胃痛、口の中が酸っぱい、食道が焼けるような症状は、逆流性食道炎もしくは胃食道逆流症によく見かけられます。
西洋薬は制酸剤などで抑え込みますが、これは「蓋をするやり方」で、根本治療ではありません。鍼灸は西洋薬と違って、内臓と経絡の強化で逆流性食道炎を治します。
果たして、即効性があると言われる鍼、その効果のはいかなるものか?
以下の施術記録を見れば分かります。
1.おばさん、史上最強の逆流性食道炎(胃痛・胸焼け)に襲われた
こんにちは。李哲です。
今日は2番目のおばさんに鍼した記録。施術日は2018-10-26。
おばさんの陳述:
今朝、中国式の饅頭をたくさん食べたら、消化しきれず胃酸逆流がひどいそうです。
口の中が酸っぱい。
ひどい胃痛で歩くのも大変。
ニンニクをたくさん食べたみたいに、胸焼け・食道が焼かれてつらい。
背中の痛みは、また少し再発しました。
これは慢性膵炎が再発したことを示します。
慢性膵炎の諸症状を治したのは、前回の記事に詳しく書いています。読んだことがない方は、どうぞご覧ください。
再発の原因は、きっと何かの食べ物。
おばさんはコーヒーをほとんど飲んでないので、「人工的な甘い物だけは注意してください」と伝えました。
人工的な甘い物はお菓子だけではなくて、スポーツ飲料、リポ◯◯◯ファイン、チョコラ◯◯なども含む。
おばさんが言うのは、右の膝裏の外側、一本の筋が上までつながって痛い。前鍼したのは全然効果がないそうです。
これは経絡の診断が間違ったことなので、今日は違う経絡にしました。
2.あふれる胃酸を抑えるのに少し苦労
今日うつ伏せで刺した鍼は、
胃兪、脾兪、腎兪、京門、章門、だいちゅう、天柱。
左の申脈。右の膝裏の外側で圧痛点を探して1本刺しました。
おばさんが言うのは、「背中の鍼を刺してすぐ、胃酸逆流が軽くなる感じがした。」
うつ伏せから仰向けになった時は、胃酸がだいぶ落ち着いているそうです。脾兪、胃兪を刺したから効き目があったでしょう。
ただし、おばさんが笑いながら文句を言ったのは、「腰の鍼の響きがまだ残っていて、寝返りを打つのが大変だ」
仰向けで刺した鍼:
上脘、中脘、下脘、関元、足三里、公孫、左の肩下で圧痛点を探して鍼2本、右の曲池と後谿に1本ずつ。
仰向けで鍼をして寝てる時、お腹が少し鳴っていました。
置鍼15分後、胃と食道の調子を聞いたら、おばさんが言うのは「だいぶ良いけどまだ少しだけ痛い。」
置鍼20分後に聞いたら、「胃痛は5%くらいになった。食道が焼かれる感じはまだある」というので、下脘の鍼を抜いて天突穴と鳩尾を追加。
置鍼30分後、全部の鍼を取りました。
一般的には15分くらい置鍼します。
おばさんの置鍼時間が長いのは、邪気が強すぎて体の気が正常に回らないから。
おばさんが言うのは、「左肩を回すと、どこかでジン~と筋肉が痛いんだよね」
今日の曲池、後谿で効果がなかったら、次回にまたツボを考えるつもりです。
3.胃酸が逆流するのは収まり、ゲップがたくさん出てスッキリした
おばさんは質問がありました。
「最後の鳩尾を追加してから、胃が動いてゲップがたくさん出た。なんで胃の中にガスが貯まる?」
私「胃酸がたくさんあって、食べ物が消化しきれず発酵されてガスが生じるからゲップが出ます。ゲップが出ると胃が少し楽でしょう?ゲップが出れば胃の圧迫も減るので、鍼した後にゲップが出るのは良いことです。」
明日、もう一度鍼をすることを薦めたけど、たぶん来ない可能性が高い。
今回の症状は想像以上にひどかったです。
収めるのにちょっと苦労しました。
おばさんが言うのは、「昔から胃がこんな感じだったよ。消化できなくて、胃がムカムカして食道がつらい。しばらく経てば自然に治るから大丈夫だよ」
いやいやいや。
そのうち自然に治ると思い込むのはダメです。
逆流性食道炎をほったらかすと、将来は食道がん・すい臓がんになる。今のうち治さないとダメです。
中医学では「未病を治す」と言いますが、これは何もないのを治すのではなくて、症状が現れた時から、芽が出た段階から治す意味です。
4.2018-10-27追記
翌日の朝、おばさんにラインして聞いたら、「もう治ったから来週行く」だそうです。
案の定のこと、良くなったら来たがらないですね。
この1回ですべて治ったわけではないので、次回にまた引き続き鍼治療が必要です。