしくて考えられません。

 

この抗生物質がダメだったら、次回はもっと強い抗生物質を出す。そして悪化するのは止まらない。抗生物質で満身創痍になったとき、今度はステロイド剤を出す。

 

患者さんはステロイド剤の副作用で、ひどい肥満症とむくみに襲われ、骨がボロボロになる。考えられない悪性循環に陥ります。

 

私は西洋医学の先生ではないので、細かい部分は分からない。でも、だいたいこんなやり方でしょう。

 

以下は台湾人奥さんが私にくれたEmailです。

Dear Dr. Zheng,
Please find the attached photos of XXX's legs during the peak of the inflammation. This case highlights the advantages of Chinese herbal medicine when the strategy and the formulation match the pattern. In a matter of 2 packs the inflammation was contained and the oozing dried up.
People often think of TCM to address chronic symptoms. It can be equally effective for emergency condition, as this case showed.
I put dates on the photos. 7/22 was the day before he went to the emergency room. 7/24 the day after. 7/25 was the date you saw him before he took the formulation packs.
Sincerely,
XXX

李哲の感想

アメリカで開業している中医師たちの治療例を見ると、漢方薬と鍼灸を信じるアメリカ人はけっこういるみたいですね。

 

先に病院に行くのではなくて、中医師に診てもらう。

日本ではなかなか見られない光景だと思います(中国でも中医学の先生に先に診てもらうのが少ない)。

 

このアメリカ人は奥さんが中医学を知っているので、抗生物質がだめだったからすぐ連れてきました。そして、適切な処方箋ですぐ回復。

 

アメリカ人は今後も漢方薬の信者になるでしょう。

 

私はここまでひどいのは診たことないけど、似ている治療例はあります。

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li-hari.hatenablog.com

 

傷口に関して、抗生物質はもう使う道がないです。

第2次世界大戦で抗生物質が役に立ったのは、衛生条件がとても悪い環境で傷口の感染防止ができたこと

 

しかし、今は戦争もないし、衛生管理はどこでもちゃんとしている。傷口からさらなる感染は、ほぼ不可能です。

 

逆によく聞くのは、病院で抗生物質を使いまくって、薬剤耐性菌のせいで院内死亡が増えている。

 

昔診た患者さんは、抗生物質を2~3日飲んだだけで激痛が走りました。

 

抗生物質を3日飲んだだけで、肝臓の反射区が激痛。風邪には抗生物質よりも漢方薬がオススメ。

 

日本ではまだ抗生物質の処方が多いです。

ウィルスが原因の風邪でも、抗生物質を処方。抗生物質はばい菌にしか効かないことを、知っているのにもかかわらず!

 

いつになったら、抗生物質が消えるでしょうか?

 

感染症であろうと、内科の病気であろうと、つらい自覚症状は中医学に診てもらってください。副作用なしで、いろんな病気を治せます。