【翻訳文】漢方薬の救急治療:産後の大出血。

こんにちは。李哲です。

今日はニハイシャ先生の弟子が書いた治療例を翻訳しました。

 

産後の大出血で死にかけた女性が、漢方薬でどう回復したかを記録した文章。

 

なるべく本文の意思に従うように翻訳しましたが、ややこしい所は私の言葉に変えました。最後には私の感想文を書いてあります。

 

中国語本文のリンク先は、

http://www.hantang-nihaisha.com/chinese/ch_Articles/studentcase7.htm

翻訳文

12月のシリコンバレー、夜12時ごろ。

 

一台の車が、高速道路で猛スピードで走っている。

少し寒くなった空気の中からは、不安と緊急感が溢れていました。

 

迅速に進む車には、廖明煌医師と後輩の私が座って、あとは大きな缶に入っている漢方薬がありました。

 

急いでいる原因は、地元の大病院のICU病棟に入っている患者さんが待っているから。

 

患者さんは漢唐中医学院の生徒で、漢唐中医読書会の先輩でもあるお姉さん。

 

彼女は産後の大出血が続いていました。

病院の治療法は、今夜手術して子宮を全部切除。そうじゃなかったら大出血で彼女は死ぬ。

 

病院では、すでに5袋の輸血をしていました。

(李哲の説明:1袋で250ccなので、輸血量は1250cc)

 

手術に関して、そのお姉さんは断固拒否。

お姉さんの頭はまだはっきりしていて、病院の先生に質問しました。

 

「出血する部位はどこですか?」

「分かりません。だから、子宮の全摘手術をするしかないです。」

 

病院の先生は、もう一つ提案がありました。

子宮に行く大きな血管を締め付けて、出血を止める。しかし、この提案の副作用は、永遠に2回目の妊娠ができない。あと、ほかの予想できないトラブルが起きる可能性がある。

 

最後、病院の先生は弁護士を現場に連れてきました。

患者さんの反対で、病院側が手術できないのを証明するため。

いったん、患者さんが死んだら責任を問わないように。

 

現状の緊迫感は分かるでしょう。

 

今は風船で止血しているけど、もし止血がダメだったら、手術を受けるしかないそうです。

 

一般人はここまで来たら、病院の先生を信じて手術を受けるでしょう。

 

しかし、手術の後遺症は次の妊娠ができない!

 

このお姉さんは智慧があって冷静な女性でした。

今年はもともとフロリダ州に来て、ニハイシャ先生のもとで研修する計画だったけど妊娠したので、ニハイシャ先生の同意を得て来年の3月に伸ばしたのです。

 

お姉さんは一番最初に漢唐中医の先輩たちに連絡しました。彼女は漢方薬を信じているから。

 

これは非常に難しい任務です。

 

病院側は、中医学治療が入るのを同意するわけがない。

患者さんは点滴で水分補給をして、水すら飲ませていません。漢方薬を飲むのは更にダメでしょう?

 

こんな状況で、世の中の人たち、何人くらい漢方薬の治療を求めるでしょうか?

 

お姉さんのご主人が、漢唐中医学院の先輩たちに連絡したあと、やはり一番研修歴が長い廖明煌医師に任せた方が良いと判断しました。

 

葉さんが私に、廖明煌医師に電話してくださいと言ったとき、廖明煌医師はすでに寝ようと準備したところ。

 

廖明煌医師は翌朝5時に起きて、車4時間距離のところに行ってボランティア医療活動をしないといけないのです。

 

しかし、廖明煌医師はすべてを置いといて、電話でICU病棟の患者さんの詳細を聞きました。そして、「傷寒雑病論」にある大量の「膠艾湯」で止血しようと決めました。

 

中の艾葉は、炒ったあとの葉。

ほかに入れたのは、黑荊穗、黑槐花、黑蒲黃。

 

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蒲黄(ほおう):水沼で育つ生薬。普通は黄色い粉にするけど、止血剤として使う場合は炒って黒くなる。


私は廖明煌医師の近く住んでいたので、すぐ診療所に行って生薬を準備して、お姉さんがいる大病院に駆け込みました。

 

病院側は煎じた漢方薬を飲ませるワケがない。我々は仕方なく、粉末状の漢方薬を家族に渡して、救急室(夜間の唯一の出入口)から病棟の中に入れました。

 

看護師さんが見ないときに、お姉さんに飲ませる。

 

私と廖明煌医師は、どろぼうみたいに薬を渡して、長く滞在もできないのでまたすぐ帰りました。私たちは中に入れないから。

 

葉さんは先に携帯でご主人にアドバイスして、親指の隠白と大敦を爪で強く押して止血を助けました。

 

中医学の先生が中に入れないので、ご主人にやってもらうしかなかったのです。

 

お姉さんのご主人が中に入るのを見送って、私は心から祈るしかなかったです。

1千年も続いてきた漢方薬、お姉さんを守ってくださるように。

 

帰りの道、私は漢方薬でも止血できなかったら、手術するのではないか?と心配していました。

 

廖明煌医師は自信満々で、「この処方で血が止まるはず!」と言いました。

 

ほかの先輩も駆け込んできて雲南白薬をくれたけど、それは重大な事故の時に使う強力な止血剤。最後の手段として保留していました。

 

皆さんの認識は、やはり『傷寒雑病論』の熱い生薬で止血するのが一番良い。

 

心配しているのは私だけではなかったです。

最初から最後まで見守った葉さんも、帰ったあと心配で周易で占いしてみました。

 

結果は「速喜」。

また、病院は葉先輩の自宅の南西にある。

 

だから、お姉さんの病状はすぐ改善することが分かり、安心して寝たそうです。

 

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 訣曰:

「速喜喜來臨,求財向南行,失物中午未,逢人路上尋,
  官事有福德,病者無禍侵,田宅六畜吉,行人有音信。」

 

翌日、お姉さんのご主人にやっと連絡が取れて、話を聞いたらビックリするニュースがありました。

 

ご主人は興奮気味で話したのは、

「もう血が止まりました!」

 

私:「本当に良かったですね!」

ご主人:「手術も要らなくなり、今は普通の病棟に移りました。あなた達のおかげです。」

 

私:「無事であれば、何よりです。」

ご主人:「病院の先生は勝手に手術するものではないと思いますが。」

 

ご主人の話を聞いて、私はやっと安心しました。

 

ご主人はまた言いました。

「私の奥さんは血が止まっただけではなくて、体が暖かくなり顔色も良くなりました。病院の治療をした時は全身が寒かったです。本当に皆さんありがとう。」

 

ご主人は何回も感謝して、漢方薬のおかげだと話してました。

 

2千年前の漢方薬は、今日になっても私たいにその偉大さを見せてくれました。

 

今回は漢唐中医学院の生徒たちが、シリコンバレーでの貴重な経験。

張仲景の処方箋、ニハイシャ先生の教え、 廖明煌先輩の判断以外に、今回一番大事だったのはお姉さんの漢方薬に対する信頼。

 

彼女の決心があるからこそ、この生死の境で自分のために家族のために、永遠の遺憾を避けたのです。

 

あとで考えると、西洋医学は本当にデタラメですね。

 

漢方薬で止血ができなかったら、必要がない手術が行われ、お姉さんも2人目の子供なんかできなくなる。

 

漢方薬の的確な処方とそのパワー。

お姉さんの強い信頼がなかったら、神のパワーも発揮できなかったでしょう。

 

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芎歸膠艾湯(きゅうききょうがいとう)の大事な生薬:阿膠(あきょう)の画像。

世の中の人たち、みんな中医学の偉大さが分かれば、このようなムダな手術がどれだけ減るだろう?

 

夜中、私たちが病院に近づいた時、病院の建物は本当にデカイ怪物に見えました。

この怪物はどれだけの命とお金を飲み込んで、どれだけの家庭の苦しみが生まれただろう?

 

今回の救急治療では成功したけど、今後の普及する道はまだまだ長いです。

 

膨大な西洋医学の制度のなかで、患者さんを救うのは自分の医術を上げるのが前提条件。その後は、皆さんの中医学に対する信頼を得るのが、一つの大きな課題。

 

ニハイシャ先生の影響力で、たくさんの有志者がこの仕事に没入しています。

 

きっとある日、私たちはどろぼうみたいに薬を送らなくても良い。正々堂々たる治療を行う。

 

私たちは自信があります。

 

シリコンバレー

漢唐中医学院 生徒 林◯◯ 報告

【傷寒雑病論の原文を載せます】


金匱要略--- 婦人妊娠病脈證治

 

師曰:婦人有漏下者,有半產後因續下血都不絕者,有妊娠下血者,假令妊娠腹中痛,為胞阻,膠艾湯主之。

 

[芎歸膠艾湯方:一方加乾姜一兩。胡氏治婦人胞動,無乾姜。芎窮 阿膠 甘草各二兩 艾草 當歸各三兩 芍藥四兩 乾地黃  上七味,以水五升,清酒三升,合煮取三升,去滓,內膠,令消盡,溫服一升,日三服,不差,更作]

 

倪海厦(ニハイシャ)先生の評価:

私たちは経方を支持する人たちです。

今日この治療例を書くのは、世の中の皆さんにお知らせするため。

 

中医学の経方こそ、正しい医学。

私たちが経方を普及するのは、人を救って病気の苦しみから逃すためです。

 

世の中の中医学の先生、心を潜んで勉強すれば、みんな上記の治療例みたいに正確な治療ができます。

 

西洋医学がもし経方を習う事になったら、全世界の幸せでしょう。

 

読者の皆さん、問題があったらカリフォルニアまで来なくて良いです。自宅の近くで本当の経方家を探せば良い。

 

中国にいるか、台湾にいるか、アメリカにいるか関係がなく、中国人がいるところには必ず経方家がいます。

 

今後はさらに経方家が増えるでしょう。

皆さん目をぬぐって待ってください。

李哲の感想:

産後の大出血は、すぐ治さないと本当に命を落とします。

 

大出血の原因はいろいろあるので、興味がある方は調べて見てください。以下は一つの外部サイト。

https://jp.icryobank.com/report/info?jump=1&page=2&id=221

 

芎歸膠艾湯(きゅうききょうがいとう)は止血作用が強い処方箋であり、いろんな場面に使います。例えば産後の大出血。妊娠中の不正出血。

 

上記の処方箋の中には、黒蒲黄などありました。

蒲黄はもともと強力な止血剤として、大昔から使われた生薬。

黒くなるまで炒ると、さらに効果がアップして、長持ちするので持ち運びに便利。

 

いろんな止血の生薬が入っているので、効かないわけがないです。

 

西洋医学は出血部位も分からないから、子宮の全摘手術をすすめたでしょう。

 

西洋医学の手術を受けると、2回目の妊娠ができません。

患者さんが喜んで受けるワケがない。

 

そして、西洋医学の先生は、これを「必要悪」だと言うでしょう?

 

本当に仕方がない選択でしょうか?

治せる漢方薬があるのに、なぜ紹介しないですか?

 

上記の2つのツボ:隠白と大敦穴は、止血作用があるツボです。

 

私も臨床でよく使うツボ。

一般的な不正出血なら効果が抜群ですが、あまり大きな子宮筋腫での不正出血には、これだけでは足りない。

 

ほかのツボも一緒に刺して、やっと落ち着く感じ。

古代の書籍には、大量のお灸(皮膚で直火)で止血した例もありましたが、なかなか勇気がいる行動なので、私はまだ試したことがないです。

 

大量の不正出血の場合は、やはり漢方薬のほうが力があると思います。

 

文内で話した廖明煌医師は、昔の記事で紹介したことがあります。

読んだことがない方は、どうぞご覧ください。

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li-hari.hatenablog.com

 

中医学を信じる人は、幸運だとしか言えない。

産後の大出血で死にそうな時、西洋医学の手術を信じる人はほとんどだから。

 

正しい中医学が普及されれば、子宮を失う女性も少なくなるし、乳房摘出術で胸を失う女性も少なくなる。みんな喜ぶ選択肢です。

 

しかし、西洋医学の洗脳教育が広まった今、中医学を普及するのはとても困難な道であります。

 

大変なのは分かるけど、少しずつ進めば50年後にはだいぶ変わるはず。