鍼と小柴胡湯、五苓散で劇的に改善した:貨幣状湿疹の鍼治療例(中)

こんにちは。李哲です。

今日は続きの記事。前回の内容は以下をご覧ください。

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li-hari.hatenablog.com

 

 

良くなる兆候か、患部からの浸出液が増えてきた

2018-6-15

彼女の報告:

呼吸が浅いことに気づいた。

顎に2つの赤い湿疹が増えた。

 

前回刺した地倉穴、逆に痒くなったのと言うので、今日は地倉穴は止め。顔には鍼をしてない。

 

脈診では関脈>寸脈。

右寸脈≧左寸脈

気がまだ強すぎ、バランスがとれてない。

 

前回の鍼したあとの穴がまだ少し赤いので、今日はもっと細い針で施術。それでも、鍼の響きはまあまあ強かったと言ってました。

 

帰りに彼女が言うのは「前回の鍼をしてから、良くなる兆候なのか滲出液が増えた気がします」

 

湿疹と浸出液が大量発生 

2018-6-19

彼女の報告:

唇周囲に赤い湿疹が爆発したように多発。

滲出液もたくさん出て、ティッシュで拭くと黄色いネバネバの液体がつく。

 

目の上下も赤く腫れて、右目は開けるのが大変。

睡眠はまだ良いけど、顎下の滲出液が気になってよく拭いている。

 

彼女が言うのは、「こんなに唇周りがデレデレになったのは、以前妊娠した時に1回ありました」

 

彼女も私も分かっていますが、今回の湿疹と大量の滲出液は、以前ステロイド剤を使って体内に抑え込んだ毒素が出ている。

 

今日の鍼をする時によく見たら、前回の内関を刺したところは赤い穴が広がってない。前々回までは逆に広がって痒くなる感じでした。だから、今日は手首の内関も刺して、心臓と胃腸を強化する事にしました。

 

帰りに彼女は漢方薬局で、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)を買って帰りました。

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竜胆草(りゅうたんそう)の花。生薬は根っこを使う。苦くて熱を取る作用があります。

 

温泉療法と鍼で、湿疹との縄引き

2018-6-22

彼女の報告:

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)は全然効果がない。

 

「あまりにも黄色い滲出液が出て感染症ではないか?」と彼女は心配して、ステロイド剤を出さない病院に行ってみたそうです。

 

病院の先生が言うのは「感染症ではありません。大丈夫です。徐々に良くなるから」

そして、都内の温泉と温泉療法をすすめました。

 

彼女は温泉に行ってきたら、滲出液が半分くらい減って、今日また鍼に来たのです。

 

滲出液が減っているけどまだ出るので、彼女はガーゼを巻いていました。私が触ってみたら少ししっとり。

 

今日の鍼が終わって、彼女は話しました。

「以前、唇の上に赤かゆい湿疹ができたのは鍼で良くなったし、今回は唇の下と顎、前腕に湿疹が出るのは、中の毒素が出ることだと分かります。ただし、顔に出るのは…」

 

「今日は膝裏の委中で刺絡し、ネバネバの黒い血がけっこう出ているので、明日は楽になるでしょう。」と彼女を安心させました。

 

彼女も以前、足に貨幣状(かへいじょう)湿疹が出た時に、刺絡で良くなったのを覚えていました。

 

湿疹患部からの浸出液は減り始めた

2018-6-26

彼女の報告: 

前腕の湿疹は中央から滲出液が出なくなったけど、縁からまだ出ている。目の周りの赤い湿疹は少し良くなり、唇周りは変わってない。でも、滲出液が出なくなった。

 

前回の鍼を刺したところ、穴が赤くなってない。痒くもなってない。数回前は鍼をしてから、針の穴が痒くなったり真っ赤になったのです。

 

私は彼女に説明しました。

「針を刺しても過剰反応が出ないので、アレルギー反応は以前より落ち着いています」

 

これに対して、彼女も納得してました。 

ただし彼女が言うのは、「こんなに暑い日にマスクはしたくない」

 

マスクに関して、彼女は気づいた点を教えてくれました。

「今まではマスクの口が当たるところに、コットンを入れて防いたけど、足りない事に気づきました。昨日気づきましたが、マスクの化学成分にもアレルギー反応が出て、耳にかけた所がブツブツになりました。だから、今はマスクを洗ってから使っています。」

 

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2018-6-29

彼女の報告:

前回の鍼したあと、滲出液がたくさん出て大変だった。

でも、1日だけすごく出て、あとは乾燥し始め、私が今日触ってみたらほんの少しだけしっとり。

 

今日は委中穴だけ刺絡して、あとは全部鍼。

帰りに彼女は漢方薬局で、小柴胡湯と五苓散を買って帰りました。

 

漢方薬の小柴胡湯、五苓散も飲んで湿疹が劇的に改善

2018-7-4

彼女の報告:

今日はマスクしないで入ってきました。

「すごく良くなった!」と喜んでました。

 

私がよく見たら、目と唇の周りの赤い湿疹がだいぶ消えて、滲出液も出てない。

 

彼女はいろいろ話しました。

「前腕の赤い湿疹のところは、掻いても皮膚がボロボロ落ちなくなった。滲出液も出ない。昨日まで目の周りが赤黒だったのに、今日はほとんど周りの皮膚と同じ色になった。

 

以前は口内炎も良くできたけど、最近思えば口内炎も出てない。

以前は目の白い所が赤みが強かったけど、今は白くなっている。

 いろんな所で変化があって、良くなっているのが分かります」

 


 

2018年7月11日

彼女の報告:

まゆ毛の中に湿疹ができて痒い。でも、私は湿疹が見つからなかったです。

 

ほかにある症状は、唇の下が痒い。

右前腕の広範囲の湿疹はもう大丈夫、浸出液も出ないそうです。

右手の合谷穴あたりの円型の湿疹は、まだ残っている。胃腸の調子は良い。

 

今日はスマホで画像を取りました。

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以上の2枚は7月11日に撮影した貨幣状湿疹(かへいじょうしっしん)。赤みがあって、周りの皮膚と色が違うけど、滲出液が出なくなり痒みもなくなっています。あとは、皮膚の色が周りの皮膚と同じようにはなるのを待つだけ。

 

~最後の記事に続く~

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li-hari.hatenablog.com

 

 

2歳の赤ちゃん、皮膚が痒いのが1回で緩和。