めまい・嘔吐が3日の漢方薬で治った例

こんにちは。李哲です。

今日はアメリカの中医師:鄭智城先生の記事。

原因不明のめまい・嘔吐を簡単な漢方薬3日で治した例です。

 

中国語本文のリンク先は、

老郑医生回国记_郑智城

(2011-12-14 09:37発表)

 

 

病院で原因不明だと言われた嘔吐、めまい

先月、私のお父さんが帰国して今月戻ってきました。

お父さんは非常に喜んでいました。

10年も帰ってないし、たくさんの友だちと親族に会って食べて飲んで。その喜びは当然でしょう。

 

香港に滞在している時、香港の熱心な親族はお父さんが帰る前すでにニュースを拡散して、あちこちから親族が集まりマカオからも親戚が来ました。みんな治療のため。

 

これでお父さんは何日も忙しかったです。

 

広州に戻った時も同じ。

親族と友人たちがニュースを聞いて、みんなあいさつと治療に来ました。

 

今日話すのは、アメリカに戻ってからの事。

お父さんがアメリカに戻ってから、国内の親戚から緊急電話がありました。ご主人がまた嘔吐、めまいがしてお父さんに処方箋を教えてくださいと。

 

このご主人は、数ヶ月前にも同じ症状がありました。

当時は数日入院して、徹底的に検査をして無数のお金を払ったけど、結果はなにもない。最後は憂鬱のまま退院。

 

たくさんのお金でいろんな無意味な検査を受け、科学的という西洋医学も、まあ、こんなレベル。

 

ご主人は、1ヶ月くらい経ってまた再発したのです。

 

最初発作した時は、お父さんを思い出せなかったです。しかし、お父さんが帰国してから親族たちはまだ覚えていて、今回は自然にお父さんを思い出したのです。

 

電話の中でいろいろ聞いたら、また入院して検査をしたけど原因不明。

唯一の発見は血管が少し狭くなっている。

「脳卒中に気をつけてください」と言われただけです。

 

病院というのは、こんなものです。

 

調べてほしいのは分からない、原因不明だと言う。

必要がないものは、たくさん調べてくれます。

 

3日の漢方薬で嘔吐、めまいが完治

このご主人の症状、原因は簡単です。

胃が冷えて水が溜まり、水が氾濫しているだけ。

 

処方は、苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)をアレンジ、3日分。

 

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茯苓(ぶくりょう)

 

飲んだ翌日に電話が来て、「効果がある感じです!」と言ってました。

3日後は完治して、何も起きてなかったような感じ。

 

偶然ですかね。

胃が冷えて水が氾濫する症状は、見た目は怖い。

西洋医学は検査して何も分からないのに、中医学にとっては1~2日の漢方薬だけの事です。

 

李哲の感想:体の7割は水、水を処理するのはとても大事!

めまいがする。嘔吐、気持ち悪い。

これは胃が冷えて、胃袋の下に冷たい水が溜まって起きる現象です。

 

漢方薬も解決できるし、鍼灸も解決できます。

針の場合は中脘、上脘、公孫、内関など。

私の施術経験から見ると、気持ち悪い・めまいがするのは、ほとんどその場ですぐ改善できる。

 

お灸の場合は、中脘にお灸するのがオススメ。

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li-hari.hatenablog.com

 

西洋医学の診断と治療は、諦めてください。

 

画像検査には冷たい水など出ません。

多めの肺水腫、腹水などは画像検査で分かるけど、少ない量は分からない。

 

常識で考えてみれば分かります。

私たちの体内には7割が水。

健康診断の時に、水の状態がどうだとか、言われたことがありますか?

 

西洋医学では水はどうでもいいと思います。

しかし、中医学では水がとても大事。

なぜなら、水が万物の根源だからです。

 

細菌、ウィルス、がん細胞…みんな水がないと死にます。

 

西洋医学は細菌、がん細胞を殺すことしか考えてないけど、中医学は殺すのではなくて、どうすれば不要な水を処理できるかを考えます。

死ぬまで抗てんかん薬を飲むか、鍼灸で治すか?てんかんの原因と症状・鍼治療例を分析

 

てんかんの中医学の原因

こんにちは。李哲です。

癲癇(てんかん)は西洋医学にとって、治せない病気です。

死ぬまで副作用だらけの抗てんかん薬を飲んで、てんかん発作を抑え込むだけ。

 

本ブログでは、漢方薬で癲癇(てんかん)を治した例をアップしました。

以下はその中の一つ。

li-hari.hatenablog.com

 

「漢方薬で治るのは分かるけど、鍼でも治せるの?」

「鍼で治した症例でもあるのか?」

 

今日は、てんかんの原因と過去にあった鍼治療例をあげて、なぜ鍼灸治療で「てんかん」を治せるのかを述べます。

 

先に、てんかんの原因を説明します。 

中医学の理論で、癲癇(てんかん)の原因は、一文字でいうと「痰」です。

 

「注:事故で脳の損傷が起きた時もてんかん発作が起きますが、あくまでも稀なケースなので、ここでは討論しません。」

 

体に不要な水(湿気)が長い間たまって、体内の熱さでネバネバの水、つまり「痰」になります。

 

痰は内臓に貯まるときもあるし、内臓と内臓の間に貯まるときもある。

外側の神経・経絡の周りにくっついた時は、いわゆる「てんかん発作」が起きます。

 

西洋医学では異常な脳波が原因だと言います。

だから、半分の脳組織を切りとる手術まであったわけです。

 

半分の脳を切りとって治ると思いますか?

あなたが患者なら、こんな手術やりたいですか?

 

西洋医学では癲癇(てんかん)の原因は、脳波の異常だというけど、実際は違う。

 

現代になってから、てんかんの原因はもう一つ増えました。

西洋薬のおかげ!

 

以下、ニハイシャ先生の治療記事には、成長ホルモン製剤の副作用で、てんかん発作した患者さんがいます。

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li-hari.hatenablog.com

 

てんかんの症状:「てん」と「かん」は違う

中医学の理論で、癲癇(てんかん)は癲(てん)+癇(かん)の複合名詞です。

 

癲(てん)は、精神錯乱を指します。

ほかにある症状は、走りまくる、歌ったり笑ったり、汚物の分別が分からずなんでも食べる、論理的な話ができない、表情が乏しい、じっと静かでもうろう状態。

 

癇(かん)の代表的な症状は、急に倒れて目が吊り、手足がけいれんする、口からは泡を吹く。羊、牛、豚みたいな奇声を出す。しばらく経つと自然に治るが、患者さんは頭痛・疲労感、めまいなどの症状が残る。

 

一般的に両方兼ねて発作するのが多いので、2つを合わせて癲癇(てんかん)だと言うようになりました。 

 

古代から「てんかん」の症例があり、鍼治療方法も記録されている

 

『鍼灸大成』(明・楊継州 著)には楊継州先生の治療例が書いてあります。

 

▼直訳文です。

 

癲癇(てんかん)20年の張さんの奥さん、10数人の漢方医に診てもらったけど治ってない。脈診してみたら、病気は経絡に入っている。目の周りが黒くて、病気が発作したときは手足がつって痙攣(けいれん)しながら異声を出す。

 

治療としては、中脘と鳩尾(きゅうび、みぞおち)を取り、胃腸を強化。

肩髃、曲池などを取り、経絡の流れを良くして痰を取り除く。

 

翌日に患者は穏やかになり、その後は脾臓を強化して、痰を取り除く生薬を毎日飲ませました。

 

ほかの著作にも、癲癇(てんかん)の症例と治療のツボがたくさんあります。

一つの例をあげると、1406年に編成された『普済方』には、てんかん治療の様々なツボが収録されています。

 

中医学5千年の歴史で、癲癇(てんかん)を治せなかったのは有りえない。

 

鍼灸大成:歴史に残る鍼灸の名作

鍼灸大成:歴史に残る鍼灸の名作

 

近代の「てんかん」の鍼治療例

近代でも様々な例がありますが、1つだけ引用します。

賀普仁先生(1926~2015)の治療例(2例)。

賀普仁先生は中国政府から名医だと選定され、鍼灸治療で有名な先生でした。

 

今はなくなっていますが、その貴重な治療例・治療方法は、後世の鍼灸医たちに残されています。

 

国医大师贺普仁针灸治疗癫痫的两个案例_博艾神灸_新浪博客の直訳です。

 

全文を翻訳してないです。

冗長な中医学理論のところは飛ばし、大事な所は翻訳しました。

 

治療例1:2ヶ月治療してから、てんかん発作は止まった

張さん、男性、24歳。

よく突発性の失神、全身の痙攣(けいらん)を起こして、口から泡を吹く。

 

毎月1~2回発作。毎回発作するのは1~2分。

発作が終わったあとは、頭痛がひどくて全身の倦怠感が強い。

 

てんかん治療薬:フェニトインナトリウムを飲んでいるけど、効果なし。漢方薬も試したけど、効果なかったです。

 

自覚症状は食欲不振で、大小便は正常。

 

望診:顔色が黄色くて、舌苔は白。

脈診:細、滑。

弁証法:患者さんは幼いときお母さんを死なせ、情緒の問題で痰が溜まり、気の流れが乱れたのが原因。

 

治療法則:痰を取り除き、経絡の流れを良くする。

施術のツボ:大椎、腰奇。

鍼の刺し方:4寸の鍼で、3寸半斜刺(円皮鍼)。

大椎の簡易図

大椎の簡易図

 

2日に1回の施術で、2ヶ月後には発作が止まりました。

2年たった今でも、発作はしてない。

今は運転手の仕事をしています。

 

治療例2:半年で治した9歳のてんかん患者

朱さん、男の子、9歳。

親の陳述:息子は癲癇(てんかん)歴があり、毎月1~7回発作しています。

顔色は黄色くて、てんかん発作したときは突然倒れて意識不明状態。目が斜めになり、口から泡を吹く。30分くらい経つと治るけど、目が覚めたあとは疲れ果てて無気力感があります。

 

鍼灸治療で良くなり、8ヶ月も発作してないです。

今回また発作して、記憶力が減退し食欲不振があります。

睡眠と大小便は正常。

 

望診:顔色は薄い黄色、舌苔は黄色くて白い。舌は薄い赤。言葉はちゃんと話せて、声が低い。

脈診:滑数。

 

弁証:胃腸に痰がたまり、肝臓と胆嚢の気と一緒に上がっている。

治療法則:痰を取り除き、上がっている気を下ろす。

 

施術のツボ:四神聡、中脘、頬車、地倉、合谷、大衝。

子供なので置鍼はしない。

毎週1~2回の治療をしました。

 

10回目の治療をしたあと、親が言うのは「2ヶ月経っていますが、癲癇(てんかん)発作はしていません。精神状態が良いです。ただし、記憶力が悪くて物忘れが激しいです。

 

施術のツボ:百会、上星、中脘、合谷、大衝。

百会の簡易図

百会の簡易図


 

16回目の診察のとき、親が言うのは「ずっと癲癇(てんかん)発作してないです。1週間前に2回だけ発作して、毎回10分くらいで収まりました。発作したあとは、手足がだるくて気力がないです。」

 

脈診したら、沈滑。

これは陽気が足りないことなので、痰を取り除く方法ではダメ。ツボを変えました。

 

施術のツボ:

大椎、腰奇。

刺し方:上記と同じ。

 

半年の間に9回刺しました。

ずっと安定していたので、鍼治療も終了することにしました。

 

李哲の分析:てんかんの治療は、2つの原則がある

 

上記の治療例を見ると、2つの事がわかります。

①痰を取り除く

これは漢方薬治療であろうと鍼灸治療であろうと、共通点です。

なぜなら、てんかんは「痰」が原因だから。

 

痰は胃腸から生み出されるので、鍼治療では胃腸を強化する中脘(ちゅうかん)などが使われます。

 

②脳への流れを良くする

百会、上星、大椎(だいつい)などは督脈のツボで、督脈は脳の中に入ります。

神智に関する病気で、百会はとても効果的。

ほかにもありますが、以上の3つは代表的なツボです。

 

おわりに

てんかんは西洋医学にとって、まだ謎の病気です。

様々な説が出続けているけど、未だに症状を押さえ込むだけで、完治はできない。なぜなら、本当の原因が分かってないからです。

 

このブログでは、てんかんの漢方薬治療例も数多くアップしました。

 

以下は、ニハイシャ先生がみた1番ひどい子供の患者さん。

幸いにも著しく改善して、子供のお母さんが大喜び。

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li-hari.hatenablog.com

 

上記の鍼灸治療例を見ても、その効果は目に見えるもの。 

 

数千年前から、てんかん患者はいました。

数千年前から存在した中医学は、もちろんその治療法があります。

 

中医学の治療法則は、

①てんかんを引き起こす痰を取り除く。

②脳への流れを良くすることで、失神・泡を吹くことを防ぐ。

 

漢方薬であろうと鍼灸治療であろうと、みんなこの法則に従います。

 

てんかんが良くなっているかどうかは、患者本人が分かるし、中医学はまた独自の診断方法があるので、チェックができます。診断方法を説明すると長くなるので、ここでは省略させてください。

 

てんかん治療は、人によってかかる日数は違いますが、最終的には皆てんかんが治ります。

咳すると肋骨が痛い(左)のを15分で治した鍼治療例

【※本記事は2019-06-12更新しました】

 

こんにちは。李哲です。

肋骨の痛みの原因は、ケガ・肋間神経痛・帯状疱疹などがあげられます。

 

西洋医学のやり方は、「原因を調べてから治療する」。

例えば〇〇菌、〇〇ウィルスが原因だから、相応の薬を使う。

原因不明の場合は、治療法もありません。

 

中医学は違います。

西洋医学が原因不明だといっても、中医学の独自な経絡理論があるので、解釈はもちろん、治療もできる。

 

以下、一つの簡単な鍼治療例で説明します。

 


 

2019年3月。

アトピー肌で鍼治療を継続している患者。

彼女の最後の記事は、以下をご覧ください。

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li-hari.hatenablog.com

 

今回の治療で、特別な症状がありました。

彼女が言うのは、

「ぶつかったり骨折した覚えもないのに、左の肋骨が痛いです。」

 

ストレッチのとき、咳したとき、腰をひねったり手を伸ばすときも痛い。

でも、普通の動きでは問題ないそうです。

ひねるときに肋骨の痛みがある

ひねるときに肋骨の痛みがある

私は彼女の主訴を聞いて、どの経絡の問題かが分かりました。

 

そして、うつぶせの時いつもの鍼以外に、右の支溝を追加。

うつぶせ15分の間は、彼女はぐっすり寝ていました。

 

仰向けのなったとき、チェックしてみました。

「一回腰をひねってみてください。また痛かったらほかのツボを考えます。」

 

彼女は深呼吸してみたけど、大丈夫でした。

ゴホゴホと咳してみたけど、痛くない。

 

彼女の目は大きくなり、「あれ?!あれ?!」と疑ってました。

わき腹をひねってみたり、もっと大げさにゴホゴホ咳してみたけど、やはり肋骨の痛みは消えている。

 

まだ愕然とした彼女に、私は話しました。

「痛くないなら、それで良いです。ほかのツボを追加しないので。次は仰向けで鍼をします。」

 

うつぶせの15分で肋骨の痛みが治り。

想定内の事でした。

 

肋骨の痛み、わき腹の痛みには、支溝がとても有効です。

あなたが帯状疱疹であろうと、喧嘩して殴られて痛めたあろうと、肋骨・わき腹の症状であれば、支溝は効きます。

 

肋骨の痛みに関して、私は死ぬ思いの経験をした事があります。

その時は鍼したうえに最後は刺絡で、黒い血を数滴出して完治しました。

 

今考えても謎の痛みでしたが、治せて良かったです。

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li-hari.hatenablog.com

 


 

彼女の肋間の痛みは、原因を追求するのは難しいです。

 

いつ、どこで、何して痛めたのか?

患者さん本人も覚えてないかも知れません。

 

大事なのは、何で痛めたかではなくて、その解決法があることです。

 

「原因が分からないと治療ができない!」という医学。

じゃ~~~患者さんは原因究明されるまで、ずっと痛みをガマンすればいいですか?

 

これは「患者さんのためになる医学」ではないと思います。

 

原因を究明して、自分の凄さを自慢するのではなくて、患者さんのつらい症状を解決してあげるのが医学ではないでしょうか?

 

 


 

中医学は、〇〇菌・〇〇ウィルス・〇〇遺伝子が原因で病気になったと考えません。

 

原因を分析するのではなくて、今の結果(患者さんの自覚症状)を見て、どの臓器・どの経絡でバランスを崩れたかをみます。崩れたところを治せば、つらい症状も消える。

 

中医学はマクロ(巨視)医学です。

経絡と五臓六腑で全身を包んでいるので、すべての痛み・病気は必ず経絡・五臓六腑の理論で解釈できます。

 

西洋医学みたいに具体的な原因を調べるのは、もちろん病気治療で欠かせない要素です。中医学も風・寒気・湿気にあたったのか、食中毒なのか、ケガで痛めたのかなどのキッカケをよく聞きます。

 

しかし、原因がわからない時も多い。

その時はどうすれば良いですか?

 

なぜかを問うより、なにを解決できるのか?

 

臨機応変で、すばやく患者さんの不調を解決する。

これは中医学にしかできません。

 

中医学と西洋医学の違いに関して、書いた記事があります。

よかったらご覧ください。

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蕁麻疹、小児腎炎、急性ウィルス性肝炎を同じ漢方薬で治した「異病同治」の例

こんにちは。李哲です。

蕁麻疹、小児腎炎、急性ウィルス性肝炎を同じ漢方薬で治すなんて、アラビアンナイトみたいな感じでしょう。

 

実は中医学には、「異病同治」の説があります。

違う病名だけど、源が同じであれば、治療法も同じの意味。

 

今日紹介するのは、中国・北京中医薬大学の教授:郝万山先生*1の治療例。

 

中国語本文のリンク先は、

麻黄連軺赤小豆湯(まおうれんしょうせきしょうずとう)

 

 

1.毎晩痒くて眠れない蕁麻疹(じんましん)学生さん、3日の漢方で治り

1976年唐山大地震が起きる前のこと。

当時の私たちは、もちろん7月に地震が起きることは知らなかったです。

 

当時の4月でしょうか、私は劉渡舟先生と74、75クラスの学生さんを連れて、唐山の撫寧県で診察治療を行いました。 

 

一人の学生さんが蕁麻疹だったです。

毎晩痒くて、一晩中眠れないそうです。

 

最初、私が治療しました。

湿気と風邪(ふうじゃ)を出し、熱を取る一般的な生薬を使いました。3日飲んだけど、全然効果がない。

 

当時、私は劉渡舟先生と同じ部屋に泊まっていました。

蕁麻疹の学生さんは私を探しに来て、 「先生、3日のんだけど変わらないです。」

 

私は彼に言いました。

「では、劉渡舟先生に見てもらいましょう。」

 

劉渡舟先生は脈診してみて、私に質問しました。

「どんな脈だと思いますか?」

「彼は痩せ型だから、触れただけでも脈が分かります。」

 

「触るだけで分かるかどうかじゃなくて、浮脈がどうかを聞いてます。

「先生、彼は風邪も引いてないですよ。脈は触れただけでも分かりますが。」

 

「風邪じゃないと浮脈はないですか?彼はどこが痒いんだっけ?」

「皮膚です。」

 

「皮膚は表ですが裏ですか?」

「もちろん表です。」

 

「皮膚が痒いなら表でしょう。脈はまた触れただけでも分かるし、これはもちろん表証ですよ。」

「先生!これは表証ですか!?」

 

「そうです。」

「え?どうしたら良いですか?」

 

「表証なら発汗。」

「彼に汗をかかせるのですか?」

 

「そうです。」

「どんな処方が良いですか?」

「麻黄連軺赤小豆湯(まおうれんしょうせきしょうずとう)。」

 

これは『傷寒雑病論』の処方。

湿熱が皮膚の層にあるときに使います。

 

私は生薬の量を先生に聞いたあと、処方を出しました。

劉渡舟先生が言うのは、「昼間は飲まなくていい。夜寝る前に飲んでください。そして、熱いお湯を飲んで布団をかけて、3日間汗を出します。」

 

こんな治療法があるなんて、私は知らなかったです。

 

3日連続で汗をかかせてから、彼の蕁麻疹は起きなくなりました。

 

その地方はシャワーもなかったです。

あとで分かりましたが、彼はたくさんのフケが落ちて、蕁麻疹も消えました。

彼は現在、ある軍隊病院で働いています。当時、彼は軍人だったたから。

 

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【↑↑↑ 麻黄の画像 】

 

2.顔がパンパン腫れた小児腎炎、7日の漢方で尿検査がよくなり、顔の腫れも引いた

唐山大地震のあと、私たちは北京に戻りました。

ある日、協和医院のお医者さん(私たちの中医学大学の卒業生)が電話して来ました。

「郝先生、こちらに小児腎炎の患者がいます。尿検査の数値が良くなりません。西洋医学のすべての手段を使ったけど、効果がないです。だから、中医学の先生に診てもらいたくて。」

 

「祝先生がいるんじゃないの?」

「祝先生は今日本にいます。」

 

「誰に診てもらいたいの?」

「劉渡舟先生です。」

 

そして、私は劉渡舟先生と一緒に協和医院に行きました。

子供の患者さんは、顔がパンパン腫れて、尿検査の数値はとても悪かったです。

 

先生が脈診したあと私も脈診して、先生は私に質問しました。

 

先生「どんな脈ですか?」

私「軽く触れるだけでも分かります。」

 

先生「それは浮脈ですよね?」

私「浮脈はどうしますか?」

先生「発汗!」

 

私「子供は風邪も引いてないです。」

先生「あいや!顔がパンパン腫れて、脈は軽く触れるだけでも分かる。顔は表でしょう?上半身が全部腫れた時は発汗の処方です。」

 

私「え?どんな処方ですか?」

先生「麻黄連軺赤小豆湯(まおうれんしょうせきしょうずとう)。」

 

私「何日汗をかかせれば良いですか?」

先生「この子はちょっとひどいから、7日。」

 

あとで、協和医院のお医者さんから電話がありました。

7日間汗をかかせたあと、子供の顔の腫れが引いて、尿検査の数値もよくなったそうです。

 

10何年前、私が中医学大学の中で歩いているとき、一人のきれいな若い女性が来て話しかけました。

「先生、私を覚えていますか?」

「え?誰ですか?」

 

「協和医院で入院した、腎炎になったあの子ですよ。」

その時、子供の顔はパンパンだったので、本当の顔が分からない。

どうしても、今のスレンダーできれいな顔とは結びつけなかったです。

 

「覚えられるわけがないですよ!」

「先生はとても印象深かったです。劉渡舟先生も。私は今中医学の講義に参加しています。どうしても二人に会いたかったけど、今日は道端で出会えて嬉しいです。」

 

「今は腎炎はどうですか?」

「それっきりで治りました。腎臓はずっと調子が良いです。私は今中国銀行で働いています。」

 

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【↑↑↑  麻黄連軺赤小豆湯の一つの生薬:炙甘草の画像 】

 

3.急性ウィルス性肝炎、みかんの皮みたいな黄色い皮膚が、同じ漢方で治り

ある日、地壇病院の同級生が私に電話して来ました。

「黄疸の患者さんがいるけど、数ヶ月経っているのに黄疸が消えない。劉渡舟先生に診てもらいたいです。」

 

そして、私はまた劉渡舟先生と一緒に行きました。

患者さんは顕性(けんせい)黄疸、急性のウィルス性肝炎でした。当時は真夏で、患者さんは胸まで開いて、皮膚色がミカンの皮みたいに黄色い。あなたが一回でも見たら、永遠に忘れらません。

 

肝炎は伝染病だったので、私はちょっと怯えてました。

劉渡舟先生が脈診したあと、私も大胆に脈診してオフィスに戻ってから、先生が質問しました。

 

先生「脈はどうですか?」

私「浮脈です。」

 

先生「浮脈はどう治療しますか?」

私「彼は現在急性ウィルス性肝炎です。湿熱が中に溜まって、表の症状ではないです。」

 

先生「彼は皮膚が痒い症状がないですか?」

私「彼は痒いと言っています。」

 

先生「皮膚が痒い、脈は浮いている。だから、これは表証です。」

私が思ったのは、彼は急性ウィルス性肝炎。毒素が皮膚下に蓄積されて末梢神経を刺激しているから、もちろん痒くなる。

 

しかし、劉先生はこれを表証だと診ているのです。

 

私「劉先生、どう治療したら良いですか?」

先生「あなたは習ったよ。」

 

私「おぉ~分かりました。麻黄連軺赤小豆湯!」

先生「あ、やっと分かったか!」

 

私がこの処方箋を理解するのには、3回もかかりました。

劉渡舟先生は良く言いますが、「あなたの頭は悪いね」

 

この患者さんは7日間汗をかかせることで、黄疸の数値は毎日下がりました。

 

患者さんは北京園林局の患部で、数年前まで生きていたそうです。

 

脈が浮いているのは、臨床で大事な診断基準になります。

風邪を引くのが、「表証」だけではない。

皮膚病、アレルギー性疾患、体が痒い、乾癬なども脈が浮いていれば、汗をかかせる方法で治せます。

4.李哲の感想:異病同治は中医学の一つの特徴

西洋医学の洗脳が強すぎて、ほとんどの方は〇〇病名だけ覚えています。どんな症状かは忘れて。

 

西洋医学が病名を造るのは、1対1関係の薬を売るためです。

病名があるから、薬を売れる。

症状だけだったら、薬が売れません。

 

だから、様々な症状で病院に行くと〇〇病だと診断され、対応の薬を処方される。

良くなったかどうかは、あなたが1番分かるはず。

 

中医学は違います。

大昔からの中医学は、西洋医学みたいな病名がありません。

患者の症状によって、処方箋を組み立てる。もしくは、鍼灸治療でツボを選びます。

 

中医学は完全にオーダメイド式の治療法です。

 

西洋医学の病名がまったく違っても、患者の症状が似ていれば、同じ処方箋を使います。そして、結果的にはみんな良くなる。

 

異病同治の例は過去記事にもあるので、どうぞご覧ください。

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li-hari.hatenablog.com

 

皮膚の症状であれば、 鍼灸治療では西洋医学の病名を問わず、同じツボで治します。

 

今まで湿疹、アトピー肌、貨幣状湿疹、子供の川崎病、大人の腰回り、おしりに出るニキビ、顔のかぶれ、顔のニキビなど様々な主訴を聞きましたが、治療法は同じツボ。

みんな改善もしくは完治されています。

 

なぜなら、表の症状が同じであれば、中の原因も同じですから。

 

以下は一つの鍼灸治療例、参考にしてください。

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li-hari.hatenablog.com

 

病名がない中医学は、一つのメリットがあります。

患者さんは怖い病名を聞いて、失神したりしません。

 

患者さんが分かるのは、どこが辛いだけ。

そして、中医学の治療でつらい症状がなくなり、治療が終わります。

 

最初から最後まで、患者さんの精神状態は良くて、恐怖・不安を浴びることもありません。

 

*1:郝万山先生の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。

ありえない!肝臓がんが自力で治るなんて!

こんにちは、李哲です。

肝臓がんが自力で治った不可解な症例。

アメリカでの中医師:鄭智城先生*1の文章を翻訳しました、全記事2922文字。

 

中国語本文のリンク先は、

猪苓汤:一个肝癌自愈的女人_郑智城

 (2012-01-20 08:47発表)

 

 

肝臓がんだと本当の話をしてない患者さん

今は珍しい物がどんどん増えて、飽きていますね。

しかし、私が経験した治療例は本当に珍しいもの:肝臓がんが自力で治った例です。

 

一人の女性、30代。

マレーシア華僑。

顔が白すぎて健康な感じではない人です。

 

彼女は友達の紹介で来ました。 

来た原因は尿が出にくい。しかも尿が熱くて、トイレに行くとつらい。

 

彼女が言うのは、

「良くなったり悪くなったりしたけど、最近はひどくなってガマンできないレベルになった。」

 

私の診療所には、たくさんのマレーシア華僑が来ています。私の感じでは、マレーシア華僑は中国人より礼儀正しく、伝統的な道徳観念が強い。彼らは関東語を話して、たまには方言も混ざります。

 

これは1年前の事、舌診と脈診はほとんど忘れました。

でも、眼診ははっきり覚えています。

 

彼女の虹彩は暗い。

これは体内に瘀血がいっぱいあることを示す。

生理はきっと異常でしょう。

 

心臓の区域も太くて短い血管があり、心臓の血管のつまりか若しくは心労が多いことを示す。

虹彩を見て内臓の状態を判断するのは、中医学の眼診

虹彩を見て内臓の状態を判断するのは、中医学の眼診

 

私は彼女の眼診をしてから、直接彼女に言いました。

「あなたの肝臓は大きな問題があります。」

 

 彼女はびっくりして、少し考えてから言いました。

「私は肝臓がんがあります。」

 

「本当ですか?!」

 

肝臓がんだと診断されて、治す方法がないと言われたのに、奇跡的に自力で治った

彼女は病気になる前後の経歴を詳しく話しました。

彼女の婚姻は不幸が多くて、彼女は常に大きな恐怖感とプレッシャーを感じています。おそらく、ご主人が暴力的だからでしょう。

 

数年前にシンガポールの病院で、彼女は「肝臓がん」だと診断されました。

頭に来るのは、その先生は遠い所から話すこと。彼女が伝染病でもあったように。

 

その先生は、はっきり言ったそうです。

「あなたの肝臓がんは治せないので、自宅で療養したほうがいいです。」

 

「自宅で死ぬのを待ってください」と言ってないだけですね。

 

彼女は怒って自宅に帰り、何もしない事にしました。本当に死ぬのを待つだけ。

 

しかし、待っても待っても彼女は生きている。

彼女はとてもつまらなくて、「こんなに死ぬのを待つより、なんかやろう!死ぬ前に少しでもなんかやろう!」と決めて、パン屋を始めました。

 

パンの画像

 

不思議と、彼女の精神状態がどんどん良くなり、身体の調子もどんどん良くなり、たまには漢方薬も飲みました。

 

そして、ずっとパン屋を経営して来たのです。

数年後に彼女はもう一度検査を受けたら、主治医が言うのは「癌は消えている、もう治りました」。

 

その後、彼女はアメリカに来ました。

中医学の眼診で患者は肝硬変レベル。患者はウソを言ってない

私は彼女の話を聞いて、アラビアンナイトでも見たような信じがたかったです。でも、信じざるをえない。

 

なぜなら、中医学の診断で、彼女の肝臓は本当に悪いからです。

彼女の眼診をした時、私は言い回しで肝臓が悪いと言っただけ。本当は8割は肝硬変だと診断したのです。

 

彼女の婚姻が不幸であるのも信じます。

なぜなら、心臓の区域に太くて短い血管があるから。

 

私は彼女の話を信じるしかなかったです。

 

尿が出るとき痛い・熱い症状はなくなり、生理不順を治療し始めた

本題に戻り、彼女の小便の問題は治療しやすいものです。

中医学でいう『淋証』、しかも『熱淋』。

ただし、彼女は腰が重だるい症状もあり、虚証だけではなくて実証も混ざっていたので、処方は猪苓湯3日分と補腎の処方3日分を出しました。

 

翌週、彼女は再診察に来ました。

今回、彼女の顔色はだいぶ柔らかくなっていました。前回みたいに苦しくなってない。

 

彼女が言うのは「先週の薬はとても効きました!飲んですぐ分かります、大変感謝しています。」

 

今度、彼女が治してほしい所は生理。

私は思いました。

彼女の肝臓がとても悪いので、生理にも影響があるはず。

 

彼女が言うのは「生理はずいぶん前から来てないです。しかも便秘。お腹はいつも張って苦しいです。」彼女は指で下腹部を示してくれましたが、辛い所はちょうど大腸のあたり。

 

脈診してみたら、右の関が弦脈。舌診では思ったほど腻ではない。

 

私はもともと大黄を使おうとしたけど、脈診と舌診が合ってない。

 

いろいろ検討してから、私は賭けることにしました。

桃核承気湯、3日分。

そして、飲んだあとに現れる症状も詳しく教えました。

 

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桃核承気湯の中の生薬:桃仁(とうにん)

2日後、彼女から電話が来ました。

「漢方薬を飲んでから、何回も下痢。しかも、熱い便が出るけど、これは正常ですか?」

 

私は答えました:「正常です。体内の古い便が出ているので熱く感じます。下痢のあと、疲れた感じがしますか?」

彼女の答えは、「疲れはしないです。」

 

私:「じゃ、大丈夫。そのまま飲み続けてください。」

 

李哲の感想:患者は怖い病名を知らないほうが長生きする

 

肝臓のことを話すと、以前翻訳した記事が思い出します。

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li-hari.hatenablog.com

 

ところで、肝臓癌が自分で治るのは初めて聞きました。

詳細は分からないけど、おそらく彼女が死に対する恐怖感がないのと、西洋医学の治療を受けてないのが最大の原因だと思います。

 

がん治療で難しいのは、患者さんが自ら生きる力を捨てるのと恐怖感。癌に対する恐怖感があると、治療効果はなかなか出ません。

 

精神状態はとても大事です。

毎日「どうせ自分の癌は治らないんだ」「もうすぐ死ぬんだ」と嘆いて落ち込む人は、何を飲んでも効き目がありません。

 

自分の病気を忘れる。

西洋医学の暴力的な治療を受けてない。

これが彼女が生き残った理由だと思います。

 

上記の女性みたいに、「癌を思わないで有意義なことをやろう!」と頑張って生きる人は、何人くらいいるでしょう?

 

多くの人は脅かされて、恐怖を浴びながら死んでいきます。もしくは、西洋薬の副作用に殺される。

 

癌細胞は誰でも持っています。

今の90歳、100歳の年寄りの体には、必ず〇〇癌があります。

しかし、知らない人のほうが多い。多少の不調があっても、みんな楽しく老死するまで生きているのです。

 

これは前の記事でも討論しました。

 

www.li-hari.net

 

癌は本当に治療する必要があるのか?

西洋医学にとって、これは盲点です。

わからないから全部切っちゃう、全部殺す。患者も一緒に。

 

がん治療はビジネスになって、患者さんのためになる医学からは、遠ざかったような気がします。

 

私の考え方ですが、

怖い病名に関して、患者さんは何も知らないほうが良い。

 

特に癌患者は、自分が癌だと知らないほうが長生きします。

*1:鄭智城先生の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外) をご覧ください。

子供の発熱は正常、発熱しない子供は異常です

こんにちは。李哲です。

今日はアメリカでの中医師:鄭智城先生*1の文章を翻訳しました。

 

中国語本文のリンク先は、

小孩子不发烧是不正常的_郑智城

(2013-11-13 00:11発表)

翻訳文

昨日来た男の子、そろそろ2歳です。

病状は全身(特に手足)の湿疹がひどい。掻きまくって血が出ている。

 

本当のことを言うと、これは湿疹でなく皮膚炎だと言ったほうが正しい。『湿気』が全然見えないから。見えるのは皮膚が乾燥して痒いだけ。

 

でも、今の人たちはみんな湿気だと言います。

湿疹であろうと、皮膚炎・蕁麻疹であろうと、みんな同じ。

 

この男の子、手のひらが熱くて、性格は非常に怒りっぽい。ちょっとでも気に食わないとすぐ物を投げたり大声で泣く。大便は羊の便みたいに粒。寝るときはなかなか寝てくれない。

 

私は家族に聞きました。

「子供は普段発熱しますか?」

「いや、ないです。」

「これはおかしいですよ。子供なら発熱するのが普通だから。中国語には俗語がありますが、『小孩屁股有三把火』。しかも男の子でしょう?もっと発熱の回数があるはずですが」

 

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家族が言うのは、「そうですね。お兄さんはよく発熱します」

 

「そのお兄さんは弟みたいに湿疹がありますか?」

「お兄さんはない、正常です」

 

この湿疹の原因は浮いてきました。

何かしらの原因で、発熱するシステムが抑制され、陽気が完全に外側に出られなくて、皮膚に症状が現れています。

 

四肢は陽気が集まるところ。だから、湿疹が起きたときは四肢での発作が一番ひどいはず。

李哲の感想

子供は体温調節機能が大人みたいに発達してないから、よく発熱すると言うでしょう。

 

中医学の考え方を述べてみます。

食べ物は目に見えるものなので、陰に属する。

動くパワーは目に見えないので、陽に属します。

 

子供は生まれつきの超強い陽気(エネルギー)を持っているけど、体が小さいので陰が弱い。つまり、陽が陰より圧倒的に多いです。だから、消化・吸収する能力が高くて、食欲旺盛で走る気力がいっぱいある。

 

陽気は上に上がる性質なので、子供は高い所に上がろうとします。

これは以前の記事でも話しました。

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li-hari.hatenablog.com

 

陽気が多いので、子供はパワフルで話すし動く、体温も高めです。あなたの子供が寒がりで冷え症だったら、すぐ治してくれる漢方医・鍼灸医を見つけてください。

 

成長とともに陽気が少しずつ減って、陰(食べ物)をある程度貯まるので、陰と陽の差が縮まる。多動児みたいに動き回ったりしません。だいたい10代になると、こうなるでしょう。

 

陽気は食べ物を消化・吸収するエネルギーで、体を守るエネルギーでもあります。 つまり免疫力。

 

外部から有害な物が入ると、体は必ず追い出すように頑張ります。戦いが起きると必ず熱が出る。

 


 

子供は防寒などの大事さが分かりません。

汗をかきながら遊ぶことで頭いっぱい。

だから、大人よりも風邪にあたる機会が多いです。

 

そして、外部から入ったものに対する反撃も強いので、高熱が出るわけ。

高熱が出ても子供の食欲・大小便・睡眠に問題がなければ、数日観察したほうが良いです。多くの場合、自然に熱が下がるから。

 

しかし、たくさんのバカ親はすぐ子供に解熱剤を飲ませます。

熱は下がったように見えるけど、実際に風邪のウィルスは体内に抑え込んでいるだけ。

 

いつか、免疫力が弱くなり抑えきれなくなったら、その時にまたひどい症状として爆発します。

 

数日観察しても熱が下がらない場合は、信頼できる鍼灸医・漢方医に診てもらってください。熱なんか刺絡すればすぐ治るから。

 

陽気が強い、免疫力が強い子供は高熱が出やすいけど、虚弱体質の子供は微熱もしくは熱も出ないで、ただだるい・元気がない・食欲がないだけです。

 

熱が出ないから喜ばないでください。

これはあなたの子供が、「虚弱体質」だからです。

 

漢方なり鍼灸なり、体質改善してくれる所を探してください。

*1:鄭智城先生の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外) をご覧ください。

鉄剤の副作用で胃痛になった女性、鍼1回で痛みが消えた

こんにちは。李哲です。

鉄剤は貧血の女性によく出される薬です。

貧血が良くなったかどうかは後にして、鉄剤の副作用は貧血よりもひどい。

 

「李哲鍼灸院」で確認できた鉄剤の副作用は、

  1. ひどいむくみ
  2. 胃痛
  3. 便秘

ほかにもあると思いますが、私が見たのは以上の3つだけ。

 

鉄剤を飲んでから便秘になった女性は、過去記事に書いてあるので、参考にしてください。

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li-hari.hatenablog.com

 

今日は鉄剤を飲んで胃痛になった患者の鍼治療例です。

 


 

一人の女性。

過多月経(かたげっけい)があって、病院で検査したのは貧血気味。そして、鉄剤を処方されたそうです。

 

彼女は以前にも鉄剤を飲んで体調崩した事があり、鉄剤はダメだと拒否しました。そしたら、先生はハチミツが入った甘くて飲みやすい鉄剤を処方。

 

彼女は数日飲んだだけで、ひどい胃痛になりました。

胃がキリキリ痛んで、日常生活も不快でストレスフル。

 

鉄剤の副作用:胃痛

鉄剤の副作用:胃痛

 


 

私は彼女の話を聞いて、先生の智慧に“感服”するしかなかったです。

甘い鉄剤だったら、体調崩さないと思ったでしょうか?

体調不良になったのは、鉄剤ではなくて、甘いか甘くないかの問題?

 

だったら、鉄剤じゃなくて甘いお菓子で良いじゃないかよ?!

 

当日、鍼をしたのは足三里、中脘。

ほかには、肩こりとか冷え性のツボを追加。

 

20分後に鍼を取り、お茶を飲むとき彼女が言うのは「胃痛は治りました。もう痛くないです。」

 


 

胃腸は中医学の理論で、五臓六腑の「六腑」に属します。

五臓(心臓・肝臓・脾臓・肺・腎臓)は深いところにある臓器で、六腑(胃・大腸・小腸・膀胱・三焦・胆)は浅いところにある臓器。

 

五臓は治すのに時間がかかるけど、六腑は浅いところだからすぐ治る。 

胃痛は六腑に属する症状なので、もちろん治すのも簡単です。

 

これは中医学の定義です。 

 


 

胃痛は今まで何百人診たかも知れません。

自慢話ではないですが、鍼治療ならほぼ1回で胃痛が消えます。

患者さんは治ったあと食事に気をつければ、胃痛は二度と戻らない。

 

上記の女性が抱えている問題、過多月経(生理中の出血が多すぎ)は、過去記事にも治療例が一つあるので、参考になると幸いです。

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li-hari.hatenablog.com

 

あなたが胃がん胃痛であろうと胃潰瘍の胃痛であろうと、ある程度の時間さえくれれば、鍼灸はすべて治せます。

 

個人差があるので、何回で治ると完全保証はできませんが、胃痛は1回受ければ効果が分かるはずです。