【※本記事は2019-06-17更新しました】
こんにちは。李哲です。
今日はアメリカでの中医師:鄭智城先生*1の文章を翻訳しました。
本文のリンク先は、
(2013-08-13 04:49発表)
精液の中に大量の血が混ざって怖い!
一人の若者男性。
見た目は体がガッチリ、筋肉隆々、優しい顔をしています。
実は彼は同性愛でHIV陽性、西洋薬を飲み続けていますが、普段は漢方で体調不良を治す感じです。
すごい仲が良くなったある日、彼からメールが来ました。
「精液の中に、大量の出血が混ざって怖いです!」
この症状は聴いただけでは、どうしたら良いか分かりません。
以前、このような患者さんを見たこともないから。
考えている最中に、一つの処方を思い出しました。
3日の「清心蓮子飲」で8~9割良くなった
処方の内容は黄芩、麦門冬、地骨皮、車前子、炙甘草、柴胡各15g。石蓮肉、白茯苓、黄耆、人参各23g。
この処方の適応症は心火が多くて、気陰両虚。
特に男性の泌尿器の病気、女性のおりものなどに有効です。
彼に3日分処方しました。
数日後、彼にメールして状況を聞いたら、彼が言うのは「8~9割良くなりました、どうもありがとうございます!」
「清心蓮子飲」を処方したのは直感
その後、彼の紹介でまた数人の同性愛の患者さんが来ました。
彼が自信満々で、「あの先生なら治してくれる!」と保証しているそうです。
清心蓮子飲で血精液症を治す機序は、私もまだ完全に分かっていません。今回は直感的にこの処方だと思いました。
人間の体は非常に複雑なシステムで、なぜこの症状が出たのか、なぜこの処方で治せるのか、すべて解釈できるものではない。
体のシステムに関する中医学の考え方は、以下の記事が参考になると思います。
私が思ったのは、彼は「陰虚証」以外に「気虚証」もあります(房事、性行為が多いと仮説する)。
「気虚証」と「陰虚証」の影響で出血し、小便から出たと考えられます。
重い病気の治療中は房事(性行為)が禁止。
詳しい理由は、以下の記事をご覧ください。
便の後に頻尿になる男性、同じ処方箋で15日で治癒
もう一人の若者男性。
毎回天気が蒸し暑くなると、お通じの後に頻尿の現象が起きる。
最初、私は猪苓湯を使い、少し効果はありました。しかし再発するのです。
あとで清心蓮子飲を処方したら、彼が言うのは「この処方はとても合う感じ!」
15日間飲んで、その後からは再発してないです。
李哲の感想
精子の中に出血するのは、中医学の理論でいうと膀胱の冷えが原因。もしくは泌尿器に炎症(中医学では「熱証」だという)が起きています。
「寒証」ても「熱証」でも出血が起きるけど、「熱証」の方は少ない。
一般的には「寒証」、もしくは両方兼ねているタイプが多いです。
上記の男性は、おそらく後者です。
もし冷えが原因だったら、温める生薬がない清心蓮子飲では治せない。
西洋薬の抗生物質でも、消炎作用はあります。
この場合は、効き目があるかも知れない。
しかし、抗生物質を飲むと翌日から朝たちがなくなる。徐々にED(ぼっき不全)にもなります。
メリットよりデメリットの方が大きい。
抗生物質に関する詳しい情報は、以下の記事をご覧ください。
抗生物質より遥かに有効で、副作用がない漢方薬・鍼灸があるのに、なぜ試さないですか?
漢方薬は全体的の治療なので、ほかの病気が増えません。逆に体力と免疫力が増えます。
私が思うのは、上記の患者さんは、HIV治療薬にやられたかも知れない。
一般的に、精液に血が混ざるのはないから。
HIV治療薬は劇毒が多いので、免疫力低下になるだけではなくて、今回みたいな不思議な症状も出ます。本当に気の毒!
HIVワクチンも使われていますが、これは効能よりも副作用がのほうがひどいと言われています。
血精液症に対して、鍼治療の場合は肝経をメインに治療します。
生殖器系を通る経絡は、肝経が一番影響があるので。
お腹の中極、関元、曲骨、行間なども治療の候補に入ります。
以前、妊娠中のカンジタ膣炎(すごい痒くなる病気)を治した事があります。病名は血精液症と全然違うけど、治す原理は同じです。同じ経絡のツボで治す。
カンジタ膣炎の治療例は、以下をご覧ください。
精液に血が混ざるのは、確かに見た目は怖いです。
しかし、致命的な病気ではないので、怖がらないでください。
信頼できる漢方医もしくは鍼灸医に診てもらえば、あなたはきっと良くなります。
*1:鄭智城先生の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外) をご覧ください。