こんにちは。李哲です。
今日は私の施術記録。
女性。60代。
彼女は持病以外に、手指の関節痛と腱鞘炎もあります。
手指が痛いのは右手の食指。第2関節が腫れて変形していて、曲げる時が痛いそうです。
腱鞘炎は右手の腕骨側。ツボで言うと、ちょうど陽谷穴あたり。
以下は簡易図面(赤い丸のところが、彼女の痛い場所)。
治療のツボは、反対側の陽谷穴で腱鞘炎を治療。
同じ側の三間から労宮に向けてつなげる。1寸5分の鍼で。
腱鞘炎は1回で良くなり、2回目は刺す必要がなくなりました。
(プシャール結節)食指が変形して痛いのは、1回刺すだけで曲げるのが楽になり、2~3回刺してからほとんど痛みが消えました。
念のために、今も続けて同じツボを刺しています。(自覚症状がない時は刺さない)
変形した骨を戻すことは難しいけど、少なくとも握った時・曲げた時の痛みをなくすことは可能です。
以前、私のおばさんのリウマチ関節痛を治した時も、ほぼ1回で痛みが消えています。
西洋医学では手指関節痛をリウマチ、プシャール結節、ヘバーデン結節などなど、分けて定義をしています。
中医学の理論では、寒気と湿気と風気。この3つが集まって痛みが生じたと言います。そんなにいろんな病名をつけない。
漢方薬の場合は、この3つを処理する生薬を組み合わせて痛みを治します。風邪は桂枝、湿気は白朮で取る。寒気を取り除く最良の生薬はトリカブト。
処方箋は漢方薬の聖典:『傷寒雑病論』の中に書いてあるので、興味がある方は自分で調べてください。2000年前の処方、今でも有効なのです。
鍼治療の場合は比較的に簡単です。上記のツボを刺せば、手指関節の血の巡りが良くなるので、痛みも自然に消えます。
年数が経っている関節痛は、根治まで時間がかかるかも知れませんが、少なくとも1~2回で痛みが減るのを自分で分かるはずです。
毎回テレビで、リウマチなどの関節痛は『不治の病』・『難病』だと言うとき、鼻で笑うしかない。
西洋医学では、もちろん不治の病です。
しかし、鍼灸医にとっては治せるもの。
鎮痛剤、手術なども要らない。