朝、口の中が苦いのが鍼1回で治った例

【※本記事は2019-06-12更新しました】

 

こんにちは。李哲です。

朝、口の中が苦い原因は、胆嚢に問題があるからです。

鍼治療では簡単に治せるので、今日は一つの施術例で説明します。

 


 

一人の女性患者。

朝、口の中が苦いという主訴があったので、ほかの治療をするついでに両側の陽陵泉を追加しました。

 

翌週に来た時、彼女が言うのは「口の中はもう苦くないです」

私の運が良かったのもあり、1回で完治しました。 

 

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/l/li-hari/20181025/20181025195043.jpg

 


 

中医学理論で口の中が苦い原因は、胆汁が溢れて口の中に上がってきたからです。

 

胆汁が溢れて上がってくる原因は、胆管がつまった(たとえば胆石症など)。もしくは軽い炎症(火)がある。

 

火の性質は上に上がるので、口の中に現れるわけです。これは軽い炎症なので、病院の血液検査をしても出ません。

 

『黄帝内経』には口の中が苦いことに関して、こう書いてありました。

 

帝曰:有病口苦,取陽陵泉。口苦者,病名为何?何以得之?

 

岐伯曰:病名曰胆瘅。夫肝者,中之将也,取决于胆,咽为之使,此人者数谋虑不决,故胆虚,气上逆而口为之苦。治之以胆募俞,治在『陰陽十二官相使』中。

     『黄帝内経・奇病論第四十七篇』より

直訳すると以下のとおり。

黄帝「口の中が苦い病気には陽陵泉を取るけど、病名はなんですか?原因はなんですか?」

 

岐伯「病名は胆瘅です。肝臓は将軍みたいな存在で、胆の力に頼り、喉にもつながっています。このような患者さんは、決めごとで優柔不断の傾向がある。だから胆が弱くなり、気が上がってきて口の中が苦くなります。

 

治療としては胆の募穴と兪穴を刺す。治療法は『陰陽十二官相使』に書いてあります」

 


 

『黄帝内経』の文章を見てる限り、ぱぱぱっと決断力がある人は、口の中が苦くないはずですね。しかし、胆石症とかになったら、決断力がすごくても口の中が苦くなります。

 

だから、必ず性格が原因で口の中が苦くなったとは言えない。

 

原因はどちらにせよ、治療法は同じです。胆の募穴と兪穴で治る。もっとも簡単なのは、膝下の陽陵泉一つだけで治せます。

 

陽陵泉はけっこう深い所にあるので、マッサージする時はかなり強く押さないと効果が出ません。条件がある方は鍼を受けてください。すぐ症状が良くなるから。

 


 

口の中には、もともとあまり臭わないはずです。

苦くなったり、甘くなったり、酸っぱくなったりするのは病態。

 

それぞれ違う臓器と関連しているので治療するツボも違います。  

今後ほかの治療例があったら、またご紹介しようと思います。

 

症状があったら、中医学の先生に診てもらってください。

 

西洋医学に診てもらうのは無駄です。

外科の手術はいいけど、内科の病気では生理学に欠けているので、なぜこんな症状があるのかも分かりません。